ロシア史上最強のサイコキネシス能力者ニーナ・クラギーナ/羽仁礼・ムーペディア
毎回、「ムー」的な視点から、世界中にあふれる不可思議な事象や謎めいた事件を振り返っていくムーペディア。 今回は、並外れたサイコキネシスの力を持ち、ロシアが国を挙げて育成した超能力の女王を取りあげる。
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書評家・ゲームコラムニストの卯月鮎が話題のゲームから連想されるオカルト、超常現象、不思議をピックアップ。これらを知っておけばきっとゲームがもっと楽しくなるかも!
2017年に発売され、世界累計販売本数2900万本を突破したオープンワールドゲームの金字塔『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』。その待望の続編となる『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』が5月12日に発売されました。
今回の一番の特徴は、冒険の舞台が空にも広がったこと! 城が宙へ浮かび、空から謎の遺跡が降り注ぐ天変地異に見舞われたハイラルで、主人公のリンクが再び冒険に身を投じます。
物の動きを逆再生する「モドレコ」、素材を組み合わせて新たな武器を作る「スクラビルド」、物を動かしてくっつけて乗り物にする「ウルトラハンド」など、主人公・リンクの新しい能力にも注目。
右手に宿る力を駆使してハイラルの異変に立ち向かうリンク。今回の冒険&謎解きも手強そうです!
では、『ゼルダの伝説 ティアーズ オブ ザ キングダム』から連想されるムー的キーワード3つを挙げていきましょう。
空に浮かぶ地といえば「浮揚大陸マゴニア」。9世紀の中世フランスのリヨン大司教アゴバルドゥスが残した記録『雹と雷に関する民衆の謬信』には、「マゴニア」と呼ばれる地域から雲の中を船がやってくると人々が信じていた、と伝えています。空を渡る船乗りたちは、「嵐を起こす者(Tempestarius)」に金を渡して、呪文で発生したあられによって落ちた穀物や果実を奪うとされていました。住民のほとんどが「マゴニアは存在する」と確信していた、その理由はなんだったのでしょうか……。
もうひとつ、浮遊島として有名なのが「ラピュータ(Laputa)」。こちらは18世紀にアイルランドの風刺作家ジョナサン・スウィフトが書いた『ガリバー旅行記』に登場します。島の中心にある深い穴を降りていくと巨大な天然磁石が備え付けられていて、軽く手を触れただけで回転し、島の上昇・下降も自由自在。
面白いのが支配の手段。地上にある領地が反乱を起こそうとすると「上空に島を滞留させ、そこの連中から日光や雨の恩恵を剥奪」します。それでもなお反乱を続けるというなら「島そのものを彼らの頭上めがけて降下させる」というのだから激しいものです。
「バビロンの空中庭園(Hanging Gardens of Babylon)」も非常にゲーム的。「バビロンの空中庭園」は、古代メソポタミアの新バビロニア王国の首都・バビロン(現在のイラク)にあったとされる庭園。紀元前6世紀頃の国王ネブカドネザル2世が、故郷の山岳を懐かしむ妃のために建設したともいわれています。
ひな壇状に5段階になっていて、階層ごとに「ありとあらゆる樹木」が植えられていたとか。およそ120m四方の正方形で、最上段までバケツや滑車を組み合わせた装置で近くのユーフラテス川の水を汲み上げていたと推測されます。「空中に吊り下がっていた」との解釈もありますが、これはおそらくギリシア語の誤訳。とはいえ、何らかの技術で宙に浮かんでいた可能性も完全には否定はできません。
神話の世界で「腕」といえば、ケルト神話のヌアザ。古代アイルランドのダーナ神族の王だったヌアザは、敵対するフィル・ボルグ族と戦い右腕を失います。その結果、ヌアザは王位を追われるものの、医療の神ディアン・ケヒトが作った指先まで思う通りに動く銀の義手をつけて力を回復し、王位に復帰しました。このエピソードから、「銀腕のヌアザ」という呼び名もあります。ちなみにヌアザの後継者ルーは、魔眼の巨人バロールの目を撃ち抜いて倒すなど槍や投石機の扱いに長けていたため「長腕のルー」と呼ばれました。
「腕」といえば仏教の千手観音も象徴的。仏像としては42本の大きな腕を持つ千手観音。脇に生えた40本の腕には持物(じもつ)が設定されています。悪魔を退ける宝剣、龍の顔が刻まれた盾・傍牌(ぼうはい)、頭蓋骨がついた髑髏杖……道具を使い分けるゲームの主人公のようですね。
【参考文献】
野口洋二『中世ヨーロッパの異教・迷信・魔術』早稲田大学出版部
ジョナサン・スウィフト(平井正穂訳)『ガリヴァー旅行記』岩波書店
ジョン・ローマー、エリザベス・ローマー(安原和見訳)『世界の七不思議 現代に生きる幻想の起源』河出書房新社
M・J・グリーン(市川裕見子訳)『ケルトの神話』丸善ブックス
『魅惑の仏像 千手観音―奈良・唐招提寺』毎日新聞社
卯月鮎
ゲームコラムニスト・書評家。雑誌、Web等でゲームの紹介、書評を中心に活動する。著書に、ゲーム実況のはしりとも言われる『はじめてのファミコン~なつかしゲーム子ども実験室~』(マイクロマガジン社)がある。
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