幽霊の正体は「超低周波振動」か!? 老朽化した家屋と“無気味な感覚”の関連に最新科学が挑む

文=webムー編集部

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    古い家屋で感じる不気味な気配。その正体が“幽霊”ではなく、配管やボイラーが発する超低周波音である可能性が浮上しているという――。

    聞こえない音と“心身の変化”

     カナダ・マキュワン大学の研究チームが、幽霊の正体に迫る驚愕の分析結果を公開した。

     もともと今回の研究は、老朽化した配管やボイラー、換気システムから発生する超低周波音が、人間の心身に与える影響について探るものだった。超低周波音とは、古い建物の地下室や壁の内部から発生し、人間の耳ではほとんど聞き取ることができない18ヘルツ前後の低い振動のことだが、人体は確実にその影響を受けているという。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     研究チームは36名の被験者に音楽を聴いてもらう実験を実施。そのうち半数には、密かにサブウーファーから18ヘルツの超低周波音を流して、気分やストレス反応の変化を測定した。その結果、超低周波音を浴びた参加者は、イライラしやすくなり、ストレスホルモンであるコルチゾールの値が上昇していたのである。

     ここで興味深いのは、参加者が誰一人として超低周波音が流れていたと気づかなかった点だ。つまり、人間は聞こえない音に対しても、無意識のうちに身体が反応しているという結果が示されたのだ。

    幽霊屋敷を科学的に分析

     研究を主導したロドニー・シュマルツ氏によれば、超低周波音はいわゆる“幽霊屋敷”と呼ばれるような老朽化した建物で発生することが多い。たとえば、古い配管が超低周波の振動を発し、それがなんらかの気配として感知される可能性もあるという。

    「幽霊が出ると噂される建物に入ったときに理由もなく落ち着かなくなるのは、霊ではなく聞こえない振動による影響かもしれない」
    「幽霊を信じる人にとって、超低周波音は“霊の気配”として解釈される場合がある」(シュマルツ氏)

     事前に「ここは幽霊が出る」と聞かされていれば、超低周波音によって与えられたわずかな不快感でも、怪異の証拠として感じられてしまうのかもしれない。

    実際の幽霊屋敷を利用しての分析も行われた 画像は「Frontiers in Behavioral Neuroscience」より引用

     一方、今回の研究結果を受けて心理学者のクリス・フレンチ氏は「超低周波音によって引き起こされる感覚が“幽霊が出た”と認識させる可能性はある。しかし、棚から物が飛び出すようなポルターガイスト現象まで説明するのは難しい」と、全ての怪奇現象と関連づけることには慎重な姿勢だ。

     また、フレンチ氏は超低周波音について「眼球をわずかに振動させ、幽霊のような視覚的幻覚を引き起こすという話もある」と語ったが、こちらは現在のところ科学的な裏づけはないようだ。

     研究チームは今後、異なる周波数や曝露時間での追加実験を計画しており、超低周波音が人間の感覚に与える影響の全容解明を目指している。

     古い家屋の配管やボイラーの振動によって生み出される超低周波音が、人間に幽霊を感じさせている――。心霊現象の科学的分析が進む一方、世界には超低周波音だけで説明しきれない事象もごまんと存在するだけに、より多くの研究者がこの問題に挑んでくれることを期待するしかない。

    【参考】
    https://www.theguardian.com/science/2026/apr/27/spooky-feelings-in-old-houses-may-be-caused-by-boiler-sounds-study-suggests

    webムー編集部

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