意識はやはり量子現象だった! われわれの意識は宇宙と繋がっているーー最新研究で確認
意識の源はどこにあるのか――。最先端の研究で、意識が量子現象であることを示唆する報告が相次いでいるという。
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人体を冷凍保存するコールドスリープはいつ可能になるのか――。新たな研究では、凍結したマウスの脳を解凍して再び機能させることに成功している。
冷凍食品は保存には便利だが、焼鳥などは特に味が落ちる。それは氷の結晶が細胞を傷つけるからだ。このダメージを極力避ける方策に「ガラス化凍結法」がある。組織内の水分を化学溶媒に置き換えて、ガラス状の物質に固めることで保存する方法である。
では、ガラス化凍結法で生物を凍結すれば“コールドスリープ”も可能になるのだろうか。フリードリヒ・アレクサンダー大学(FAU)をはじめとするドイツの研究チームが今年3月に「PNAS」で発表した研究では、ガラス化凍結法でマウスの脳の構造と機能をどれだけ良好に保存できるかを検証している。
研究チームは細胞組織の膨張、結晶化、および損傷のリスクを軽減できる可能性のあるガラス化凍結法をさまざまなアレンジで試行錯誤して独自のガラス化プロトコルを設計した。
まず、マウスの脳を薄くスライスした切片での試験が行われた。液体窒素でマイナス196度に冷却された銅製シリンダーの上に置いてガラス化凍結させた後、切片はマイナス150度の液体窒素中で10分から7日間保存され、その後に解凍された。ガラス化溶液(凍結防止剤)の配合を微調整することで、研究チームは水分の結晶化を完全に回避することに成功した。

問題は解凍したこれらの切片が実際に生きていて、機能するかどうかである。神経細胞のミトコンドリアがまだ機能しているかどうかをテストするため、研究チームは海馬の酸素消費率を測定したところ、ミトコンドリアが呼吸していることが判明したという。
ミトコンドリアの呼吸は生存能力の指標であるが、次に研究者らはシナプス、膜、樹状突起といった微細構造が生存しているかどうかも調査。海馬の切片を電子顕微鏡で観察したところ、それらはいずれも無傷であった。樹状突起スパインの密度と長さを定量的に解析した結果でも、ガラス化凍結処理の前後で差は見られなかった。なお、機能面では基本的なシナプス伝達は維持されていたものの、わずかに減弱していたようだ。
さらに重要なテストは、長期増強(long-term potentiation:LTP)の有無である。LTPとは、脳内のシナプスで情報伝達を担うグルタミン酸受容体の数が増えてシナプス結合が強化される現象で、学習と記憶の細胞メカニズムとして広く認識されている。
そして調査の結果、凍結保存されたマウスの脳の切片でもLTPが確実に発生していることが実験で確かめられた。これは新しい記憶を符号化するための分子機構も機能していることを意味する。
マウスの脳切片がガラス化凍結に耐えられることを確認した後、著者らはマウスの脳全体に対象を広げたが、血管を通して投与した溶液(凍結防止剤)が血液脳関門を通過するよう仕向ける必要があり、多くの困難が伴ったという。
まず、溶液を血管を通して流入させると、流入よりも速く脳から水が流出して著しい脱水症状を引き起こし、脳が物理的に縮小した。研究チームが見つけた対処法は、溶液の注入の間に部分的に再水和することだった。
ガラス化凍結されたマウスの脳はマイナス140度で1~8日間保存された後に解凍され、溶液が洗い流された。しかし成功率は芳しくなく、3回のうち生理学的評価に適した組織が得られたのは1回だけだったという。
とはいえ朗報は、成功した1回の脳は解凍後もほとんどの機能が維持されていたことである。
「われわれにとって重要な点は、単に一部の細胞が生き残ったことだけでなく、解凍後も組織が神経興奮性、シナプス伝達、長期増強といった中核的な機能を保持していたことです。長期増強は学習と記憶の根底にある中心的な細胞メカニズムです」「これは、神経回路が再び機能するのに十分なほど良好に保存されていたことを示唆しています」と、フリードリヒ・アレクサンダー大学病院のアレクサンダー・ジャーマン氏は科学メディア「IFLScience」に語る。
解凍後、マウスの脳サンプルすべてが正常な活動をするように回復したわけではないが、学習と記憶を司る細胞機構が保存に耐えられるかどうかを検証するうえで重要な一歩になったと言える。たとえわずかであれコールドスリープの実現に近づいたといえるだろう。
「この手法を用いることで、生存可能な神経組織をほぼ生体に近い状態で保存でき、実験の再現性向上や動物実験の削減につながる可能性があります。また、コネクトーム解析のために組織を保存しつつ、その構造をできる限り忠実に維持したい場合にも役立つでしょう」(ジャーマン氏)
ガラス化凍結技術の進歩は、臓器をはじめとする複雑な組織の保存性を向上させるだけでなく、重度の損傷や疾患における神経系の保護にも新たな可能性を開くかもしれない。
今回の研究ではマウスの組織が用いられたものの、研究チームによればこの手法をより大型の哺乳類(たとえばラット、ブタ、サル)や臨床現場に適用するには、依然として多くの技術的課題が残されているという。
今回の研究には関与していない神経科学者で、不老不死の可能性を追求すべきだと論じた『The Future Loves You(未来はあなたを愛している)』の著者であるアリエル・ゼレズニコフ=ジョンストン博士は「IFLScience」に対し、これは刺激的な一歩ではあるものの、まだまだ道のりは長いと語る。
「今回の研究は、ガラス化凍結された脳から電気生理学的機能(例えば脳波)が回復することを示した初めての研究であるという点で印象的です。これまで脳組織の切片では行われていましたが、脳全体を一度に調べたことはありませんでした」
「将来的には、動物を低温で無期限にガラス化凍結させ、その後に解凍して行動機能を回復させることが可能になるかもしれません」(ジョンストン氏)
さらにその先には、人体のコールドスリープも思い描かれているのだろう。人間が“長い眠り”で寿命を延ばす日はそう遠くないのかもしれない。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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