<目撃>顔だけがよく見えない……私も〝真っ黒男〟を見た!
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2025年4月号の「ムー民広場」の目撃情報に投稿されていた〝真っ黒男〟を、私も見ました。
https://web-mu.jp/hiroba/64558
1991年ごろ、の初夏だったと思います。実家の2階の自室で寝ていると、リーンリーンという涼やかな音で目覚めました。窓の外は濃霧。まだ起きるには早い午前5時台ですが、その音に聞き惚れていました。15分くらい続いているでしょうか。
最初はお坊さんの托鉢かと思いましたが、実家は車道から50メートルは奥に入っていますので、そんなところまで入ってきて、こんな早朝にわが家の前に長時間いるなんておかしい……と思い、廊下に出ると、窓が5センチほど開いていました。恐る恐るその隙間から外を見ると、真っ黒な影の少年のシルエットが立っていたのです。
影は隣家との境に立っていて、私と目が合っている、という感じがします。
それにしても、その影の横にある隣家の家庭用焼却炉の赤錆も、その影の後ろにある隣家の車庫の入り口にカーテンのように吊るされているブルーシートもはっきり見えるのに(他は靄でよく見えない)、なぜ少年の顔が見えないんだろう?
やがて朝日が射してきましたが、少年の足には影の尾は引いていないから、やはり影ではない。
(もっと窓に近づこう)、と一歩前に出ると、その影はザッ! と砂利の音を立てて一歩下がりました。
(やはり目が合っている! 窓を開けてよく見よう)と、窓に手をかけると、踵を返して、ザッ! ザッ! ザッ! と走りながらブルーシートの隙間から車庫の中に入っていきました。
慌てて階下の両親の寝室前に行き、今見たことを叫びました。母がいぶかしげに起きてきましたが、怖いようで外を見てくれないし「夢でも見たんだ」というのです。
私はまだ寝室にいる父に向かって「リーンリーンて大きな音がずっとしていて、その影がなくなったら音も止まって陽が昇って靄も晴れて……」と興奮気味にいいました。
すると父が「綺麗な音だったな」というのです。
「聞こえた!?」
「諸行無常だなぁ」
そう、まさにそう。あの寥々たる音は、仏の世に響く錫杖の音のごとくでした。やはり父は、私を否定しなかったので、それだけで安心し、落ち着きました。
(百合子)
〈編集部より〉
不思議な目撃談ですね。見える人、聞こえる人にのみ知覚できる存在なのかもしれませんね。その後、変わったことなどはありませんでしたか?
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