肉体を超越したアンドロイド観音「マインダー」が「空」の思想を語る! 京都・高台寺が拓く新しい法話を体験
京都の高台寺には、アンドロイドの観音像がある。動き、語り、般若心経を唱える「マインダー」は、令和に向き合うべき仏と衆生の関係を示している。ーー現地で、その法話を体験した。
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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
朝里 樹 著
異界の集積地・京都のうんちくあふれる情報が満載
1200年の古都として知られる京都。今でこそ表向きはインバウンド客であふれ返り、観光公害が叫ばれる財政破綻寸前の地方都市だが、その裏では、長い歴史を通じて「鬼が跋扈し、物の怪が漂い、狐が人を化かし、天狗が空を舞い、神が人と共にあった」異界の集積地でもあった。
本書は、読者自身がそんな京都の不思議な伝承や伝説、物語や逸話の舞台となった場所をたどってみるためのガイドブック。「テーマごとにスポットを分け、順にたどりやすいように住所やアクセス情報も掲載」され、伝承の背景も詳細に解説されている。まさに著者が保証する通り、「観光の際に参考になるのはもちろん、ただ読んでいるだけでも楽しめる本」に仕上がっているのだ。
通常の観光ガイドよろしく、コース名とその概説で構成されており、おすすめの歩き方や所要時間まで記されていて、親切極まりない。しかもそれぞれのスポット紹介やコラムが通り一遍のものではなく、著者ならではの、うんちくあふれる情報が満載されているからたまらない。
著者の朝里 樹氏はこれまでにも、『日本現代怪異事典』『日本怪異伝説事典』(笠間書院、本欄で御紹介ずみ)をはじめとする膨大緻密な前人未踏の著作を世に問うてきた少壮気鋭の研究家であり、今後も斯界を牽引していくであろう偉人である。
出不精の評者が、本書を片手に久々に京都を訪ねたくなった。それほどの魅惑に満ちた必携書である。

(月刊ムー 2026年01月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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