受け継がれてしまう怪奇の記憶 ギンティ小林「首つり廃墟」怪談/吉田悠軌・怪談連鎖
事故物件、心霊スポットとよばれる建物がある。たとえ建物がなくなったとしても、そこで起きた怪の記憶は受け継がれ、連鎖していくことがある——。
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異色の実話怪談本が誕生…!
性と生をテーマに、小説、エッセイ、ノンフィクションと多彩なジャンルの作品を世に贈り続けてきた作家・花房観音。2022年の春、心不全で生死の境をさまよったことをきっかけに、以前からずっと頭のなかにあった「死」についてより深く向き合うようになったという。
そんな花房さんが「『死に場所探し』の旅の記録」としてまとめたのが、本書『怪談ルポ 死の名所を歩く』。東尋坊、高島平、青木ヶ原樹海など、日本各地のいわゆる「死の名所」とよばれる場所を旅した怪談ルポルタージュがたっぷり詰まっている。
……と聞くだけでおもしろいが、この本にはもうひとつの柱がある。実話怪談だ。
「死の名所」ルポと、花房さんがこれまでに聞いた実話怪談が、ミルフィーユのように折重ねられているのだ。とりわけ惹きつけられるのが、本書の末尾を飾る、花房さん自身が体験した“怪談”の数々。心不全で死に触れかけて以降、それまでは一切感じたこともなかった不思議なできごとが、立て続けに起こるようになったのだという。「死」を見つめることで、より強く「生」に向き合う。そんなテーマをも感じる読み応えのある一冊。

『怪談ルポ 死の名所を歩く』(花房観音著、税込1,760円、二見書房)
webムー編集部
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