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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
古賀達也 編
東北地方の古代史「和田家文書」を検証
『東日流外三郡誌』とは、1949年ころから青森県五所川原市の和田家で発見された膨大な古文書群「和田家文書」のひとつで、いわゆる「古史古伝」に分類される。これまでまったく知られていなかった東北地方の古代史が記されており、各方面に波紋を投じたが、学界からは「偽書」として一蹴されている。
本書は、このような学界の趨勢に対し、厳密な調査論考によってこの文書の真価を問う挑戦の書。標題にある東日流外三郡誌の「逆襲」とは、偽書どころかそもそも「古文書」ですらない捏造と決めつける学界主流派に対し、真摯な学問的研究によって反論を加える試みを意味する。
本書では、「和田家文書」をα群、β群、λ群に厳密に分類した上で、その学問的分析から関係者の証言、そして批判者の杜撰な手口の曝露に至るまで、多方面から「和田家文書」の真正性を検証していく。
執筆者のひとりである武田崇元氏によれば、「和田家文書」の発見者である和田喜八郎はかなり「いい加減な人」だったらしいが、それならばなおのこと、そんな人物がこれほどに膨大にして精緻な代物を独力で創り上げたとは考えがたく、何らかの伝承に基づくものであると考えざるを得ない。
「『和田家文書』にはノイズも多いが、だからといってその全てを否定するのは産盥の水と共に赤子を捨てるようなもの」ーーという武田氏の言葉には、首肯せざるを得ないだろう。

(月刊ムー 2025年12月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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