香川県の飯野山にいた! 足跡を残した巨大な愛され妖怪「オジョモ」/妖怪補遺々々
香川県に伝わる巨人妖怪オジョモ。ちょっと聞き慣れないかもしれませんが、地元では意外な愛されキャラ。しかも各地に異なる伝承も。そんなオジョモの怪異を補遺々々しました。ホラー小説家にして屈指の妖怪研究家・
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妖怪大探検! 香川雅信 監修 妖怪の正体に迫る待望の低年齢向け案内書 超自然的な威力を発揮する、おそるべき存在であると同時に、どこか親しみを感ずる独特のキャラクターでもある「妖怪」。 本書は、日本各地の寺社に伝わる妖怪 […]
香川雅信 監修
妖怪の正体に迫る待望の低年齢向け案内書
超自然的な威力を発揮する、おそるべき存在であると同時に、どこか親しみを感ずる独特のキャラクターでもある「妖怪」。
本書は、日本各地の寺社に伝わる妖怪の骨やミイラ、遺品から、古書や絵巻物などに収録された挿画まで、豊富なヴィジュアルで妖怪の正体に迫る待望の学童向き案内書である。
基本見開きで、フルカラー、総ルビに、語り口はあくまで平易と、学童にも親しめる親切な構成ながら、めったに見られないような珍しい写真や図版が贅沢に使用され(何と、先の『筑前化物絵巻』に由来する図版まである!)、大人の鑑賞にも十分に耐えうる重厚さな仕上がりである。
学童向け妖怪本といえば、往年のジャガーバックス版『いちばんくわしい日本妖怪図鑑』(立風書房)が思い起こされる。だが本書は、鬼才・佐藤有文先生の時代から幾星霜を経て、民俗学、歴史学、考古学、文献学、美術史学、その他あらゆる周辺学問領域における、長足の進歩の成果を惜しげもなく投入した、真の良書となっている。
少子化が叫ばれて久しい世の中であるが、数が減って困るならその分、個々の質を上げればよいのであって、そのためには、本書のような低年齢向けの良質な書籍の普及は、最善策であろう。
全国の児童生徒諸君はぜひ、本書のような良書に親しみ、それぞれの知的好奇心と探究心、それに論理的・実証的・科学的思考の基礎をとくと育んでいただきたい。

(月刊ムー 2025年11月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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