灰色の看護師が今もさまよう…ニュージーランドの心霊スポット「キングシート病院跡」を現地取材
ニュージーランドにかつて存在した精神科病院。いくつもの凄惨な事件を隠蔽していたその病院は閉鎖後、100件以上の異常現象が報告される最恐心霊スポットになっていた。
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ニュージーランドの怪奇収集者から、人形にまつわる怪談が寄せられた。悪夢と憤怒を招く呪物はなぜ一家を苛んだのか?
ニュージーランドのオークランドに拠点を置く超常現象の調査・研究グループ「パラノーマル・ニュージーランド」の主催者マーク・ウォールバンクさんから、ニュージーランドに纏わる怪談が届いた。
私は十代の後半の数年間、ニュージーランドに住んでいたこともあって現地の不思議な体験やスポットの情報を耳にすることが多い。日本から遠く離れた小さな島国で語られた怪談を今後、定期的にどこかで披露したいと思っている。
マークさんから聞いた怪談を紹介しよう。
今回は私の「呪物コレクション部屋」に座っていた小さな女の子人形の話を共有しましょう。
この人形が手元にやって来るまでのやり取りは、Facebookのメッセージから始まりました。
以下は、その時やりとりしたメッセージの要約です。人形に纏わる不思議な話は世界中にあるように思います。人に大事にされた人形には何かが宿る。宗教や文化が違っていても、そこには不変の共通する何かがあるのかも知れません。
こんにちは、あなたは不思議なアイテムや、呪物を喜んで受け入れると聞いています。
そして、ここにあなたが興味を持つ可能性のある一つの人形があります。
私の妻の母つまり義母は、身体が不自由だったので生活を送るに当たって誰か身近な人の手を借りる必要がありました。なので、スコットランドから娘のいるニュージーランドに引っ越して来たのです。我が家の困難はその時から始まりました。
義母は、常に怒りをまき散らしていました。目に入るもの全てがどうやら彼女は気に入らなかったようです。そのうえ義母はこの国での生活が嫌で、激しいホームシックに襲われ、スコットランドが恋しいと泣き叫ぶことさえありました。
もともと私たちの一家は妻と息子と私の三人それぞれ穏やかな性格もあって口論をせず、のんびりとした生活を楽しみながら送っていました。ですが、義母が来てからというもの、家の中ではたくさんの否定的な感情で幸せを感じる時間さえありませんでした。
そして、私がマークさん。あなたが関心を持つであろうと私が思っている呪物は、義母の持ち物なのです。
その呪物……かもしれない「人形」は義母が私たちと一緒に住んでいる間、義母の部屋のベッドサイドにいつも飾られていました。もともとそこは息子が使っていたのですが、一番過ごしやすいという理由で義母が望んだので彼女の部屋となりました。
義母が亡くなったとき、私たちは遺品を収納ボックスに詰め込み、人形は箱に入れて寝室の戸棚に押し込みました。義母が住んでいた部屋は息子の一人部屋に戻され、しばらくたった日のことです。
私たちは息子の変化に気づきました。
息子が常にイライラし、議論をしょっちゅう吹っ掛けて来るようになったのです。しかも口調が彼らしくなく……スコットランド訛りを交えた老婆のような話し方をするようになりました。彼は不機嫌で、何事にも反抗的で、それは今まで知っている息子の性格から外れていましたし、本人もそれを自覚しているようでした。
なのに、古めかしい言葉で、何かあると突っかかって話すのを止められないというのです。
奇妙なことに、息子は学校にいる間は以前のように大人しい控えめな性格なのに、家に帰ると別人のようになってしまうと言うのです。
ある日、息子が真夜中に飛び起きて寝室の壁に穴を開けたとき、何かが深刻におかしいのではないかと感じました。夢遊病者のようになっている息子の体を強く揺さぶって、目を覚ますように声をかけると、ハッと表情が変わりこんな話をしだしました。
「悪夢を見ていて、とても怖くって、逃げなきゃって感じて……誰からっていうと夢の中で攻撃されていたんだ。でも、その空いてには反撃できなくって逃げることしかできなかった」
この発言から、息子は悪夢を見て、それが彼に大きな恐怖を引き起こしていたことがわかりました。
夜驚症とますます怒りと暴力的な行動はさらに数週間続きましたが、ある週末、息子は棚に本やスポーツ用品を置くスペースが必要だと判断し、何が入っているのか分からない箱を取り出してガレージに入れることにしました。
手に取った時にふと中が気になったので箱を開けると、そこには人形が入っていました。
次に何が起こったのかはわかりませんが、彼はめまいを感じ、ベッドサイドの椅子に頭を激しくぶつけてしまいました。彼はしばらくの間意識を失ってしまったそうです。
そして意識を取り戻した後に人形の入った箱をガレージにしまい込み、息子は、自分の怒りや気分の変化が人形と関係があると確信しました。
この話を聞いて、私も妻はこれらのことに非常に懐疑的に思いましたが、理にかなっていると感じる部分もあるなと感じています。
正直なところ、家族はこの人形を処分する必要があると感じています。義母が生きていた時と、息子のふるまいが部屋を変えてから急に似通いだしたのは、誰もが認めるところです。
マークさん。あなたがこの「人形」を受け取りたいかどうかを私に知らせてください
この知らせを聞き私はすぐさま人形を受け取りに行きました。
人形はその後、私の家の多くの曰く付きの人形が置かれた棚にしばらく保管されていました。
この人形は老婆の思いが宿り、ホームシックになっているのではないか?
彼女にとって最善なのは故郷に帰ることではないか?
という思いが大きくなってきました。
そんな時に、私の所にスコットランド北部でオカルト研究を行っているリアムシャンド氏が訪ねて来ました。私は彼に人形を手渡し、故郷で幸せに過ごすようにと言いました。
私は持ち主の健康と、人形が自分の居場所である故郷での生活を楽しむことを願っています。
人形の写真はこちらです。何か感じますか?
……さて、怪談はもうひとつ、あります。
ポリネシアの言語では、「アイツ」という言葉は幽霊や霊を指し、しばしば悪意を示すこともあります。
この言葉は、西ポリネシアと東ポリネシアの多くの言語に共通した単語の一つです。少し音が異なることもありますが例えば、トンガの神話では「アイトゥ」や「エイトゥ」は下級の神々のことをそう呼びます。
彼ら(「アイトゥ」や「エイトゥ」)はしばしば植物や動物の形をとり、他の神々よりも残酷であると語り継がれています。
これらの問題を引き起こす神々は、サモアから来たと考えられています。トンガ語のタンギ・ラウ・アイツは、悲しみから泣く、嘆くという意味です。マオリの神話では、アイトゥという言葉は病気、災難、または悪魔を指します。関連語のアイトゥアは、不幸、事故、災害を意味します。タヒチ語では、アイツは「神」または「精神」を意味することがあります。ラロトンガン語、サモア語、シカイアナ語、カピンガマランギ語、タクウ語、トゥアモトゥアン語、ニウエ語などの他の言語では、アイトゥは幽霊または霊を指す言葉です。クック諸島では、アイトゥは東から来た古代の部族の名前でもあります。
伝説によると、アイトゥ族はマンガイア島に定住しました。マンガイア島では、彼らは神々に生贄を捧げるために時々虐殺されました。マンガイア島には、テ・ウム・アイトゥ(te umu aitu)という名の大きな窯の残骸が残っており、そこでは多くの人々が殺された後に大量に食品として、調理されました。
アイツは人がコントロール出来ない邪悪な神であり霊であり、時には我々を守ってくれる存在としてポリネシアで語られる理由は何なのでしょうか? この謎を解き明かす日がいつか来ることを願っています。
ポリネシアを旅する人はアイツ(霊)の声を聴くことがあるそうです。もし、アイツの声を聴いたという人はその言葉を書き記して我々に教えて下さい。
田辺青蛙
ホラー・怪談作家。怪談イベントなどにも出演するプレーヤーでもある。
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