ネッシーのDNA大規模分析プロジェクト「ネス湖2.0」始動! “巨大ウナギ説”提唱の遺伝学者が環境DNA研究をさらに進める

文=webムー編集部

    長きにわたりUMAの代表格として君臨するネス湖のネッシー。遺伝学者の呼びかけによって、新たなDNA分析「ネス湖2.0」がスタートする!

    「ネス湖2.0」プロジェクト始動

     英スコットランド・ネス湖に潜むとされるUMA「ネッシー」の正体をめぐっては、さまざまな仮説が立てられてきた。首長竜のプレシオサウルス巨大なウナギ藻が集まって生まれたバイオ怪獣説……。いまだ確定的な証拠が見つからない中、以前ネス湖のDNA調査をおこなった遺伝学者が新たなDNA分析方法を提案した。

     注目を集めているのは、ニュージーランド・オタゴ大学のニール・ゲメル教授。2018年に実施したネス湖の調査で250のサンプルを採取し、大量のウナギのDNAが見つかったことから「ネッシー=巨大ウナギ」説を提唱した人物だ。同教授はネス湖に巨大なウナギが存在することを示す決定的証拠はないが、その可能性はあるという立場を示していた。

    画像は「illumina」より引用

     巨大ウナギ説はロマンを求めるUMA愛好家を落胆させ、調査結果に納得していない人も多い。ネス湖の限定的な場所でしかサンプルが採取されておらず、ゲメル教授も「1000万立方リットルほどの水があると推定される湖で、数百立方リットルの水を採取するのは大したことではない」と研究規模が小さかったことを認めている。

     そこでゲメル教授が新たに提案したのが、ネス湖を頻繁に訪れる船やネス川に通じる水門に設置できる、受動的な採集システムだ。前回調査時のような「1度限り」のサンプル採取ではなく、1年以上にわたって継続的にサンプルを収集してフィルタリングし、DNAの配列を解析するという。

    画像は「illumina」より引用

     ゲメル教授は今回の取り組みを「ネス湖2.0(Loch Ness 2.0)」と呼び、スポンサーを募っている。未知のものを明らかにできるだけでなく、環境DNA研究の発展を促進するチャンスでもあると考えているようだ。

    巨大ウナギ説をめぐる経緯

     なお、ネッシー=巨大ウナギ説については、数学者でデータアナリストのフロー・フォクソン氏によって否定されている。まず、ネッシーの目撃情報からウナギの体長は最低でも6メートルなければならない。ネス湖の過去の漁獲データから常に8000尾以上のウナギが棲息していることが判明し、併せて体長1メートルの個体を見つける可能性が5万分の1の確率であることもわかった。つまり、体長6メートル以上ともなると可能性は極めて低くなり、「ほぼゼロ」を意味するというのがフォクソン氏の考え方だ。

     ちなみに2018年のサンプル分析では、爬虫類のDNAが一切見つかっていない。「ネッシー=プレシオサウルス」説が否定されることになったが、昨年9月にネス湖を航行する船が捉えたソナー映像には、明らかに首長竜を思わせる形状の巨大な影がはっきりと捉えられていた。

     巨大生物の存在を水中に秘めた、神秘の湖。ネッシーの正体を明確にするためにも、ゲメル教授が推奨する「ネス湖2.0」が早急に実行に移されることを期待したい。

    【参考】
    https://www.illumina.com/company/news-center/feature-articles/loch-ness-edna.html

    webムー編集部

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