『フリーメーソンの悪魔「バフォメット」の謎』ムー2025年1月号のカバーアート/zalartworks
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サバトをご存じだろうか。中世ヨーロッパで行われていた、魔女あるいは悪魔崇拝の集会だ。
この集会に参加したことで魔女とされ、裁判にかけられたという記録も残されている。そのとき、祀られていたのが、レオナールという悪魔だ。
ジャック・コラン・ド・プランシーの『地獄の辞典』によれば、レオナールは第一階級のデーモン(悪魔)で、サバトのグランドマスターだとされる。
人間の身体に山羊の頭、そして3本の角があり、ふたつの耳はキツネの形、目は大きく丸く見開かれている。
まさに異形そのものなのだが、これとよく似た存在として、バフォメットという山羊の頭をした悪魔がいる。
こちらも同じように、しばしば悪魔主義者といわれる人々の崇拝の対象となってきた。
いや、そのような甘いレベルではない。なにしろバフォメットの名は、あのテンプル騎士団に対する異端審問のなかでも、彼らの崇拝対象として裁判記録に残されているのだ。
詳細はこれから述べていくことになるが、テンプル騎士団といえば聖地エルサレムとその巡礼者を守護する、まさにキリスト教の騎士だったはずだ。
イエス・キリストは神の民を「羊」、悪魔の民を「山羊」と呼び、最後の審判の際には人々は羊と山羊に分けられ、裁かれるといった。当然、山羊の頭を持つバフォメットはキリスト教において悪魔そのものであり、それを崇める者は弾圧の象徴とされることになる。
ならば──。
キリスト教を守護する騎士であるはずの彼らがなぜ、山羊頭の悪魔バフォメットを崇拝していたのだろうか。
実は、バフォメットを崇拝していたのはテンプル騎士団だけではない。一部のフリーメーソンもまた、ひそかに崇拝していたという話がある(その詳細は後述する)。
世界の裏で暗躍していると噂される、秘密結社フリーメーソンは、読者もよくご存じのことだろう。
たとえばアメリカ1ドル紙幣にも描かれた「ピラミッド・アイ」こと「プロビィデンスの目」。フリーメーソンのシンボルとして例に出されることが多い。
全能なる神の神聖な目が、ピラミッドの頂上に君臨している姿を表しているという説明がされるのだが、本当のことをいうと違う。これは、男女の性交渉を意味しているのだ。
フリーメーソンに受け継がれる神聖幾何学では、上向きの三角形は男性器の象徴であり、これはピラミッド本体で表されている。
一方、目はそれ自体が女性器を意味するものだ。目の輪郭はふたつの円を重ねた「ヴェシカ・パイシス」の中央輪郭と同じで、神聖幾何学では女性器の象徴となるからだ。
そして、フリーメーソンと関係が深いとされるユダヤの、ダビデの星こと六芒星もまた同様である。
ピラミッド(三角形)に女性器を象徴する下向きの三角形を重ねることで、やはり男女の性交渉を表しているのである。
つまり、フリーメーソンのプロビデンスの目は、ユダヤのダビデの星と本質的に同じ意味なのだ。
だがそうなると、ひとつ不思議なことがある。
なぜフリーメーソンは、古代エジプトのピラミッドを使い、ユダヤの象徴と同じ意味を持たせたのか?
簡単にいうと、フリーメーソンもテンプル騎士団も、そしてユダヤも、古代エジプトに深い縁があるからだ。
本稿ではこれから、古代エジプトの「とある王家」の秘密を探り、DNA、語源、民族移動など隠された事実を掘り下げることで、フリーメーソンと古代エジプト、さらには悪魔バフォメットの起源とテンプル騎士団のつながりを解明していくことになる。
そして、長い間隠されてきた「キリスト教の禁忌」にたどり着くことを目的としている。
真実はどこまで明らかにされるのか、ぜひともご期待いただきたい。
(文=岡本佳之)
続きは本誌(電子版)で。
webムー編集部
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