米アパラチア地方に伝わる「月眼人」とは何者なのか? 青い目をした夜行性の先住民族の謎
月明かりの下で活動する夜行性の部族「月眼人」とは――。ネイティブアメリカンよりも先に北アメリカ大陸にいたのは「月の眼を持つ人々」であったという。
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野生のバッファローの白い子牛が産まれた――。この地の先住民族・スー族の伝説によれば、これは世界の“終わりの始まり”が訪れた確かな兆候であるという。
米ワイオミング州北西部に広がるイエローストーン国立公園で今年6月、野生のバッファローの白い子牛が目撃され、同地を訪れていた写真家によって撮影された。
農場で飼われている交配種のバッファローやバイソンが白い子を産む事例は珍しくないということだが、野生種のアルビノはきわめてレアケースであるという。
そして、この現象は地元の先住民族にとって特に重要な意味を持っていた。
米北部中西部の先住民族・スー族の間では、次のような「白いバッファローの子牛の女(White Buffalo Calf Woman)」のエピソードが語り継がれている。
2000年前、白いバッファローの子牛に姿を変えることができる伝説の美しい女性が、部族を飢饉の危機から救った。そしてこの女性は「混乱した世界に調和を取り戻すために再び戻ってくる」と告げ、神聖な牛骨のパイプを形見に残し、白い子牛に姿を変えて去って行ったという。
古代文明研究家でライターのビブ・デヴ・ミスラ氏によれば、スー族にとって白いバッファローの子牛の誕生は、現在の世界のサイクルが終わりに近づいていることの確実な兆候であり、「白いバッファローの子牛の女」が世界を浄化し、我々の生活と生態系全体の調和を取り戻すために戻ってきたことを意味しているという。
スー族の指導者で、「白いバッファローの子牛の女」から贈られたとされる牛骨パイプの19代目の保管者であるアルボル・ルッキングホース氏は、白い子牛の出現は我々がすべきことを「もっとやらなければならない」という兆候だと英メディア「BBC」語る。
「すべての国々がそれぞれの聖地に集まり、祈りの中で私たちと団結すべきです」(ルッキングホース氏)
彼は白い子牛の誕生を「祝福であり警告でもある」と説明し、「私はとても感激しています。これは奇跡です」とBBCニュースに語った。
「このことについて話すだけでも身の毛がよだつほどです。こんなことが起きているとは信じられません。『白いバッファローの子牛の女』の霊が私たちにメッセージを送っています」(ルッキングホース氏)
スー族をはじめ、ショショーニ・バノック族、ラコタ族、ノーザン・アラパホ族、コルビル族の長老たちも、白い子牛の誕生は「世界が危機に瀕していることを示す不吉なメッセージである」というコンセンサスに達している。
白い子牛がやってくるということは、母なる地球を救うために、自然に対する行動を変えなければならないことを意味していると認識する必要があるというのだ。
「子供たちの未来のために、それを実現するのは皆さん一人ひとりにかかっています。私たちは団結して、その良いエネルギーを取り戻さなければなりません」(ルッキングホース氏)
ルッキングホース氏は子牛の誕生を「私たちの歴史における重要な瞬間」であると力説する。
はたして、白い子牛の誕生は「白いバッファローの子牛の女」の再来を意味しているのか。そして今の世界が終わり地球は浄化のプロセスに突入するのだろうか。
前出のミスラ氏によると今年の異常気象、特にスペイン、アメリカ南部、東ヨーロッパ、アラブ首長国連邦、フィリピンなどの地域で洪水が相次いでいるのは、白い子牛の目撃に続く地球の“浄化プロセス”のはじまりではないかという。
今年9月、サハラ砂漠は半世紀ぶりの洪水に見舞われ、モロッコ南東部では2日間で1年分以上の雨が降り、何十年も干上がっていた湖が満水になった。砂漠の町メルズーガが水浸しになるという前代未聞の光景は、世界を驚かせた。
世界気象機関のセレステ・サウロ事務局長は、次のように発信している。
「気温上昇の結果、水循環が加速しています。また、気候はより不安定で予測不可能になり、水が多すぎるか少なすぎるかという問題がますます深刻化しています」(サウロ事務局長)
また、サウジアラビアの砂漠は11月初旬に史上初の降雪に見舞われ、灼熱と黄金の砂丘で知られるこの乾燥地帯が冬景色に包まれた。アル・ナフド砂漠北部のアル・ジャウフ地域のほとんどが雪に覆われたが、これは大雨や雹嵐など、この地域を襲った一連の厳しい気象現象によるものであった。
「ニューズウィーク」誌の報道によると「気象学者は、異常気象の原因をアラビア海からオマーンへ移動した低気圧と関連付けている。地球規模で大気に変化が起き、このような異常気象の頻度が増加する可能性がある」とのことだ。
こうした世界的な異常気象は、地球が“浄化プロセス”に突入したことの証なのだろうか。
歴史を遡れば、紀元前4000年頃までサハラ砂漠もアラビア半島も、緑豊かな植生と川、広大な湖で覆われており、動物の大群が自由に歩き回っていた。
アフリカ湿潤期は紀元前3900年頃に終わり、その後は急速に砂漠化が進行。紀元前3500年までには、サハラとサウジアラビアは完全に砂漠地帯になった。
とすれば、ひょっとするとサハラ砂漠もアラビア半島も、紀元前4000年前の緑豊かな時代へと回帰しようとしているのではないか。
ミスラ氏は、インド哲学における“循環する4つの時代”を説く「ユガ(Yuga)」の信奉者であり、その観点から、現在は4番目の時代である「カリ・ユガ」から抜け出ようとしている時期であり、気候の逆転が始まったのだという。この逆転により、サハラ砂漠やアラビア半島は、カリ・ユガが始まる前のように、緑豊かな草原に変わる可能性があるということだ。
スー族に伝わる「白い子バッファローの子牛の女」の伝説は、遠い昔の重大な出来事に関する貴重な情報を暗号化し、我々が今直面している惑星の変化について警告するリマインダーなのだとミスラ氏は説明する。
ということは、今後も世界各地で起きる異常気象と共に地球の“浄化プロセス”が進展し、さらに大きな変化が待ち受けているのだろうか。その変化が希望なのか絶望なのか、どちらになるかは我々の身の振り方次第なのかもしれない。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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