「幽霊の寿命は100年」という研究結果が話題! エネルギーを使い果たすことで消滅か
幽霊について、新たな角度から衝撃的主張が展開されている。なんと彼らにも“寿命”があるというのだ――!
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動物は光合成できるのか――? 驚くべきことに葉緑体を移植した動物細胞での光合成が初めて達成されたのだ。
我々人間を含む動物は定期的に食物を摂取して生命を維持していかなければならないが、平均して1日に3食を口にするなど、考えてみればひどく面倒な生活を余儀なくされている。一方で植物は水分を含んだ土壌にいる限り、太陽光を浴びているだけで生き永らえることができる。
その秘密は「光合成」にあり、ほとんどの植物(藻類も含む)は、細胞に含まれる葉緑体を使って太陽光のエネルギーを活用し、水と二酸化炭素から成長に必要な炭水化物を生成し、副産物として酸素を放出している。
もしも動物にも光合成が可能になれば、食事から解放されかなりストレスフリーの生き方ができそうだが、今のところは夢物語に過ぎない。
しかし、そこに希望の光が届けられている。東京大学をはじめとする研究チームが今年10月に「Proceedings of the Japan Academy, Series B」で発表した研究では、動物細胞に光合成をさせることに成功したという驚くべき研究成果が報告されているのだ。
これまでにも長きにわたって科学者たちは光合成動物を作り出すことを夢見てきた。
しかし問題は、動物の免疫系が細胞内に移植された葉緑体を攻撃する傾向があることだ。このことから、それまでは誰も葉緑体を細胞内に定着させることに成功していなかった。さらに、葉緑体が免疫系の攻撃に耐える方法を見つけたとしても、体温が平均約37度ある動物細胞の高温の環境で機能できる可能性は低い。
これらの問題に対処するため、東京大学をはじめとする研究チームは、イタリアの火山温泉に生息し、37度以上の温度で光合成できる「シアニディオスシゾン・メロラエ(略してシゾン)」と呼ばれる原始的な紅藻類から摘出した葉緑体を使用した。研究チームは、これらのシゾン葉緑体をハムスターの卵巣細胞から作製された培養細胞(CHO細胞)に取り込ませる試みを行った。
そして2日間の共生培養の結果、CHO細胞に最大45個の葉緑体を取り込ませることに成功したのである。CHO細胞の1%が7つ以上の葉緑体を取り込んだ状態になり、CHO細胞の20%に1~3個の葉緑体が含まれていることが判明した。葉緑体と動物培養細胞の融合に成功したのだ。
重要なのは移植された葉緑体がさらに2日間活動を示し、その間に宿主細胞が加速的に成長したことである。これは光合成が実際に起こっており、葉緑体が炭素源として機能している可能性があることを示しているのだ。
「私たちの研究は、哺乳類細胞における葉緑体の光合成活性を測定した初めての研究です」と研究論文では言及されている。
今回の実験では、移植した葉緑体が少なくとも2日間は培養細胞内で光合成活性を保持していたことになるのだが、葉緑体と動物培養細胞の融合細胞は「プラニマル細胞(planimal cells)」と名付けられ、植物の光合成が可能な動物細胞と定義されている。
「私たちは、プラニマル細胞が画期的な細胞になると期待しています。将来的には、よりカーボンニュートラルな社会への『グリーントランスフォーメーション』の実現に役立つ可能性があります」(研究論文より)
画期的な成果を上げた今回の研究であったが、さらなる観察によると、移植された葉緑体は2日後に分解し始め、4日目には完全に破壊されたことが明らかになった。
したがって安定したプラニマル細胞を完成させるにはさらなる研究が必要であるが、研究者らはすでに「合成生物学に基づくアプローチが、人工的に光合成する動物細胞を作成するための基礎となる可能性がある」ことを示唆するじゅうぶんな成果が得られたとしている。
「この研究は細胞組織工学に役立つと信じています」と研究チームは言及し、特にこの技術が「人工臓器、人工肉、人工皮膚シートなどの実験室で培養された組織」の生産に革命をもたらす可能性を思い描いている。
現在、このような多層細胞産品の作成は、層間の酸素不足により細胞分裂が阻害され、成長が制限されるため複雑で困難をきわめている。しかし研究チームは「葉緑体移植細胞を加えることで、光照射による光合成で細胞に酸素が供給され、組織内の状態が改善されて成長が可能になる」と述べている。
したがって、このプラニマル細胞は将来の食品生産と医療の両方で重要な役割を果たすことが見込まれる。牛などの家畜から放出されるメタンガスなどの温室効果ガスが問題視されているが、将来的に光合成が可能な合成生物が誕生すれば、食肉生産がむしろ二酸化炭素の削減に転じる可能性もある。そして人体に葉緑体を移植する時代を迎えると、その先には我々が“不食人間”になる未来が見えてくるのかもしれない。
【参考】
https://www.iflscience.com/photosynthesis-in-animal-cells-achieved-for-the-first-time-using-implanted-chloroplasts-76655
https://www.k.u-tokyo.ac.jp/information/category/press/11214.html
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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