見上げるほどに大きくなる怪異は調べるほどに変わってしまう? 「次第高」「しだい坂」の謎
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笹田孝至 著
丹念な現地調査により、王家の発祥地が判明!
日本最古の歴史書である『古事記』『日本書紀』(「記紀」)に依拠して古代史を研究していくと、幾つもの謎が未解決のままに残される。
・王家の真の発祥地はどこか?
・「神武東征」は史実か?
・列島の国生みが淡路と阿波から始まっているのはなぜか?
・大和朝廷に敵対していた日向国(南九州地方)が天孫の降臨地とされているのはなぜなのか?
等々である。
だが、これらの謎はいずれも、王権の発祥地をとある地に比定すればきれいに説くことができる。
それはどこか?
阿波である。
本書は膨大な資料を駆使して、この皇都=阿波説を検証していく試み。
著者の笹田孝至氏は、現在NPO法人阿波国古代研究所理事長。かつて徳島市役所観光課在職中に、『邪馬壱国は阿波だった:魏志倭人伝と古事記の一致』の執筆者である堀川豊平氏の教示により、阿波邪馬壱国観光を推進する。
その後、『道は阿波より始まる』の著者・岩利大閑氏の薫陶を受け、古代史研究に耽溺。『記紀は阿波一国の物語である』『阿波から奈良ヘ、いつ遷都したのか』『皇祖の地高天原の証明』などの著書を次々に世に問う。いわば皇都ヤマト=阿波説に生涯を捧げた人物である。
本書は、そんな著者の40年に及ぶ研究の一部をまとめた、膨大なる「半ば概論」。気合を入れて臨みたい。
(月刊ムー 2024年8月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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