眠りが怪物を生むーー巨匠ゴヤの悪夢的なる絵画世界で逃げ惑える『Impasto』/藤川Q・ムー通
ゲーム雑誌「ファミ通」とのコラボでムー的ゲームをお届け!今回は、あのトラウマ絵画も登場するホラーアドベンチャー。
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この世界は、私たちが想像可能な領域を遥かに超えて複雑、かつ不確かに、そして、〝かなり興味深く〟成立しています。そのような奥深い世界を覗き込むために、サイエンスからオカルト、都市伝説まで縦横無尽に横断することで、〝世界解読〟を試みる「真実の目」氏の『宇宙奇譚集』。その気になる中身を抜粋、再構成し7回にわたりプレビュー公開いたします。4回目は、地球は、実は宇宙の中の刑務所であるという「地球刑務所説」ですーー
私たちがいるこの綺麗な青い星は、宇宙の中の刑務所だという「地球刑務所説」があります。この仮説もまた、突拍子もないと感じる方がいらっしゃるかもしれませんが、順を追って、受け入れがたい靄を少しずつ晴らしていくことにしましょう。
この仮説の発端は、提唱者であるアメリカの生物学者エリス・シルバー博士の次のような主張にあります。
本来、人類が地球上で最も進化した生物であれば、人類はどの生物種よりも、地球の環境に適合しているはず。しかし実際、人類の体は地球環境にそれほど適合していません。 例えば、動物界において、体のサイズが大きい動物のほとんどは四足歩行をしています。地球の重力のもとで、体のサイズがある程度大きくなると、四足 歩行が最も体に負担が少ない歩き方だからです。しかし、人類だけかが、体が大きいにもかかわらず二足歩行です。
さらに、四足歩行から二足歩行に変わるのは、進化の過程において段階的に 起きると思われていましたが、なんと、初期の人類である「アウストラロピテクス」の化石により、彼らは400万年前からすでに二足歩行と判明。これらの霊長類はまるで進化の過程を省いたかのように突然、地球上に現れたのです。
実は人類は地球に生きるうえで、様々な問題を抱えています。あなたもそう かもしれませんが、腰痛もその1つです。腰痛の問題を抱える動物は、地球上において人類だけだとエリス博士が主張しています。
さらに、人類の皮膚が太陽光に長時間さらされると傷つく構造になっていることや、人類の自然分娩が非常に難しいこと、多くの人が数多くの慢性 的な病気を患うことなどから、エリス博士は、人類はどう見ても地球環境に適していない、どこかの別の場所から来た種ではないか、と主張しています。
博士が考えた1つの可能性としては、私たち人類は、数百万年前から、誰か によって地球という刑務所に送り込まれた囚人だというものです。
地球上における動物たちがエネルギーを獲得する手段というのは、植物が太陽光や大気からエネルギーを得るのとは異なります。ほかの動植物を食べることが必要です。
これを表すのが食物連鎖ですが、人類はこの連鎖の頂点に立っていることに なっています。
すでに人類はこの残酷な命の奪い合いを制覇し、食う・食われるの脅威から脱出していることから、人類は何も〝宇宙の囚人〟の要素がないと思うかもし れません。
しかし、人生がいくら幸せだとしても、意識が肉体の中に禁錮されている以上、それが幸せとは言い切れないと考えることができます。 なぜなら、私たちの多くの悩みや苦しみは、肉体からきているからです。 体の病気による苦しみ、愛する家族との死別、自分の命の最期に感じる絶望感と体の痛み……など。これらはすべての人が人生において経験するものですが、これらの経験による辛さは、存在する喜びの程度を超えているという考えもあります。
また、食物連鎖から脱出しているとはいえ、この競争の激しい人間社会は、根 本的には弱肉強食のルールに従って動いています。表向き、人類は食物連鎖から脱出していますが、事実上、先ほども述べた人類同士の競争や搾取という、また別の残酷な連鎖の中に閉じ込められています。
これらの人生における苦しみは、意識が肉体の中に存在している故に起きたものが多いでしょう。宇宙の主流は〝意識体〟かもしれないというのが私の説ですが、私たちがそのような存在であれば、これらのほとんどの苦しみがなくなるかもしれません。私たちは不都合な肉体にとらわれているのです。
肉体と高度な知恵を同時にもつ私たち人間の大部分は、肉体がもたらす欲に コントロールされてしまっています。「成功したい」「もっとお金を稼ぎたい」 「幸せな家庭を築きたい」「健康でいたい」……。これらが少しでも欠けたら、人はすぐに落ち込みますし、悩みを感じるようになっています。逆にすべてを満たせたとしても、人はまたすぐにその上を求めるのです。人間の欲には、きりがありません、底なしの沼です。
では、もし「地球刑務所説」が正しいのであれば、いったい誰が何のために私たちを地球に閉じ込めたのでしょうか?
宇宙において主流の生命の形は意識体であることを前提として考えてみましょう。意識体であれば、空間と時間を越え、さらにはいくつかの異なる次元までも自由に行き来することができます。これらの意識体から自由を奪おうとするとき、あなたならどのような方法を使いますか?
私たち人間社会において、人から自由を奪うときは牢屋などに閉じ込めて、空間における移動能力を0にします。意識体は時間と次元を自由に移動できると考えると、このような意識体から、空間、時間、次元における自由をすべて奪う方法は、その〝意識体を実体のある肉体に閉じ込める〟ことではないでしょうか。
意識体を肉体に閉じ込め、ある惑星に送り込めば、彼らは天体の重力もある故になかなか星から離れることができませんし、離れられたとしても、肉体で は宇宙空間で長く生きることができませんーー肉体に意識体を閉じ込めることによって、空間における移動能力を奪うことができるのです。
次に時間においても、肉体をもつ私たちは未来という一方向へしか移動できません。肉体をもつ限り、過去に戻ることはできません。
次元においても同じく、3次元以外の次元には進入できません。
肉体に禁錮されるだけでも、意識体として存在していた生命体にとっては十分に残酷な罰なのに、その罰を下した誰かは、〝肉体たちの生活環境を、お互い命を奪い合わないと生きていられない環境〟にもしているのです。
では、私たちはなぜ、こんなにも酷い罰を受けることになったのでしょうか?
その可能性としては、〝懲罰の目的〟があるでしょう。
私たちの人間社会の懲罰と同じく、罪を犯した意識体が受ける罰は、肉体に閉じ込められること。しかし、もし地球人が罰を受けている意識体であるならば、地球における人口の数とその増加スピードから、罪を犯した意識体があまりにも多い気がします。
したがって、別に考えられる可能性は、戦争です。
異なる高度な文明の間にも戦争が起きていて、敗者の文明の意識体たちは、勝者によって肉体に閉じ込められ、地球という残酷な場所に送り込まれているーー。 個別的な懲罰ではなく、戦争敗者をまるごとすべて送り込んだという考えです。
偶然のいたずらか、意図的な作用なのかはわかりませんが、宗教には、「地球刑務所説」と似たようなストーリーが存在します。
仏教の最も古い経典である『阿含経』によると、この世界には四大洲が存在するといいます。これはそれぞれ、南贍部洲、東 勝 身洲、西牛貨洲と北倶盧洲と呼ばれています。南贍部洲に関する描写は、私たちのこの人間社会、つまりこの地球で起きていることと一致しています。しかし残りの三大洲に関する 描写は、世界のどこかの国や民族のことでもありません。
具体的に、南贍部洲以外の三大洲の住民は、寿命が短い者でも250歳、長い者であれば、1000歳にまでなります。彼らは生活に苦しんでいる様子がなく、無限に近い資源、平和すぎる生活、欲のない心など、どの点においても、南贍部洲の環境を遥かに超えて豊かにみえます。
極端な解釈かもしれませんが、これは地球を含む4つの星の生活を描写したものかもしれません。その中で地球の住民だけが、最も苦しい生活をしているようです。
真実の目
2021年12月に開設したYouTubeチャンネル「真実の目」は動画総再生回数1000万回を超え、謎に包まれた超新星サイエンス×都市伝説チャンネルとして注目を集める。YouTubeでは、独特な視点から、様々な現象や謎を論理的に分析し、この世界のあまり知られていない奇妙な一面を紹介する動画を投稿している。
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