「ちゃお」ホラー傑作! 妄想が日常に恐怖を落とし込む…『笑顔の世界』岬かいりインタビュー
「SFホラーすぎ」とSNSに恐怖旋風を巻き起こした話題作がコミックス化。著者に創作秘話を聞く!
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この世界は、私たちが想像可能な領域を遥かに超えて複雑、かつ不確かに、そして、〝かなり興味深く〟成立しています。そのような奥深い世界を覗き込むために、サイエンスからオカルト、都市伝説まで縦横無尽に横断することで、〝世界解読〟を試みる「真実の目」氏の『宇宙奇譚集』。その気になる中身を抜粋、再構成し7回にわたりプレビュー公開いたします。3回目は、もし異星人が存在するなら、その文明と出会えないワケとはーー
人類はなぜ宇宙文明を見つけていないのかについては、いろいろな人によって、100以上の解釈が提言されて います。ここでは、有名な仮説のいくつかをご紹介しましょう。
宇宙において地球は非常に稀有な存在であり、地球だけが天文学的確率にかかわらず、偶然に自然発生的に高度な文明をもつことができている、と主張するのが「レアアース仮説」です。
この仮説では、人類のような高度な知恵をもつ、いわゆる〝知的生命体〟が 存在する惑星は、地球以外のどこにも存在しないと考えます。この仮説では、偶然ではあるものの、生命を誕生させるために必要なまさに〝奇跡的〟なファインチューニング(精妙な調整)を地球は唯一手に入れることができたのだと主張します。
まず外部環境のファインチューニングですが、地球に生命が居住可能な領域 (ハビタブルゾーン)があるのは、地球が太陽と絶妙な距離に位置しているためだというのが基本的な考え方です。
地球上の生命は、常に太陽から適切なエネルギーを受け取っています。もし、 地球が太陽から今より遠ければ氷の惑星に、近ければ灼熱の惑星になってしまい、私たちのような生命体は存在できません。
また、月の存在も大きな意味があります。地球唯一の 衛星である月は、衛星にしては異様に大きいと言われています。この大きさが あるために地球では海の干満が起こり、複雑な生命の誕生に貢献したとされて います。また、プレートへの潮汐力は、私たちが暮らすために必要な陸地の形成ももたらしています。
地球の内部環境についても、地球がもつ奇跡的環境が主張されています。まず挙げられるのは、磁場、水、大気が存在していることです。
地球はいわば巨大な磁石であり、これがもたらす磁場は、太陽から常に吹き出している危険な「太陽風」を遮ってくれています。このおかげで、大気が散逸してしまったり、海の水が蒸発してしまうことを防いでいるとも考えられています。
水や大気の存在が、生命体の誕生と活動に必要不可欠であることは、言うに及ばないでしょう。
ここで挙げたことは、地球に生命体が誕生するための条件のほんの一部でし かありません。このように、数え切れないほどの厳しい条件をすべて満たした星は、宇宙においては地球しかないというのが、レアアース仮説の主張です。
ただ、私個人の考えで言えば、レアアース仮説の主張にはあまり賛成していません。確かに、地球のような惑星が宇宙上に存在する確率は非常に小さいものです。しかし、ほぼ無限と言えるほど広大な宇宙では、惑星の数も、ほぼ無限に存在しています。すると、確率的に考えると、必ずどこかに地球と似たような星が存在していると考えるほうが自然だと思うのです。
逆に、もしこのほぼ無限大である宇宙において本当に地球にしか生命がいないのであれば、それは、この太陽系自体が、生命を誕生させるために〝誰かによって設計された〟という可能性を、つまり、〝地球外生命体の存在〟を考える ほうが、私は素直に納得できます。
次に見る解釈もまた、驚きとともに納得させられるものです。それは、「グレートフィルター仮説」と呼ばれています。その名のとおり、〝大きな壁〟という意味です。生命が進化していくためには、その過程で越えなければならない〝大きな壁〟があるという考えです。
どのような生命の進化であれ、この壁を越えられなかったときは、その発展の終焉のときでもあります。
壁は、いわば〝立ちはだかる障害〟。生命や文明が次の段階に向かうためには、これを越えなければならないのです。
例えば、そうした壁の大本となるのが「生命の誕生」です。
生命体は様々な化学物質の複雑な組み合わせと、絶妙な働きによって誕生・ 存在していますが、現在の人類は実験室でどのような方法 を使っても、最も単純な構造の生命体すら作れません。生命体が生まれなければ「グレートフィルター」も何もありません。故に生命の誕生という壁は、文明が発達していく中で、越えなければならない最初の壁なのです。
次に、簡単な生命体から高度な生命体に進化できるかどうかが、2つ目の壁です。地球における生命体が、簡単な形から複雑な形に進化するためには、い わば単細胞生物が多細胞生物になるような細胞の複雑化が起こるためには、十数億年間もかかったと言われています。この時間の長さは、2つ目の壁の難しさを反映しているとも言えるでしょう。
以上の2つの大きな壁を含めて、地球文明が現在のように知的生命体のレベルに発達し、さらに他の物質を扱う技術までを身につけることができたのは、私たち人類がすでにいくつかの大きな壁を越えたことを意味しています。 この先、地球文明を待つ壁が存在するのかどうか、存在するのであれば、それはどのような壁なのかは、誰にもわかりません。
しかし、壁となる可能性がどのようなものかは、現時点でもいくつか仮説を考えることができます。例えばその1つは、戦争です。人類が戦争を終わらせる手段を見つけることができなければ、いずれは世界規模の核戦争によって破滅する危険を抱えたままとなります。
もしくは、資源の上限も壁の1つです。人類が地球に残存する資源をすべて使い切り、エネルギー不足で人口が徐々に減り、最終的に文明の破滅に至る、ということもありえます。
このグレートフィルター仮説を信じるなら、私たちが地球外生命体を発見できない理由は、宇宙には他に知的文明が存在するものの、どの文明も宇宙の外に出る宇宙移民技術を生み出す前に、何らかの越えられない壁とぶつかり破滅 したためだと考えることができます。
もしこの仮説が正しいのだとすれば、私たちが地球外生命体を1つでも見つけられないことは、人類の文明にとっては、非常に都合のよいことだと言えます。
もし、人類が今まで越えてきた壁が非常に難しい壁であると考える場合、これらの壁を越えてきた地球文明は、宇宙においては非常に稀な存在なのだと考えることができるためです。
逆に、人類が越えてきた壁は宇宙規模で見ればそれほど大した困難ではないと考える場合はどうでしょう?
これから先、地球外生命体の存在を確認できたとするならば、人類が今まで越えてきた壁は、宇宙全体から見ればそれほど難しいものではないことを意味します。
真実の目
2021年12月に開設したYouTubeチャンネル「真実の目」は動画総再生回数1000万回を超え、謎に包まれた超新星サイエンス×都市伝説チャンネルとして注目を集める。YouTubeでは、独特な視点から、様々な現象や謎を論理的に分析し、この世界のあまり知られていない奇妙な一面を紹介する動画を投稿している。
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