漂着怪物「モントークモンスター」は生物プラントから流出したハイブリッド生物か?/宇佐和通・ヒストリーチャンネルレビュー
世界各地の「謎」を検証していく人気チャンネルをレビュー。番組は誠実で説得力ある考察と、切れ味よく明快なジャッジで伝説の怪物を解明する。
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ごく普通の家族を襲う凶悪な霊現象の数々。定点カメラや科学調査を駆使し、怪異の実態と正体を追う、迫力の心霊ドキュメンタリー!
Crime+Investigationの新シリーズ「アメリカン・パラノーマル〜死霊の棲む家〜」は、リアルでストレートな心霊ドキュメンタリーだ。小学生の夏休みに見た2時間の心霊特番がもっていた独特の緊張感を久久に思い出した。
主役は、本当にごく普通のアメリカ人家族。ただし、舞台となるのはどれをとっても最凶という形容がふさわしい事故物件ばかりだ。究極のパラノーマル状態に追い込まれるオールアメリカン・ファミリー。シリーズの特性を短く表現するなら、こういういい方になると思う。
日常生活にも支障をきたすような怪異が起きる家の各部屋に定点カメラを設置し、さらに家族の面々が個別に語れるコンフェッション(独白)カメラも用意。その状況で10日以上にわたってモニターする。超常現象研究家や霊能者の助けを借りながら家族が力を合わせ、禍々しいものを追い払うという展開だ。筆者はこの原稿を書くために最初の3つのエピソードを体験した。単に見たのではなく、〝体験〟した。時間の経過とともに、霊現象と戦う家族と目線が同じになって、感情面でも同化していくからだ。
最初の家族は、ケンタッキー州グレイソンに住むマッグローン一家。家族構成は父・母・兄・妹の4人だ。7年前にこの家に引っ越してきて、翌日から撮影当時まで7年間怪異に悩まされつづけている。
カメラへ向けられる個々人の語りと家族への聞き取りから、徐々に情報が引き出されていく。
最初のエピソードの"別の主役"はアレックスとベンという霊体だ。ベンは10歳くらいの男の子で、危害は加えないし、悪意も感じられない。しかし17歳くらいの男の子であるアレックスは長女の胸に聖痕のような十字架のあざを浮かび上がらせる。また、泊まりにきた長男の友だちが夜中に起きあがり、夢遊病者のような足取りで真っ暗なキッチンに入り、包丁を取り出して自分の腕に切りつけ、出血したところで正気に戻るというシーンもノーカットで収録されている。
最初のエピソードに限らず、次々と切り替えられる監視カメラのざらっとした質感の映像がものすごく怖い。オーブめいたものもしばしば写り込むし無気味な音声が録音されることもある。だから臨場感がいやが上にも増す。もう一度書いておく。〝鑑賞〟では決してなく、〝体験〟にきわめて近い感覚だ。
3つのエピソードを通して感じたのは、憑依現象にもさまざまな種類があるということだ。事故物件という言葉は主として家憑きの霊に対して使われる言葉なのだろうが、ときに家族のひとりが憑りつかれてしまったり、よくないものが憑りついている物品を自分の生活に取り入れてしまったりすることで、自らよくないバイブスを招き込むというパターンもある。
3つのエピソードに共通するのは家族間のいさかいだ。悪霊は争いを好むのかもしれない。さまざまな現象を起こして家族ひとりひとりの不安を煽り、不安が怒りに成長し、それをぶつけあって関係がどんどん悪化していくプロセスがよくわかる。
共通することがもうひとつある。それは、最後はひとつにまとまって戦う家族の姿だ。お父さんがリーダーになるとは限らない。小さな女の子のひと言にみんなが勇気づけられ、この世ならぬものと対峙する気持ちが固まることもある。
ポルターガイスト現象をそのまま写した映像や、きわめて西洋的な方法で行われるお祓いや浄化の儀式も興味深い。そして、最終的にすべてを決める最も重要な要因は、現象に直接関わる人々の心の状態であることがよくわかる。強い心や気持ちは武器になるし、疑念や恐れ、ためらいといった感情はすべてマイナス要素となる。
浄化や除霊というのは、エネルギーとエネルギーのぶつかり合いにほかならないのだ。
●CRIME+INVESTIGATION●
アメリカン・パラノーマル〜死霊の棲む家〜
原題:American Haunting
<番組概要>夢のマイホームで日々巻き起こる奇怪な超常現象に悩む3世帯の家族は、長きにわたり、得体の知れない何かに怯え疲れ、家庭は崩壊寸前。再び平穏を取り戻すべく、今、家に棲み着いた悪霊退治が始まる!!すると、家中に取り付けたカメラが、遂に世にも恐ろしき現象をとらえる!!
Amazonプライムビデオ、Hulu、U-NEXTほか各種動画配信サイトにて配信中
(「月刊ムー」2023年9月号より)
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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