イギリス人の3人に1人が「UFOを見たことがある」と発言/宇佐和通・パラノーマルヘッドライン
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世界の「未科学現象」を本物の科学者が徹底調査する超常現象バラエティ『THE 未科学ワールド 』が放送される。その内容とは?
3時間枠の番組でUFO、未確認生物、心霊現象という三つの領域を一気にカバーするのは、作る側にとっても見る側にとってもかなりの熱量が必要に違いない。
「未だ科学されていない分野=未科学」をテーマに展開するTBSの特番『THE未科学ワールド』の方向性は新しく、かつ確実だ。超常現象と呼ばれるものを否定・肯定という単純な線引きで分けるのではなく、現在の科学でどこまで解明できるのかというプロセスにこだわった作りになっている。
幸い、放送前に視聴できたので、気になったポイントを紹介していこう。
UFOのパートではエイリアン・インプラントにフォーカスする部分があった。この分野の専門家であるロジャー・リアー博士というリサーチャーにインタビューをした経験がある筆者としてはぐっと引き込まれ、見入ってしまった。UFO/UAPの映像だけに頼ることなく、周辺情報的な現象についての検証をていねいに行っていくアプローチは、冷静かつ多角的な印象を受ける。
こうした姿勢は、未確認動物のパートにも色濃く出ている。アイダホ州立大学のビッグフット研究の第一人者であるジェフ・メルドラム博士による解説も番組の内容に厚みを出していると感じた。主流派科学の枠組みの中にありながらビッグフット研究を公言しているメルドラム博士は異端視されることも多いのだが、バックグラウンドが正統なだけに言葉に重みがある。
ビッグフット研究における最新のキーワードである環境DNAが紹介されていることも注目に値すると思う。環境DNAは昨年ネス湖で行われた大々的な検証の核となる要素にもなっており、これからのUMA研究における基準になっていくのではないだろうか。出演者のみなさんが石膏型を手にしながら行われるビッグフットの足跡や解剖学的特徴に対する検証も見応え十分だ。
心霊現象に対する“未科学的”アプローチがどのようなものになるのか、興味を抱く人は少なくないと思う。現象の本質が言葉の響きに薄められてしまうのではないか。そんな思いにとらわれる人もいるだろう。しかしこの番組は、古き良きプレゼン法を踏まえながらも独自色に裏打ちされた方法論が提示され、それにのっとった検証が展開されていく。
科学的概念に軸足を置いているため、全体的にストロングスタイルの検証番組という印象を受けた。そうした素地を彩るのが、各分野のさまざまな専門家からの意見だ。すべての要素が盛り込まれている構成が十分伝わってくると同時に、詰め込み過ぎた感じは一切ない。ユニークかつテーマに直結する内容の実験がちりばめられていることにも触れておくべきだと思う。こうした要素があるかないかで、見る側の印象はかなり違ってくる。
UFO、未確認生物、心霊現象へのスコープを絞ったり広げたりしながら立体的な検証を行っていく手法はまさに未科学と形容するにふさわしいし、楽しみながら番組の世界観に浸ることができるはずだ。
THE 未科学ワールド
[放送日時] 8月15日(月)19:00-22:00
[出演者]
MC 満島真之介
ゲスト 田中直樹(ココリコ)、トリンドル玲奈
専門家ゲスト 岸根順一郎(放送大学教授)、高木徹也(東北医科薬科大学教授)、中野信子(脳科学者)、山崎直子(宇宙飛行士)
[公式サイト]
https://www.tbs.co.jp/program/unscientificworld_20220815/
宇佐和通
翻訳家、作家、都市伝説研究家。海外情報に通じ、並木伸一郎氏のバディとしてロズウェルをはじめ現地取材にも参加している。
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