「ナスカの地上絵」以外の謎を追う! 長頭人、3本指ミイラ、恐竜の絵、熱気球… 古代アンデス文明のミステリー/羽仁礼
新たに168もの「ナスカの地上絵」が発見されたことで話題の古代アンデス文明。実は、“ありえない出土品”だらけの謎に満ちた文明でもある。もう一度おさらいしておこう。
記事を読む
マリリン・モンロー……彼女の突然の死は、暗殺疑惑、そしてケネディ大統領とUFO問題など、不可解な噂が幾重にも層をなし、謎の真相を複雑化させている。いったい、マリリンの死の背後には、何が秘められているのだろうか?
目次
20世紀ポップカルチャーのアイコンとして愛されつづけるマリリン・モンロー。彼女が謎めいた最期を迎えて2022年で60年が経つが、死の真相はいまだ解き明かされていない。
公式記録では、彼女が亡くなったのは1962年8月5日。自宅ベッドに全裸で倒れているところをメイドに発見された。睡眠薬の主成分バルビツールの過剰摂取による急性中毒死──それが司法解剖による結論であった。
だが、胃の残留物から錠剤類は検出されず、経口摂取のためのコップ類も現場から発見されなかった。さらに、死の前日から電話の通話記録が抹消されていたこと、日記代わりの赤い手帳の消失という事実が疑念と憶測を生み、多くの研究者やリサーチャーたちが真相究明に挑んできた。
昨年、UFO・陰謀論研究家であるニック・レッドファーンがCIAより開示された情報を元に、マリリンが「いかにして殺されたか」に至るまでを検証した書籍『Diary of Secrets:U F O C o n s p i r a c i e s a n d t h eMysterious Death of Marilyn Monroe(秘密の日記:UFO陰謀論とマリリン・モンローの謎の死)』を上梓して話題を呼んでいる。
これまでマリリンのミステリーにおいては、「なぜ殺されたのか?」あるいは「だれが殺したのか?」という点に議論が集中し、同書のように死した要因に言及するケースは少ない。欠けていたピースを埋める可能性もある彼の主張はいかなるものだろうか?
熱心なリサーチャーとして知られるレッドファーンは、機密解除されたCIAやFBIの文書に隈なく目を通している。中にはほとんどが黒く塗りつぶされたものもあれば、焼け焦げたものもあった。そうした文書の中からレッドファーンが見つけだしたのが、彼が「暗殺の研究」と呼ぶ機密文書である。
CIAの内部資料として作成されたそれは、高層建造物から(隠蔽のため)物を投げ捨てる必要に迫られた際の対処策や直接手を下すことなくターゲットを死に至らしめる方法が具体的に書かれた暗殺の手引書ともいうべきものだ。
なかでも彼の興味を引いたのは、ターゲットを精神的に弱らせて自死に至らすという卑劣な手段だ。抹殺すべき対象を脆弱な状況に追い込み、薬物やアルコールへの依存状態にする。この状況を関係者に周知したうえで、悲劇的な自殺へと誘う。もしくはそう見えるよう装うというものだ。
レッドファーンはこの卑劣な作戦がマリリンの晩年とほぼ重なっていることに着目した。トップスターであるマリリンは安易に手を出せない存在であったが、プライベートに問題をいくつも抱えていた。それを利用して、破滅の道へCIAが誘導したにちがいない。レッドファーンはそう確信したという。
いうまでもなく、マリリンの謀殺説はレッドファーンが初めてではない。1980年代から彼女の死に対する疑念は深まり、ジャーナリストのミロ・スぺリグリオがマリリンの電話を盗聴したCIAの報告書の存在を明らかにしたことで決定的となる。
そこには、1950年代からマリリンと親密な関係にあった大統領ジョン・F・ケネディと弟ロバートが彼女に漏らした政府の機密事項──キューバ侵攻とカストロ暗殺計画。マフィアとの共闘。UFO保管基地の視察──を書き留めた秘密の手帳が存在すること。ジャーナリストで友人であるドロシー・キルガレンに手帳の存在を明かし、内容を記者会見で公表すると打ち明けていたことが報告されていた。
文書には「TOP SECRET」のスタンプが押され、アメリカ空軍のUFO現象調査官を務めていたジョージ・シュルゲン准将の署名(コンピュータ解析で判明)がある。この事実も、マリリンの死とUFO現象が深く関わっていることの大きな証左となろう。
知りすぎたゆえにマリリンは国家安全保障の脅威になったと、レッドファーンは主張する。
「彼女は政府の機密情報を知り得る立場にありました。しかも、その中にはとある基地に墜落UFOと乗組員の死体が保管されているという情報まで含まれていた。そのことが、死に至らざるを得ない原因となりました」
CIAが懸念したのは秘密基地に保管される地球外由来の物体、おそらくは1947年にロズウェルで獲得され、エリア51で保管される物証をケネディが検分した事実が手帳に書かれている可能性だ。公になれば内外の非難は免れず、想像を絶するパニックが起こる。地球外テクノロジーの独占という目論見も打ち砕かれてしまう。さらには、ケネディ兄弟のキャリアを危険にさらし、大統領は国家反逆罪に問われる可能性すらある。マリリンはあらゆる意味で危険な存在だったのだ。
このように彼女の死と手帳について掘り下げていくと、国家機密に対する重大な脅威であるがゆえに自殺を演出された可能性が浮上するとレッドファーンは主張する。しかも、彼女だけではない。友人も同じ手口で殺されたと彼は付け加える。
マリリンから秘密を明かされたキルガレンは友人の死の真相を追うとともに、ロズウェル事件や暗殺されたケネディ大統領の暗殺事件についても独自に調査していた。
やがて彼女は周囲に「事件の真相に辿り着けそうだ」と漏らし、調査報告をテレビ番組で公表する準備を進めていた。
だが、その1週間前の1965年11月8日、自宅で死亡が確認された。司法解剖の結果はバルビツールとアルコールの同時服用。マリリンとほぼ同じ死因で人生を終えたのだ。偶然の一致と思えないのはレッドファーンだけではあるまい。
だが、事実の隠蔽だけが目的ならば、マリリンとキルガレンをターゲットにし、ケネディ兄弟を更迭すれば済む話だ。
しかし実際は、大統領や弟までも暗殺された。いったいなぜ?
その謎を解く手掛かりはウィリアム・レスター博士が2011年に存在を明らかにした大統領の機密文書に見ることができる。それは情報公開法の元に博士がCIAに要求し、開示されたケネディ大統領の書簡だ。うち1通はCIA長官に向けて書かれたもので、UFOに関する重要な情報にアクセスできるよう強く要請するもの。そしてもう1通はNASA高官に向けたもの。
その内容は、UFOとミサイルの誤認を避けるためソ連と共同でデータ分析を行うという通達と、そのために必要な情報の開示要求。さらに、今後の宇宙開発はソ連と歩調を合わせる。極論すれば、UFO現象を含む宇宙における活動からNASAを排除するというものであった。この書簡が浮き彫りにするのは、大統領がUFOの機密事項から遠ざけられていたという事実とケネディがそれに反発していたという事実だ。いい換えれば、政府高官たちは大統領よりもUFOとその操縦者の存在を秘匿することを重要視した。実際、これらの文書が閲覧される際、「ランサー(JFKのシークレットコード)は組織の継続に重大な影響を及ぼしかねない。われわれはそれを看過できない」というCIA高官のメモが添付されたという。
その真偽はさておき、2通の大統領書簡が提示された10日後、遊説先のダラスでケネディは凶弾に倒れた。
この日のために地球外生命体との共存を訴える演説原稿を用意していたことは有名だが、書簡と演説内容が引き金となったのは間違いない。だが筆者には、もっと深い闇があるような気がしてならない。
筆者が気にかかるのは「国家安全保障」という言葉である。ケネディ大統領とCIAがともに国家安全保障の見地からUFOと地球外生命体の問題に向き合っていたのは間違いない。ただし、そのベクトルはあまりに乖離していた。CIAはUFOの存在がパニックの原因となることを懸念した側面もあるが、それ以上に地球外テクノロジーの流出を恐れていた。冷戦時代における軍事的優位性が最優先事項であったはずだ。
一方のケネディは、UFOが米ソ間を飛び交うミサイルと誤認され、冷戦が加速することを懸念していた。NASA宛の書簡には、それゆえUFO問題に目を向けたと明記されている。
つまり大統領はUFOを脅威ととらえておらず、それを隠蔽することにリスクを感じていた。だからこそ、ソ連との共闘も演説で存在を明らかにすることにも躊躇しなかったのだ。
もうひとつ興味深いことがある。
あまり語られていないが、1950年代後半、マリリンはソ連入国のためにビザ獲得をしている。そして、このタイミングがケネディの大統領就任の時期と重なっているのだ。仮にこのとき、大統領とマリリンが秘密の関係性を築いていたとしたらどうだろう?
この仮説をこれまでの検証とつなぎ合わせると、UFOの秘匿という国家安全保障の名のもとに彼らは殺されたというシナリオが完成する。
ケネディが自身にとっての国家安全保障に則ってソ連との接触を計っていたとしたら、マリリンはその親善大使となるべくビザを獲得した可能性もある。もしそうだとしたら、彼女はその事実も日記に書き残したはずだ。当然ながら、CIAは事態を把握し、ソ連にすり寄る大統領を裏切り者と認定した。だからこそ、マリリンを殺して手帳を奪い、大統領を暗殺し、知りすぎたキルガレンとロバートも消したのだ。
もちろん、これは筆者の仮説に過ぎないが、マリリンの手帳にはそのくらい破壊力のある秘密が書かれていたように思えてならない。レッドファーンは彼女の手帳を“聖杯”になぞらえ、今後も全容の究明に全力を注ぐとインタビューで語っている。
いつの日か叶うことがあれば、マリリンとJFK、ロズウェル事件、エリア51といった世界的に知られるアメリカのミステリーの謎が一瞬にして氷解するだろう。
レッドファーンの今後の活動に注目したい。
並木伸一郎
「ムー」創刊当初から寄稿するベテランライター。UFO研究団体ICER日本代表、日本宇宙現象研究会(JSPS)会長などを兼任。ロズウェルやエリア51をはじめ現地調査を重ねて考察し、独自の仮説を「ムー」や自身のYouTubeなどで発表している。
関連記事
「ナスカの地上絵」以外の謎を追う! 長頭人、3本指ミイラ、恐竜の絵、熱気球… 古代アンデス文明のミステリー/羽仁礼
新たに168もの「ナスカの地上絵」が発見されたことで話題の古代アンデス文明。実は、“ありえない出土品”だらけの謎に満ちた文明でもある。もう一度おさらいしておこう。
記事を読む
地球平面説を信奉するフラットアーサーズたちの熱い視線/宇佐和通
地球は球体で太陽のまわりを公転している……。わけではない!? アメリカ樹陰議員選挙の候補者すら主張する「地球平面説」は、ガチなのかネタなのか。2021年におけるその本音を解説する。
記事を読む
歴史が語る最凶の「呪物」3選! 入手数日後に死ぬ宝石、座ると必ず死ぬ椅子…の真相は?/羽仁礼
世界を見渡せば所有者に凄まじい不幸をもたらす最恐の「呪物」を紹介。その脅威は……意外にも?
記事を読む
ドゥアトゥンバ文明 ロシア超古代文明の痕跡/世界の新七不思議
超巨大建造物から超常事件の現場まで、各地のさまざまなミステリーを、超常現象研究の第一人者・並木伸一郎がセレクトした〝世界の新七不思議〟をご案内! 今回は〝7つの超古代文明〟に選定したなかから、近年にな
記事を読む
おすすめ記事