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クンダリニー覚醒へといたる技法を3回にわたって伝授する第2回。今回は、基本中の基本となる動作をいくつかご紹介する。
クンダリニー覚醒を目指すトレーニングのなかで、基本中の基本となるのが「腰の回転」です。これが身につくと健康増進効果が得られるほか、さまざまな芸能やスポーツでのレベルアップが期待できます。 意識を働かせるポイントは、頭頂部を動かさないようにすることです。たとえば腰を右へ持っていこうとすると、頭頂部も一緒に右へ動きがちです。それを動かさないで、腰だけを右に持っていくのです。 すると、今度は「頭だけ」を動かさないで腰を右へ持っていきたくなりますが、頭を動かさないのではなく「頭頂部を動かさない」のです。つまり、頭頂部だけは同じ位置にあり、頭全体は少し右に傾きます。これが「腰の回転」の難しさです。 最初はできなくて当然です。できないことに挑戦するから価値があるのです。 まずは、頭頂部と尾てい骨までに1本の棒が入っていると思ってください。 その棒が曲がったり捻れたりしないという意識をしっかりと持ちます。その意識で腰を右に持っていくと、頭は少し右に傾きます。そのときに頭頂部を動かさないようにします。 つづけて腰を前・左・後ろと回転させますが、最初のうちは、頭頂部から尾てい骨までの棒が曲がったり捻れたりします。さらに、頭頂部が右に行ったり前に行ったりと、動いてしまいます。それは、自分ではなかなか気づくことができません。だれかに見てもらうか、鏡の前で確認するとよいでしょう。 意識を働かせながら練習を重ねていくうちに、頭頂部が動かず、頭頂部から尾てい骨までが曲がったり捻れたりしない状態で、腰を回転できるようになります。

ほとんどの人は意識しないで呼吸をしていますが、普段から呼吸に意識を向け、コントロールするテクニックを身につけておくと、いざという場面で役立つことがあります。その意味でも、意識的に息を止める練習をするとよいでしょう。 たとえば海で溺れそうになったときに、息を止めて水を飲まないようにすれば助かる可能性が高くなります。火事のときにも、息を止めたまま逃げれば煙を吸い込まずにすみます。 クンダリニー覚醒技法のひとつに「止息行法」があります。息を止めたまま保つのですが、その際、ほんの少し息を吸い込んだ状態で止めると、わりと楽にできます。 この行法を実践するときは、右手の親指と中指で鼻腔をふさぎ、苦しくなって指を離すまでの時間を計測します。1分を超えるのを最初の目標にしていますが、練習しだいで息を止める時間を延ばすことができます。また、時間が延びるにつれて胆力と精神力が強化されます。 ちなみに、右手で鼻腔をふさぐのは、ヒンドゥー教の習慣に由来します。ヒンドゥー教では右手が神聖な手で、左手が不浄な手とされているからです。 その習慣を気にしなければ左手でふさいでもかまいませんが、私の教室では右手でふさぐように指導しています。

生きていると、心が折れそうになったり、やる気がなくなったりします。そうした状況に正面から立ち向かうには、強靭な精神力と胆力が要求されます。そのために有効なのが「体内呼吸法」です。 まず、ほんの少し息を吸い込んだ状態で鼻腔をふさぎます。ふさぎ方は上に掲載した「止息行法」と同じです。 その状態で、少し強めに息を吐こうとしてから、吸おうとします。吐こうとするときには内側から「押圧」がかかるので、鎖骨の周辺が少しふくらみます。吸おうとするときには内側に向かって「引圧」がかかるので、鎖骨の周辺が引っ込みます。 これを8回(8呼吸分)つづけるのを最初の目標とします。8呼吸分といっても、鼻腔をふさいでいるので息は止まったままです。8回が楽にできるようになったら、回数を少しずつ増やしていきます。 この行法によってエネルギーが体内をバランスよくめぐり、その結果、何かあってもめげずに物事を成し遂げられます。

次回は、クンダリニー覚醒へと大きく近づく「ムーラバンダ行法」をご紹介します。
成瀬雅春
ヨーガ行者、ヨーガ指導者。12歳の頃に「即身成仏」願望が生じ、今日までハタ・ヨーガを中心に独自の修行を続けている。現在は日本とインドを中心にヨーガ指導、講演等の活動を行う。著書多数。
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