「トリノの聖骸布」に現れた顔は“人間のものではない”!? 最新分析で迫る聖遺物誕生の謎

文=webムー編集部

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    聖遺物に浮かんだ顔は、キリストのものではなかったのか!? 「トリノの聖骸布」に関する衝撃の最新研究成果が発表された!

    「トリノの聖骸布」最新調査を実施

     聖遺物「トリノの聖骸布」。磔刑に処せられたイエス・キリストの遺体を包んだことで、血痕によってその姿が転写されたと伝えられる。14世紀に存在が発覚し、現在はイタリア・トリノの聖ヨハネ大聖堂に保管されている。

    トリノの聖骸布 画像は「Wikipedia」より引用

     長髪で髭をたくわえた成人男性――。聖骸布にうっすらと浮かんだ顔は、数々の宗教画に描かれてきたイエスのイメージそのものだ。

     聖骸布は世界中の信者から崇敬を集める一方、たびたびその真贋を議論されてきた。中でも有名な異議は、16世紀のフランス人神学者ジャン・カルヴァンによるものだろう。彼は著書『聖遺物論』で、イエスの弟子が聖骸布について一切言及していないことや、ユダヤ人の慣習に従って葬られたはずの遺体は、頭部と身体は別々の布に包まれていたはずだと述べて虚偽と断じている。

     聖骸布が言い伝え通りのものでなければ、布に浮かぶ顔は誰なのか。その謎を解明するべく、ブラジル出身の研究者であり3Dデザイナーでもあるシセロ・モラエス氏がある仮説の検証に着手した。1980年代にウォルター・マックローン氏が提唱した、聖骸布は浅彫のレリーフ彫刻を用いて制作されたという仮説である。

    画像は、Cicero Moraesより引用

     今回モラエス氏は複数のソフトウェアを駆使し、「男性、成人、約33歳、痩せ型、身長約180センチ」のパラメータで3次元モデルを作成。このモデルに布を巻き付けた場合と、レリーフの彫像に布を敷いた場合とで、布に現れる襞のパターンを比較した。

     もしも布の染みが立体によってできたものなら、布に転写された顔は平坦化されて歪んで見えるはずだという。布に押された人間の顔の痕跡を見るとき、目にするのは三次元物体の平坦化だ。例えば地球儀にインクを塗って布を巻き付けた後、その布を広げると、地球儀の丸みを帯びた形状とは大きく異なる画像が現れる。

    画像は、Cicero Moraesより引用

    単なる作品か、それとも奇跡か

     そして出力された結果は、聖骸布の顔は「浅彫りのレリーフを包んでできた可能性が高い」ことを示唆するものだった。このモラエス氏の調査結果の詳細は、学術誌『Archaeometry』に掲載されている。「トリノの聖骸布」に浮かび上がる像は、亡くなった人物の遺体によって残されたものではなく、ほぼ確実に中世に創作された芸術作品であると論文中では結論づけられた。

     とはいえ、聖骸布は人為的に作られたと断定するのは早計かもしれない。そもそもイエスが起こした数々の奇跡とは、常に人々の常識の範疇を超えた領域で起こる現象だった。だとすれば、布に浮かび上がった顔は遺体に付着した血を吸ったからではなく、なんらかの大きな力によって発現した――つまり、物理的な現象ではなく奇跡の結果だったという考え方もありそうだ。真実を知っているのは、聖骸布だけなのかもしれない。

    【参考】
    https://www.popularmechanics.com/science/a70314108/jesus-shroud-of-turin-study

    webムー編集部

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