北朝鮮高官たちの間で蔓延する“霊能者依存”の闇! 極限の恐怖と不安に覆われた社会の実態

文=webムー編集部

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    間もなく開催される第9回朝鮮労働党大会を前に、政府高官やその家族に異変…! 迷信禁止の北朝鮮で今、なにが起きているのか。

    未来を求め、霊能者に頼る当局者たち

     絶対的な忠誠と統制が優先される北朝鮮の内側で、静かな異変が起きているようだ。新年を迎えた今、霊能者たちに頼るエリート層が増えているという。本来、占いやシャーマニズムは“反社会主義的行為”として固く禁じられているにもかかわらず、なぜ霊的世界への依存が高まっているのだろうか。

     北朝鮮監視メディアによると、その理由には近日開催予定の「第9回朝鮮労働党大会」が関係しているという。この党大会の場で幹部の大量入れ替えや粛清が噂されており、恐怖に押し潰されそうになった当局者らが霊能者たちの元へと駆け込んでいるようだ。

     ある省の検察幹部は、外貨の賄賂と引き換えに麻薬犯罪者を釈放した疑いで、いつ処罰されてもおかしくない立場にあった。追い詰められた果てに霊能者に頼ると、そこで「シャーマニズムの儀式をおこない、上司に賄賂を渡せば助かるかもしれない」と告げられ、その言葉を信じて儀式に大金を注ぎ込み、さらには電動自転車まで差し出した。

     また、平城市の党幹部は不祥事に関与したかもしれないという理由で、上司から自己批判文を書くよう強制された。その直後、不安になった妻は夫と家族の将来にどんな運命が待っているのか知るため、霊能者のもとを訪れたという。そして、未来を知るための対価として米10キロを差し出した。

     そして今や、この現象は当局者とその家族だけにとどまらないようだ。新年以降、「今年はどうなるのか」を知ろうと一般市民までもが続々と霊能者の扉を叩いており、“迷信禁止”は有名無実化の様相を呈しているのだ。

    命令と現実、裏でつながる“賄賂の連鎖”

     もちろん当局も現状を黙認するはずがない。平安南道の内部事情に詳しい人物によると、秘密警察にあたる国家保衛員が霊能者と目される人物の家を密かに巡回し、訪問者の調査を始めたという。しかし、監視の目をかいくぐるため霊能者を自宅に呼び寄せてまで占ってもらう人もいるようだ。

    イメージ画像:「Adobe Stock」

     そして皮肉なことに、取り締まる側もまたこの不安の輪の中にいる。国家保衛員自身が霊能者に運命を占ってもらうケースもあるというのだ。さらに、彼らは占い師の家を巡回しながら、裏では金や米と引き換えに見逃しているため、実際に摘発され処罰される者はほとんどいない。上からは「迷信行為を厳しく取り締まれ」と命じられ、下では賄賂と不安に縛られる。監視者と違反者の境界はすでに崩れ、彼ら自身も体制に絡め取られた存在となっているようだ。

     誰もが疑い、怯え、未来を信じられず、明日が保証されない社会――。その恐怖と不安は、人々を静かな集団パニックに追い込み、理性と迷信が入り混じる現実を浮き彫りにしているのだ。

    【参考】
    https://www.dailynk.com/english/north-korean-officials-flock-fortune-tellers-fearing-ninth-party-congress-shake-up/

    webムー編集部

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