ついに「宇宙意識」が科学の俎上に!? あらゆる超常現象を説明できる“意識の基本場”理論の提唱

文=仲田しんじ

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    われわれの意識の本質についての探究が進んでいる。ある物理学者によると、意識とは個々人に独立してあるものではなく、宇宙の構成要素の一つであり、普遍的意識という全体に繋がっているという――!

    個々の意識は海面の波のようなもの

     自分は自分でしかありえず、自分に関することはすべて自分固有の事象であるという考えは本当に正しいのだろうか? たしかに、個々に意識と“自由意思”があり、それゆえ“自己責任”も伴う。それは社会生活の基本となっている。

     だがしかし、たとえばインターネットが普及する以前、職場や家庭にあるパソコンやワープロのほとんどはネットに繋がっておらず、独立して動くスタンドアローンなマシンであったが、ご存じのように現在では多くの機器がネットワークに繋がり“端末”と化している。ひょっとすると、われわれの意識も実は全体的かつ普遍的な総体と繋がった端末なのではないか――。

     スウェーデン、ウプサラ大学でナノテクノロジーを教えるマリア・ストローム教授によると、意識とは人間の脳から生まれるものではなく、「宇宙の基本的な場を構成するブロックの一つ」として存在するものだという。

     ストローム教授が今年11月に学術誌「AIP Advances」で発表した研究では、個々の意識が分離独立しているように見えるのは幻想であり、あらゆる経験は究極的には統一された無形の基質から生じていることが示唆されている。

    画像は「AIP Publishing」より

     英紙「Daily Mail」の取材に対し、ストローム教授は次のように説明する。

    「意識についてより深い疑問を問うことが、単なる哲学の片隅ではなく、科学的必然となりつつあります」(ストローム教授)

     ストローム教授は現在、この基本場(fundamental field)こそが意識そのもの正体である可能性を訴えている。もしこれが真実ならば、個々の意識が独立していると考えるのは単なる幻想ということになり、われわれの現実認識に抜本的な見直しが求められるだろう。

    「このモデルでは、個人の意識は海面の波のように、普遍的な意識の場における局所的励起または輪郭として理解されます。波は一時的な形ですが、静まってもそれを運ぶ水は消えません」(ストローム教授)

     さらにこの理論は、われわれが死んでも意識は終わりを迎えるのではなく、 単に基本場に戻るだけだと示唆している。

    「意識は個々の身体で始まったり終わったりするわけではありません。海が一つの波の出現で始まったり終わったりするわけではないのと同じです」(ストローム教授)

    画像は「AIP Publishing」より

    現実認識のパラダイムシフトが訪れるか

     この理論を用いると、テレパシー、臨死体験、死後の世界など超常現象と見なされがちな物事が科学によって説明できるようになる。

     たとえば臨死体験者の多くが、臨死体験中に宗教上の人物や亡くなった愛する人の幻影を見たり、未来の出来事を予感したと報告している点について、ストローム教授は次のように述べている。

    「厳密な科学的検証に値する。もしも個人の意識が脳だけで生成されるのではなく、私のモデルが示唆するように、より深い領域からの発現であるならば、そこにアクセスできる可能性もあります」(ストローム教授)

     さらにテレパシーなどの超能力については、個々の意識は同じ基本場の一部であるため、空間または時間によって分離されていても情報を伝達できるという説明が成り立つとのこと。量子物理学における「量子もつれ」のメカニズムに則しているとも言えそうだ。

    「議論の余地はあるものの、さまざまな文化や歴史を通じてテレパシーのような現象が現れる理由をこれで説明できるでしょう」(ストローム教授)

    kp yamu JayanathによるPixabayからの画像

     彼女の理論が正しいならば、(超能力と呼ばれる)特別な才能をもった人々や深い瞑想状態にある人は、この“意識の基本場”にアクセスする方法を会得した人々であり、それゆえに分離独立したスタンドアローンな個体では知り得ない情報を獲得できるということになりそうだ。

     近い将来、脳活動のスキャン技術がさらに発達することで、意識の基本場にアクセスしている状態を客観的に検証できる可能性もあるだろう。

    「聖書、コーラン、ヴェーダなどの聖典には、相互に関連した意識のことがしばしば記述されています。それらを書いた人々は、比喩的な言葉を用いて現実の本質を表現しました。一方、量子物理学者たちは科学的手法を用いて同様の考えに到達したのです」
    「今こそ、ハードコア科学(現代自然科学)が、この問題を真剣に研究し始めるべき時です」(ストローム教授)

     今回の“意識の基本場”についての理論は、物理学や数学的言語で厳密に記述されている。しかしその推論には、さまざまな宗教や哲学で語られる比喩的表現との類似点が見られるという。また、オカルトやスピリチュアル分野で長年にわたり議論されてきた“宇宙意識”の考え方にも極めて近しいものがあり、ようやく科学がオカルトに追いついたと言えるかもしれない。

     はたして人類の現実認識に“パラダイムシフト”が訪れる日は近いのか? ストローム氏の理論が今後どのような軌跡を辿ることになるのか、注目していこう。

    ※参考動画 YouTubeチャンネル「InnoTown Conference」より

    【参考】
    https://phys.org/news/2025-11-consciousness-foundation-theory-nature-reality.html

    仲田しんじ

    場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
    ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji

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