太陽フレア爆発 人類滅亡大予言/MUTube&特集紹介  2024年5月号

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    地球に何が起ころうとしているのか? そしてそれを回避する手段はあるのか? 答えは、壮大なる地球史のなかに隠されていた! 三上編集長がMUTubeで解説。

    暴走する巨大エネルギー装置・太陽

     昨年、つまり、2024年7月14日から16日にかけて、日本列島でATMの誤作動や決済サービスの停止、キーレスエントリー車における不具合、インターネットインフラの通信不良などが発生した。
     実はこれは、太陽フレア発生によって地球を襲った太陽風による、電子機器の不具合だった。
     ただし、この太陽風は地球を直撃したわけではなく、わかりやすい表現を使えば「かすった」程度にすぎない。にもかかわらず、不具合は軽微なものを含めると2週間にわたって続き、インターネットの接続がしにくい状況は今でも続いている。
     これは、2023年後半から徐々に太陽活動が活発化していることに由来する。ここ数年の異常気象も、この太陽活動の急変が原因であると指摘する気象学者も一定数いる。
     実際、太陽は地球唯一のエネルギー源であり、太陽からくるエネルギーが大気、地面などにあたり、熱エネルギーを含めたさまざまなエネルギーに変換されることで、地球は現在の安定した環境を維持できているのだ。
     だが、エネルギー源としての太陽には、重大な欠陥がある。供給されるエネルギーがわれわれ人類の科学力ではコントロールできないほど大きく、常に適切な量だけエネルギーを手に入れるというわけにはいかないのだ。
     太陽というエネルギー装置は、周期的に地球に対して過剰すぎるエネルギーを供給する場合がある。このときに太陽表面で起こる現象が太陽フレアで、太陽フレアが多く、活動が活発になっている状況を「極大期」と科学では定義している。
     問題は現在、太陽が極大期、つまりもっとも活動が活発化する数年間に入ったといわれていることだ。太陽活動の周期論によるとこれは、百数十年ぶりの出来事となる。
     太陽フレアは、太陽の表面で発生する巨大な爆発現象だ。NASAやJAXAなどの宇宙機関は「磁気エネルギーの解放」と説明しているが、この爆発現象によってX線やガンマ線、プラズマの嵐が放出される。これが太陽風である。
     太陽風が地球を直撃した場合、壊滅的な崩壊がもたらされる。そのため各国は警戒を強めているのだ。
     ちなみに太陽フレアは「A」「B」「C」「M」「X」の5つのクラスに分類されている。Xクラスともなれば、ほぼ極大といっていいだろう。

    大災害になったキャリントン・イベント

     実際、1859年に発生した「キャリントン・イベント」は、巨大な太陽風によって世界中の電信システムが破壊され、オーロラが赤道付近に発生した。まさに異常事態だ。
     1832年にシリングが電子通信機を発明して以来、この時代にはすでに世界中のかなり広範囲に電子通信網が引かれていた。イギリス、フランス間の海底ケーブルを使用した通信網がもっとも大規模な例だが、これに伴い発電施設や送電設備の発展が目覚ましい時期でもあった。
     それを大幅に阻害したのが、キャリントン・イベントだったのである。
     当時の科学レベルでは太陽フレアの存在もわかっていなかった。そんななか、ある日突然、発電所が発火し、通信機が使えなくなったのだ。しかもいくら修理しても故障が相次いでしまう。奇妙な現象に思えたことだろう。
     科学の世界における規範である再現性、つまりくりかえし実験しても結果が変わらないという大前提を覆す現象となった。そのため、本来なら1800年代中盤に開発されるべきだった電話は、グラハム・ベルの1875年の発明まで待つことになり、普及はさらに遅れた。少なくとも人類は、10年から20年の停滞期を余儀なくされたのだ。
     多くの歴史家が、人類の歴史は常に進歩と発展を続けていると誤解しているが、実際にはこういった進歩と後退を繰り返すのが実態である。
     だが2025年現在、われわれが直面している危機は、キャリントン・イベントのレベルではない。当時よりも太陽の活動ははるかに活発であり、しかもこの文明は、当時よりはるかに脆弱なのである。
     読者の身の周りにおいて、電気を使用していない機械がいくつあるだろうか? あるいはインターネットにつながっていない情報金融インフラが、いくつあるだろうか? 答えは「ゼロ」なのだ。そんなものは、もはやこの世にひとつもありはしない。
     キャリントン・イベントで世界が大きな混乱に見舞われなかったのは、まだ電気の使用や情報通信が未発達だったからにすぎない。ではこれから、キャリントン・イベントを凌駕するような状況が発生した場合、世界でいったい何が起こるのだろうか。

    (文=嵩夜ゆう)

    続きは本誌(電子版)で。

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    webムー編集部

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