むき出しの脳の異星人が第3次世界大戦を警告した「ダップルグレイレーン事件」/ハイ・ストレンジネスUFO事件FILE 2

文=羽仁 礼 イラストレーション=久保田晃司

    世界中から無数に報告されるUFO事件。単なる目撃情報から、異星人との直接的なコンタクトまで、その内容は実にさまざまだ。中でも、特に奇妙で不可解な遭遇事件を「ハイ・ストレンジネス事例」と呼ぶ。奇想天外な7つの接近遭遇事例を紹介する!

    グレイタイプ以外の奇妙な異星人との遭遇

     UFO搭乗員とのコンタクト、つまり第3種接近遭遇においては、いくつかの事件で似た形状の異星人が登場することもある。たとえば、ジョージ・アダムスキーをはじめとする1950年代初期のコンタクティが会ったと主張するのは、地球人によく似た姿の異星人だった。
     1961年に起きたヒル夫妻事件以降は、「グレイ」と呼ばれるタイプの目撃が増大した。

     しかしアントニオ・ラ・ルビアの事件に限らず、ハイ・ストレンジネス事例では、非常に奇妙な特徴のある姿の異星人がしばしば登場する。
     たとえば1974年4月6日、北海道北見市仁頃の藤原由浩が遭遇した異星人は、身長1メートルくらいのタコのような姿をしていた。

     1965年10月23日、アメリカのミネソタ州ロング・プレイリー近くに着陸したUFOから姿を見せたのは、まるでビール缶のような円筒形の存在だった。1967年2月14日にミズーリ州ミラー郡の農場で目撃されたものは、落花生のような形をしていた。

     アメリカのデヴィッド・ハギンズが何十年にもわたって性交渉を持ちつづけたと主張する異星人「クレッセント」は、顔はグレイそのものだが頭髪があり、身体はグラマラスな地球人女性という姿だ。しかもそのような特徴的な存在が、他の事件で報告されることはほとんどないのだ。
     そうした異形の群の中でも、カリフォルニア州ダップルグレイレーンの闇の中に出現したものは、特に奇妙な形をしていた。

    1971年8月17日、カリフォルニア州ダップルグレイレーンに出現した、巨大な人間の脳のような形をした謎の生物。

    第3次世界大戦の勃発を教えた“脳”型の異星人

     1971年8月17日午前2時ごろ、ダップルグレイレーンに住む友人宅でのパーティーに参加していたジョン・ホッジスとピーター・ロドリゲスは、パロス・ヴェルデスの自宅に帰ろうとしてホッジスの車に乗り込んだ。
     ホッジスが車を発進させようとヘッドライトを点けると、車の前方わずか1.8メートルほど先の道路の真ん中に、ふたつの何かがあるのに気づいた。なんとそれは、巨大な人間の脳のような形をしていたのだ。
     この脳は青みがかった色をしており、ひとつはソフトボールくらいの大きさだったが、もうひとつは高さが45センチほどあり、直径も人間の胴体くらいあった。いずれも正面に赤い血腫のような点があった。しかも闇の中でその脳の周辺だけが、不思議な靄のようなものに取り巻かれていた。
     驚いたふたりは、すぐにその場を車で走り去った。ホッジスは、まずロドリゲスを彼の家に降ろして帰宅した。ところが、普通なら10分程度で着く道のりなのに、帰宅したときは午前4時10分になっていた。2時間以上の時間が失われていたのだ。

     ホッジスが1976年に退行催眠を受けたことで、この失われた時間に起きたことが明らかになった。
     催眠下でホッジスが語ったところでは、ロドリゲスを彼の家に降ろしてから自宅に帰ったとき、家の外でふたつの大きな脳が待っていた。このとき彼はいったん意識を失ったらしく、目を覚ましたときにはコンピューターの操作台のようなものが並んだ部屋にいた。
     そこには脳のような生物のほかに、近くに別の生物のグループがいた。彼らは全体的に人間に似たヒューマノイドで、身長が2.1メートルほどあり、灰色の肌をしていた。頭ははげて唇が薄く、指は6本あり、第一関節まで水かきがついていた。
     彼らはホッジスに対し、脳のようなものは単に生体翻訳装置のようなものであり、テレパシーのように人間との会話を可能にするのだと告げた。
     そこでホッジスは、大型のテレビのようなスクリーンで、地球上のさまざまな場所を見せられた。そうした映像の中には、何度も続く核爆発の立体映像があり、場所の上に光の点が表示された映像もあった。
     脳のような装置が伝えるには、この光の点で示された場所はエネルギーが多すぎる地点であり、人類はエネルギーの乱用を止めないとその結果苦しむことになるということだった。さらに、エネルギーの乱用で滅んだ他の惑星の映像も見せられた。それからブーンというような音が聞こえ、気がつくと自分の車の中にいた。

     記憶を取り戻したホッジスは、映像を見せられた部屋では自分の背後が真っ暗だったので、立体映像を見せられていたのではないかと述べている。 
     さらに、1978年にはまた同じ異星人と出会い、同じ部屋に連れていかれたようだ。

     ホッジスはアブダクションの間、異星人と通信するための「翻訳細胞」なるものを埋め込まれたとも主張している。実際ホッジスはその後、異星人からのメッセージを受けたと述べ、1982年から1984年の間に中東で戦争が起こり、これがすぐにヨーロッパに広がって第3次世界大戦になると予言した。
     彼の予言は、第3次世界大戦では核兵器が使用されるが、戦後には世界政府が樹立されるという内容が続いた。
     1982年、中東ではイスラエルがレバノンに侵攻し、レバノンの隣国シリアとも交戦したが、戦争がヨーロッパにまで広がることはなかった。
     異星人から地球を襲う大災害や戦争についての予言を伝えられた事例はほかにもあるが、今のところそうした予言が的中したケースはないようだ。

    ジョン・ホッジスが車を発進させようとヘッドライトを点けると、道路の真ん中にいた脳型の異星人の姿が浮かびあがった。

    ●参考資料=「宇宙人大図鑑』(中村省三著/グリーンアロー出版社)、「UFOと宇宙」第18号/64号/66号/67号(ユニバース出版社)、『FLYING SANCER REVIEW』1994年8月号(FSR Publications)

    (月刊ムー 2025年1月号掲載)

    羽仁 礼

    ノンフィクション作家。中東、魔術、占星術などを中心に幅広く執筆。
    ASIOS(超常現象の懐疑的調査のための会)創設会員、一般社団法人 超常現象情報研究センター主任研究員。

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