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昨年、世界中から大きな注目を集めた“腐敗しない遺体”──。「ミズーリの奇跡」とも呼ばれる現象を起こした高名な修道女は、やはり聖人だったのか!?
死後数年を経てもまったく腐敗しないため「ミズーリの奇跡」と呼ばれるようになった、高名な修道女ウィルヘルミナ・ランカスター女史の遺体。その詳細は昨年お伝えしたが、このたび新たな展開があった。遺体を専門家が詳細にわたり調査したものの、なんと遺体が腐敗しない原因について「説明できない」という結論に至ったのだ。
ランカスター女史が「ミズーリの奇跡」と称されるようになった経緯を、時系列順に追っていこう。米ミズーリ州ガワーにあるベネディクト会メアリー修道院の設立者でもあるランカスター女史は、2019年5月に95歳で死去。遺体は墓地に埋葬され、ちょうど4年が経過した2023年5月、しきたりに従って礼拝堂の祭壇下に安置するため棺が掘り起こされた。
埋葬時に防腐処理がされなかったため、常識的に考えればランカスター女史の遺体は朽ちて骨となっているはず。誰もがそう考えていたのだが、棺を開けたところ関係者一同の目に飛び込んできたのは信じられない光景だった。なんと、遺体は顔の細部から手足の先に至るまで埋葬時と同じ状態を保っており、天然繊維の修道服や副葬品まで原型を保っていたのだ。その後、ランカスター女史の遺体は蝋で保護されることになり、併せて医療専門家チームによる調査も実施された。
そして、ミズーリの奇跡から1年以上が経った8月22日、修道院を監督するカンザスシティ・セントジョセフのカトリック教区は専門家による最終調査報告を発表。遺体と棺の検査に加えて、土壌分析などもおこなった結果、内装が朽ちていた棺に対して遺体の状態は「極めて異常」とし、遺体が完璧に保存されていた理由を解明できなかったというのだ。
ジェームズ・ジョンストン司教によれば、調査は2019年の埋葬時と2023年の発掘時に立ち会った人々に聞き込みもおこなうほどの徹底ぶり。医療専門家チームによる報告を踏まえて、教区もランカスター女史の遺体がなぜ腐敗しないのか説明できないと認めている。
実はカトリック教会では、「聖人」を認定する際に対象者が“奇跡を起こしたかどうか”を条件に挙げている。そのひとつが「腐敗しない遺体」であり、ミズーリの奇跡が科学の力をもってしても解明できないのであれば、ランカスター女史が聖人として認められてもおかしくない。
一方で教区は慎重な姿勢を見せており、「カトリック教会には死者の遺体が腐敗していないかどうかを判断する公式の手順がない」とコメント。現在のところ、ランカスター女史を聖人に認定する予定はないとしている。
カトリック教会といえば、総本山であるバチカンが「超常現象識別の新基準」を発表したばかり。ランカスター女史が列聖されることになるのか、今後も経緯を見守っていきたい。
【参考】
https://kcsjcatholic.org/2024/08/update-regarding-remains-of-sister-wilhelmina-lancaster-osb/
webムー編集部
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