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イタリア南部ナポリ近郊に位置する古代都市遺跡「ポンペイ」。ローマ帝国最盛期の西暦79年、ヴェスビオ火山の爆発的噴火で発生した火砕流に覆われ、多くの市民が一瞬のうちに命を落とすとともに、当時の街がそのままの形で保存された。
ポンペイ遺跡でとりわけショッキングなのは、約2000年前にこの街で暮らしていた人々の“壮絶な最後”を生々しく伝える石膏像だろう。やはり、この世への未練を断ち切れない犠牲者の思念も少なからず残されているのではないか? そんな懸念を裏付けるような「ポンペイの呪い」現象が、現地では実際に報告されているという。
現地紙『Corriere Del Mezzogiorno』の記事によると、恐ろしい「ポンペイの呪い」の最新事例が今月9日、ポンペイ考古学公園のガブリエル・ツフトリーゲル所長によって明かされた。
同氏がX(旧ツイッター)で、とある女性から最近届いたという英語の手紙を公開。そこに記されていたのは、過去にポンペイを訪れた際に遺跡の小石を密かに持ち帰ったところ、1年後に乳がんを罹患したという告白と、「石を持ち帰ってはいけないことも、呪いのことも、まったく知らなかったのです。どうか許してください」という謝罪の言葉だった。女性はまだ若く健康体だったが、医者は「ただ運が悪かった」と告げたらしい。そして、実際に女性が持ち去ったものと思われる火山岩も同封されていた。
このように「ポンペイの呪い」では、遺物を持ち帰った観光客を不幸が襲うというケースがほとんどだ。2015年には、とある英国人女性が(不幸の詳細は不明だが)約40年前に親が持ち帰ってきたというモザイクタイルを謝罪の言葉とともに返還している。
2020年には、とあるカナダ人女性が「(ポンペイの遺物は)負のエネルギーで満ちている」「15年前にモザイクタイルと壺の欠片を持ち帰って以来、病気や貧困などの不幸が絶えなかった」と、懺悔とともに返還。
さらに数年前には、新婚旅行でポンペイを訪れた夫婦を襲った悲劇が話題になった。なんと、帰国の道すがら夫が心臓麻痺でこの世を去ってしまうのだが、そのスーツケースにはポンペイから密かに持ち帰ってきた彫像が入っていたというのだ。
実はポンペイでは、観光客に遺物を持ち去られる(盗まれる)被害が長年にわたり後を絶たず、関係者を悩ませてきた経緯がある。近年の呪い騒動によって、悪事を思いとどまる観光客も多そうだが、とはいえ人が大病を患ったり命を落とす呪いとは相当強力なものだ。遺跡を観光する際のちょっとしたマナーやルールさえ、念入りすぎるくらい気をつけたほうが賢明だろう。
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webムー編集部
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