冷凍保存したマウスの脳を蘇らせる実験に初成功! コールドスリープ実現の鍵は「ガラス化凍結法」
人体を冷凍保存するコールドスリープはいつ可能になるのか――。新たな研究では、凍結したマウスの脳を解凍して再び機能させることに成功している。
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通常、人は自分の行動は自分で決定していると思っている。 しかし、本当にそうなのか? もしかしたら、自分の行動は自分の意思によって決定していると脳が錯覚しているだけかもしれないという。 脳が錯覚しているとは、いったいどういうことなのか?
入水自殺するカマキリ──。
その奇妙な光景は、夏の終わりから秋にかけて、川辺や池の周囲の草むらで見かけることができる。
フラフラと水辺に寄ってきたカマキリは、まるで何者かに操られるようにギクシャクと動き回り、やがて水の中に身を投げる。カマキリは泳げないので、当然、溺れて死ぬ。あるいは、水中の魚に食べられて死ぬ。
が、そのはかない一生を終える前、カマキリの下腹部あたりから、グロテスクな生物が這いでてくる。それはクネクネと動く細長い紐状の生物だ。全長は数十センチにも及ぶ。
これがハリガネムシである。
ハリガネムシは寄生生物の一種だ。幼虫時代にカマキリの体内に忍び込む。本来は水棲生物であるため、成長して後に産卵のために水中へとカマキリを誘導する。
この寄生生物は、特殊な神経伝達物質をカマキリの脳内に注入することで、宿主の行動を思うがままに操ることができる。カマキリは自らの意思とは関係なく、寄生生物に脳を操られること
で、避けられぬ死へ向かって突き進んでしまうのだ。まさに身の毛のよだつような話である。
相手の脳を自在に操る寄生生物のこの巧妙な戦略は、一般に「宿主操作」と呼ばれている。ハリガネムシのみならず、ハチやクモなどのほかの昆虫の間でも広く行われていることが、最近の研究によってわかってきた。
しかし、これは何も寄生生物に限った話ではない。ギョッとするような話だが、実は私たち人間の脳も、あるいは別の何者かによって操られているかもしれない──。
そんな衝撃的な仮説が、いま脳生理学者たちによって提起されている。
その代表として大きな議論を呼んでいるのは、慶應義塾大学の前野隆司教授の唱える「受動意識仮説」である。
前野氏はこう述べる。
「自分の意識が行動を決定しているというのは、脳の錯覚にすぎない。人間の脳の意思決定を行っているのは、自意識以外の別の何かである」と。
ちょっと待ってほしい。
自分の意識以外の何かが脳の意思決定を行っているだって? それは何者なのだ? まさかハリガネムシのような寄生生物が体内に隠れていて、私たちの脳をひそかに操っているとでもいうのだろうか?
と、疑問が次々と浮かんでくるのは当然のことと思う。が、脳を操る〈別の何者か〉の正体については、また後ほど詳しく検証することにしよう。その前にまず、これらの仮説が誕生する契機となった、とある実験について述べさせていただきたい。
話は1980年代にまで遡る。 当時の脳神経科学の第一人者であるベンジャミン・リベット博士は、ある興味深い実験を行った。その実験とは、脳の意思決定における神経活動をモニターし、その部位を正確に特定するというものだった。
被験者の頭部には、特殊なセンサーが装着される。このセンサーは、脳のどの部位が活動しているかをリアルタイムに計測できるすぐれものである。そして被験者は「いつでもいいので、あなたの好きなときに手首を動かしてください」と告げられる。
では、被験者が実際に手首を動かしたときに、彼の脳の神経細胞内では何が起こっていたのか?
実験の結果、まず最初に判明したことは、被験者が頭の中で「手首を動かそう」と考えてから実際に手首が動くまで、およそ0・2秒のタイムラグが生じるという事実である。これは脳か
ら筋肉までの神経回路を信号が伝わる経過時間を意味しているので、ある意味当然のことである。
が、驚くべき事実は、その前の段階で起きている。
被験者が自分の意思で手首を動かそうと考える0・35秒前に、脳の中の無意識野の神経細胞内で、手首の筋肉を動かすための準備電位が立ち上がっているのだ。これはまったく常識では考
えられない奇妙な出来事である。
たとえば仮に、あなたがこの実験の被験者だとしてみよう。あなたは自分で「手首を動かそう」と考えたと思い込んでいるが、実はそうではない。あなたの脳の中では、あなたが考えるよりも前に手首を動かす神経野の準備が始まっている。
つまり、あなたの意思が働く前に「手首を動かしてもいいよ」と何者かが許可を出していたということになる。そしてあなたは、そのことにまったく気づいていない。
リベット博士のこの実験は、大変な物議を醸すこととなった。
なにしろ、実験結果があまりにも常識とかけ離れている。「にわかには信じがたい」という懐疑的な声や、「絶対にありえない!」という反論も少なくなかった。だが、複数の科学者が同じ条件で追試を行ったところ、やはり同じデータが導かれた。意識が命令を出す前に、無意識野でその準備が始まるというリベット博士が示した実験結果は間違っていなかったのだ。
となると、あとはこの結果をどう解釈するかの問題である。
もう一度問題を整理してみよう。
たとえば、あなたがラーメン店に入ったとする。
あなたは壁の品書きを見て、味噌ラーメンとギョーザを注文する。カウンターの向こうの店主は麺を茹ではじめ、手早くギョーザを焼き器に並べ、手慣れた動作でその他の具材を炒める。後
刻、あなたの前には熱々の味噌ラーメンとギョーザが運ばれてきた。
と、あなたは思っている。
が、実際はそうではないのだ。
実は、カウンターの隅には小柄な男が座っていて、あなたが注文する前にラーメンとギョーザを作るよう小声で指示を出していたのである。
あなたの食べるものを勝手に注文したこの男は、いったい何者なのだ。そしてなぜあなたは、この男の存在に気がつかなかったのか。
男の正体についての詮索は少し後回しにすることにして、まず、なぜ男の存在に気がつかなかったのかという点について考えてみよう。
気づかないというよりは、見えていなかったというほうが正確かもしれない。小柄な男の存在は、ある種の「騙し絵」の中に隠されていたのである。
(文=中野雄司)
webムー編集部
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