異星人接近遭遇「甲府事件」と現場に残されたUFOの残留物質の謎/並木伸一郎
1975年、夕闇迫る山梨県甲府市で、ふたりの少年がUFOを目撃した。後に「甲府事件」と称されることとなったこの出来事を驚愕発見とともに振り返る。
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200年以上も前から幾多の超常現象が報告されいる「スキンウォーカー牧場」でいったい何が起きているのか。現在チームを率いてスキンウォーカー牧場の調査に挑んでいる科学者のトラビス・テイラー氏は、スキンウォーカー牧場では“量子現象”が起きていると話す。この疑惑の地と量子物理学にどのような関係があるというのだろうか――。
超常現象を解明するうえで、「量子もつれ」や「重ね合わせ」など、一般的な物理学を超越した現象が確認されている量子物理学を適用するというアイデアはこれまでにもいくつも登場してきたが、いずれもまだほんの初歩的な段階で立ち止まっているといえそうだ。
超常現象の“ホットスポット”の1つである米ユタ州のスキンウォーカー牧場を2019年から継続的に調査している科学者のトラビス・テイラー氏は、この地では量子現象が起きているのだと説明している。いったいどういうことなのか。
米ユタ州の北東部にある512エーカー(東京ドーム約44個分)の広さを誇るスキンウォーカー牧場の一帯では、200年以上も前から超常現象が目撃されているという。特に1970年からUFOの目撃報告が相次ぎ、加えて獣人のようなUMA(未確認生物)が目撃されたり、内臓や血液を失った状態の家畜の死体が発見される「キャトル・ミューティレーション」が多発するようになったといわれている。もちろんそのくらいの時期から人々の超常現象への理解が徐々に深まったことで目撃報告件数が増えたという側面もあるのだろう。
ちなみに、“スキンウォーカー”とはこの地の先住民、ナバホ族に伝わる動物の毛皮を纏って邪悪な行為を行う魔女や魔術師のことであるといわれている。先コロンブス期から先住民の間でもいわくつきの場所であったのだ。
この地に興味を持った多くの研究者がこれまでも調査を行っているが、いずれも決定的な成果はあげられていない。
超常現象多発エリアであり、まさに“疑惑の宝庫”であるスキンウォーカー牧場をあらためて科学的に調査、検証する新たな調査チームが結成されて2019年から活動を行っている。
ヒストリーチャンネルのドキュメンタリーシリーズ『スキンウォーカー牧場の超常現象(The Secret of Skinwalker Ranch)』の撮影に際して結成された調査チームの主要メンバーの1人が科学者で航空工学エンジニアのトラビス・テイラー氏である。
今年4月18日からはシーズン4が放映されている同シリーズだが、テイラー氏はシーズン4の放映直前に出演したポッドキャスト番組「The Rick & Bubba Show」でスキンウォーカー牧場で起こっている現象の1つに、人類由来ではない技術を利用した危険なガンマ線スパイクの生成があると話している。
調査では各種の測定装置を用いて牧場内の各地のX線とガンマ線量が測定されているのだが、最近の計測で511キロ電子ボルトという異常な数値のガンマ線スペクトルが検出されたという。
「511キロ電子ボルトという数値が何を意味するのか説明しましょう。これは反物質と物質が衝突した時、つまり電子と陽電子が衝突した時に、爆発とともに発生するガンマ線またはX線の周波数です。このようなことは、原子を粉砕する大きな粒子衝突型加速器以外では起こり得ません」(トラビス・テイラー氏)
物質と反物質が衝突すると511キロ電子ボルトのエネルギーに変換されて質量を失って消滅するという実にSF的な現象が起きるが、それは決して超常現象ではない。番組の中でテイラー氏はこれを“スタートレックの世界”だと形容している。
そしてこのような異常な数値のエネルギーの検出は身の危険を伴うものであり、調査チームはその場から離れることを余儀なくされたということだ。
「これほど高レベルの現象が、(スキンウォーカー牧場という)極めて局所的な場所で起こっている。そんなものは聞いたことがないし、自然に起こるものでもありえない。もはや人類が持っているテクノロジーを超越しているのです」(テイラー氏)
つまり、人類が知らない技術によって意図的に発生させられたガンマ線スペクトルであるというのだ。
「それが何なのかは分かりませんが、これだけは言えます。(スキンウォーカー牧場に)UFOは存在します。カメラではナットとボルトのように見えましたが、今では高速赤外線とレーダー検出機などでも撮影されています。あそこには、説明のつかないあらゆる種類の現象があります」(テイラー氏)
そして、スキンウォーカー牧場でUFOが起こしている現象を解明することができれば、現在の人類の科学技術が大きく変わる可能性があることをテイラー氏は指摘している。
「物理学を超えた現象が起こっているので、これが実際に何であるか解明できれば、人類にとってまったく新しい科学技術の枠組みになる可能性もあります」(テイラー氏)
現在のスキンウォーカー牧場のオーナーで、実業家でもあるブランドン・フューガル氏は、自身のツイッターで「空には何かがある、スキンウォーカー牧場で何かが起きている」と表明し、テイラー氏らを招いて新たな調査チームを結成した経緯がある。
同シリーズのシーズン3の時点で、スキンウォーカー牧場の上空には謎の超常現象が起こる三角形のエリアが存在することが突き止められた。
そこでシーズン4では、この三角形空域を各種の機器を用いて入念に調査したという。上空に飛ばしたヘリコプターからボールを落として電磁波を測定したり、三角形空域内で小型ロケットを打ち上げ、その模様をハイスピードカメラで撮影するなどの実験が行われたということだ。
こうした調査で浮き彫りになったのは、やはりスキンウォーカー牧場には何ががいるということだ。ヘリコプターから落としたボールから1.6ギガヘルツのシグナルが検知されたり、まるでヘリを監視しているかのようにUFOが出現したことが確認されたという。小型ロケットが打ち上げ直後にUFOの攻撃を受け、破壊された光景までハイスピードカメラで記録されたのである。
テイラー氏によれば、スキンウォーカー牧場で起きている超常現象には量子物理学のメカニズムが使われているという。我々の脳がそれらの現象を適切に解釈できないため、現象が非常に奇妙に見えるのではないかというのである。
「人々がスキンウォーカー牧場で奇妙なものを見たと主張する理由は、それが量子物理学を利用した現象であるからではないか。これは私の仮説ですが、検証方法を見つけようとしているところです」(テイラー氏)
意外なことにスキンウォーカー牧場の調査から量子物理学の研究が進展し、人類の技術革新へと繋がる道が拓けているのだろうか。今後も続くテイラー氏らの調査によって、スキンウォーカー牧場の謎の解明に繋がる手がかりが1つでも多く見つかることを期待したい。
【参考】
https://anomalien.com/skinwalker-ranch-secrets-could-change-science-and-technology-for-humanity/
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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