「宇宙はステーキの匂いがする」 宇宙飛行士が訴える奇妙な香りをめぐって科学者も紛糾
船外活動を行った宇宙飛行士の多くが不思議なニオイがしたことを報告しているという。謎に満ちた「宇宙の香り」の正体とは――!?
記事を読む
新型コロナ、温暖化……。惑星環境の激変がもたらす、人類と超知能AIが共生する新しい地質年代を三上編集長がMUTubeで解説。
2022年7月26日。「ガイア理論」の提唱者として知られるジェームズ・ラヴロック博士が、英南部ドーセットの自宅で、家族に囲まれて逝去された。この日が103歳の誕生日だったという。100歳を越えてなお、旺盛な活動を続けていた博士であったが、2022年初頭の転倒事故をきっかけに健康を害していたという。
博士が1960年代に提唱した、「ガイア理論」とは、ひと言でいえば「地球はすべての生物で構成された自己調整機能を持つひとつの生命体」であるとする説で、文字通り地球に関する人類の認識にコペルニクス的転回をもたらしたといえる。
そんなラヴロック博士の人となりをよく表している対話がある。1988年にダライ・ラマ、カンタベリー大司教らの聖職者や国家元首を集めて開催された「生き残りのためのグローバル・フォーラム」で交されたもので、相手はあのマザー・テレサである。
「私たちは貧しい人々、病んでいる人々、飢えている人々を助けなければなりません。地球の面倒は、神さまにお任せしておけばいいのです」
そう語るマザー・テレサに対し、ラヴロック博士はこう応えた。
「もしわれわれ人類が地球を大切に思い、その面倒を見ようとしなければ、地球はガイアのやり方でわれわれに報い、必要とあればわれわれを除こうとするでしょう」
この会話は、ひたすら人間への愛と思いやりに終始するマザー・テレサと、広く地球の自然環境に思いを馳せるラヴロック博士の立場の対照性を、見事に浮き彫りにしている。
ラヴロック博士は日本とのつながりも強い。ロケット工学者の糸川英夫博士との親交が深く、1992年には糸川博士に招かれて来日、日本各地を回って講演旅行を行った。
さらに1997年、ラヴロック夫妻は多忙のなか、長野県上田市で死の床にあった糸川博士を見舞い、2001年に製作された龍村仁監督の映画『ガイアシンフォニー第四番』には、自ら出演もしている。
生前のラヴロック博士が最も心血を注いで取り組んだのが、地球の温暖化対策であった。
一般人が認知する数十年前から気候対策についての問題提起を続け、2020年のAFP通信のインタビューに対しても、「新型コロナウイルスの大流行への対応を迫られるなかで、世界は広い視野を失った。より大きな問題である地球温暖化への対策に注力するべきだ」と、コロナよりも温暖化への対処を優先すべきであると述べている。
一方で化石燃料の全廃と脱炭素化のためには致し方なしとして原子力の推進を容認、一部の環境主義者からは批判を受けたりもした。
「ガイア理論」の集大成ともいえる最後の著作では、近未来の人類と地球の姿を大胆に予言し、人類の前途に微かな希望の光をもたらしてくれてもいる。
だが、世界は博士の警告にもかかわらず、ますます環境破壊を推し進め、無駄に気温を上昇させつづけている。ただただ環境を悪化させるだけの人類の愚行、その最たるものが2022年に勃発したロシアによるウクライナ侵攻である。後述するが、ある意味でこの戦争は、地球環境に止めを刺したともいえる。
いよいよ崖っぷちに立たされている地球の気候変動に対処する鍵は、ラヴロック博士の思想と予言にある。
われわれは今一度、この偉大なる「地球の医師」の言葉に真摯に耳を傾けねばならない。
では、哀悼の意も含めて、博士の偉業とその思想に迫ってみることにしよう。
(文=戸田敏智)
続きは本誌(電子版)で。
webムー編集部
関連記事
「宇宙はステーキの匂いがする」 宇宙飛行士が訴える奇妙な香りをめぐって科学者も紛糾
船外活動を行った宇宙飛行士の多くが不思議なニオイがしたことを報告しているという。謎に満ちた「宇宙の香り」の正体とは――!?
記事を読む
テキサスの動物園にドッグマン出現!! 直立する犬頭の怪人UMAの正体とは!?
テキサス州にある動物園の監視カメラ映像に、2足歩行をする毛むくじゃらの怪物が映り込んでいた。ミシガン州の伝説のUMA「ドッグマン」に酷似した生物は研究家たちの注目を集めている。
記事を読む
ロズウェルの聖杯 事件現場に眠る真相を秘めた物証/世界の新七不思議
超巨大建造物から超常事件の現場まで、各地のさまざまなミステリーを、超常現象研究の第一人者・並木伸一郎がセレクトした〝世界の新七不思議〟をご案内! 今回は〝UFO・異星人の七不思議〟に選定したなかから、
記事を読む
「UFOとのセルフィー」公開したブラジルの研究家を襲った恐怖とは!? 12日間の入院を余儀なくされた悲劇
UFO研究者とともに写真に収まった、謎の飛行物体。史上初の可能性もある「UFOとのセルフィー」は、軍事介入という思いもよらない事態を招いたようだ。
記事を読む
おすすめ記事