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UFOや異星人にまつわる噂は、実は米空軍の謀略なのか――!? 情報部門の新入隊員に秘密保持を誓わせる非公式の入隊儀礼「ヤンキーブルー」をめぐり米国が揺れている!
2020年末に米紙「New York Times」が“本物のUFO動画”をリークし、後に米政府がUFOの存在を事実上認めた流れを受けたことにより、米国防総省にUFO/UAPに関する情報を収集・開示する組織「全領域異常対策室(AARO)」が新設された。そして昨年6月、米紙「Wall Street Journal」がAAROによる調査で判明した驚愕の新事実を報じている。
なんと米空軍では、情報部門の新人隊員が上官からUFOの画像を見せられ、それが「エイリアン技術のリバースエンジニアリングプログラムだ」と告げられる「ヤンキーブルー(Yankee Blue)』という慣行が存在したというのだ。しかも、UFOの画像を見せられた新人隊員らは、リバースエンジニアリングに協力するよう求められ、さらに同プログラムについて一切口外しないことを誓う秘密保持契約にサインさせられていたという。
AAROの内部調査によると、この慣行は数十年にわたって続けられていたものの、2023年春に国防長官からの内部メモの配布によって中止された。「Wall Street Journal」では、これらは全て国防総省内部の情報源から提供された紛れもない真実だと報じている。
曝露系メディア「The Black Vault」は、国防長官が配布したという内部メモの開示を求めて情報公開法(FOIA)に基づく請求を昨年6月17日に行った。しかし、国防長官府(OSD)は「ヤンキーブルー」に関するいかなる指示も存在しないと否定。OSDの回答によれば、通信管理部門(CMD)内でのみ調査を行い、該当する記録は報告されなかったという。
この回答に満足しない「The Black Vault」は2025年9月17日、調査は不十分であると異議申し立てを提出。そして2025年12月12日、当局にもう一度メモの徹底的な捜索が課されることになった。FOIA当局の決定には、公開可能な記録が見つかった場合は提供されること、また請求者は再度控訴できることも記載されていた。
「The Black Vault」側のこの勝利は、メモが存在すること、発見されること、あるいは公開されることを確証するものではなく、捜索が不十分であったこと、そしてより広範な捜索が必要であることを明確にしたに過ぎない。しかしそれでも、軍にメモの再捜索が課されたことの意味は大きい。軍当局にはメモを探し出すか、あるいはそもそもそのようなメモは存在しないのか、白黒つけることが求められたのだ。この先、当局からどのような回答が提出されるのか注目である。
では、「ヤンキーブルー」が真実であったとして、そのような慣行の目的はなんだったのか?「Wall Street Journal」によれば、AAROによる調査を主導したショーン・カークパトリック局長は、国防総省内に秘密主義の“結界”があることに気づかされたという。
米ソ冷戦時代のアメリカは、何十年にもわたりソ連と存亡をかけた戦いを繰り広げており、両陣営はますます高度な兵器開発競争で優位に立とうと躍起になっていた。その意味で情報漏洩のリスクを徹底的に排除するための結界が生まれ、それが冷戦後も引き継がれたことは理解できるものではあった。
AAROの調査チームは、退役したある空軍大佐にインタビューを行ったのだが、あの「エリア51」付近のバーに空飛ぶ円盤の加工画像を提供したと明かしたという。当時の空軍は冷戦後のソ連に対する決定的な優位性を得るため、F-117などの高度なステルス戦闘機を開発していたのだが、当局はアメリカの兵器開発に関する情報がソ連に漏洩するリスクを少しでも減らすため、一般の人々にUFOを見たと思わせる方が得策だと考えたということだ。
つまり、「エリア51」の周囲はUFO出現の多発地帯であるという噂が広まったほうが、極秘の航空機の開発がしやすくなり、試作機も飛ばしやすくなるというわけだ。

しかしながら、カークパトリック氏はすぐに、この秘密主義が行き過ぎの域に達していることに気づいた。
別の元空軍将校(匿名)は、数十年前に秘密のエイリアン計画について説明を受けるとともに、「その秘密を漏らせば投獄、または処刑される可能性がある」と警告されたとAAROに以前打ち明けたが、その際には明らかに怯えた様子だったという。
これと同様のストーリーが複数の元将校たちによって語られており、「ヤンキーブルー」もそのひとつであるとカークパトリック氏は確信したのだ。
前述の通り、プロジェクトとしての「ヤンキーブルー」が存在したという記録はまだ表に出ていないが、「エリア51」の元職員とされるボブ・ラザー氏の証言などでも同様の言及が見られるという。
いずれにしても、「ヤンキブルー」が存在したとして、単に“悪意ある新入り歓迎儀式”に過ぎなかったのかどうか、今も真実は闇の中である。孫子の『兵法』にもあるように、「敵を欺くにはまず味方から」と、空軍の隊員たちを“洗脳”しておいたほうが情報漏洩リスクは低くなると軍上層部が考えても確かに不思議ではないのかもしれない。
異星人やUFOにまつわる“陰謀論”が、偽情報を意図的に流布して隊員や国民もろとも巻き込む隠蔽工作の一環であったとすれば、きわめて入念に仕組まれ、見事なまでに成功した“作戦”だったと言わざるを得ない。そうだとすれば、全面的な情報開示と説明責任が求められることにもなるはずだ。
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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