次世代エネルギーの本命は核融合! マグネシウム球殻核融合で日本から世界を変える…!
核融合は実現できるのか? 日本発のマグネシウム球殻核融合が世界を変える?
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ついに中性子の発生源が特定!! まさかの大どんでん返し!! この記事を三上編集長がMUTubeで解説。
「私たちはみんな間違っていました。常温核融合ではありませんでした。起きていたのは常温核分裂です」
水素技術応用開発株式会社の代表取締役で、元北海道大学大学院工学研究科助教の水野忠彦氏はいった。
常温核融合をご存じだろうか?
イギリスのサウサンプトン大学のマーティン・フライシュマンとアメリカのユタ大学のスタンレー・ポンズの発表した、セ氏数百度で核融合らしき兆候が見られるという不思議な現象だ。
重水(水は水素原子〈陽子1個+電子1個〉2個に酸素1個だが、重水は重水素〈陽子1個+中性子1個+電子1個〉が2個に酸素が1個で水より重い)の中に電極としてパラジウムを差し込み、電気分解を行うと熱が過剰に発生する。熱を加えたあとは何もしなくても発熱が続き、それは最初に投入した熱量をはるかに超える。入力を出力が上回るわけだ。これは核融合反応に見られる連鎖反応とそっくりだ。
1989年3月23日にこの実験結果が報道されると、マスコミや研究者から核融合が起きたのではないかという意見が多数出て、常温核融合という言葉がひとり歩きを始めた。
核融合とはその名前の通り、原子核と原子核が融合して別の原子核を生みだす現象で、その質量差をエネルギーとして利用する。
現在研究中の核融合発電では、重水と三重水素=トリチウムを使う。
この水素の同位体を超高温(数千度から数億度)で加熱するとプラズマ化する。電気を帯びたガス状になると思えばいい。これを電磁石で加速させる。電磁石のトンネルの中を高速で回転させるうちに原子同士がぶつかり、重水素とトリチウムから中性子とヘリウムができるDT反応が起きる。そして質量の一部が熱や放射線として放出される。
このときに発生するエネルギーがどれくらいかというと、「1グラムのDT燃料の核融合反応から発生するエネルギーは、タンクローリー1台分の石油(約8トン)を燃やしたときと同じだけの熱に相当」(国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構)というから、まさに夢のエネルギーだ。
核融合発電はいまだに実用化していない。問題はプラズマの制御だ。電気を帯びたガスを電磁石で制御するわけだが、これが安定しない。高密度のプラズマで核融合を起こし、そのエネルギーでさらに核融合を起こし、という連鎖反応が続けば実用化が見えてくるのだが、連鎖反応が起きない。入力を出力が超えないと発電には使えないが、発電以前なのが現状である(ちなみに発生した熱は直接利用できず、火力発電と同じくお湯を沸かして発電するので、利用できる熱温度が限られてしまい、膨大なロスが出ることも問題視されている)。
太陽を見ればわかるように、核融合反応には超高温と超高圧、つまりは物理的なエネルギーが必要である。核融合の研究者が苦労しているなか、数百度の温度と電気分解のような安い道具で核融合ができる常温核融合が実在するなら、それは科学の常識を覆すとともに詐欺の可能性が十分にありうる。おそらくはそうした先入観で学界も政府も常温核融合否定に回ったと思われる。
常温核融合はアメリカ政府の肝入りで調査が行われた結果、再実験はことごとく失敗、現象自体が完全に否定された。
そうしたなかで水野氏は、最初は興味本位で、やがて気がつけば人生を常温核融合に捧げることになる。
(文=久野友萬 イラストレーション=サカノヤスタカ )
続きは本誌(電子版)で。
webムー編集部
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