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台湾の15の異なる先住民族には、共通する伝説がある。なぜ同じような伝説をもつのか? 今回発見された骨が、その謎を解く鍵となるかもしれない。
「その昔、山には不思議な力をもつ、小柄な人々が暮らしていた」ーー。
 これは台湾の先住民族に代々伝わる伝説である。台湾島には、16の先住民族が今も居住するが、タオ族を除く15民族に共通して、不思議な集団の伝説が伝わっている。その集団は小柄で、肌は浅黒く、髪の毛は縮れているそうだ。そして、彼らの知らない言葉を話し、豊富な知識を持っていたとされている。
 なぜ、言葉や文化が違う先住民族の間で、同じような伝説が伝えられているのか。研究者らはこの奇妙な共通点に首をかしげながらも、なかなかそれを説明つける事ができずにいたが、ついにその謎を解き明かす手がかりが発見されたのかもしれない。
 2022年10月、台湾東部に位置する成功鎮小馬石窟の洞窟から、人間の骨らしきものが発見された。オーストラリア国立大、札幌医科大などで形成された国際研究チームによると、骨は約6000年前の成人した女性の頭蓋骨と大腿骨であることが判明。大腿骨の大きさから身長が139センチと比較的小柄であったことが明らかになった。
 発見場所の小馬(シャオマ)から「シャオマ・レディ」と名付けられ、今なお研究チームによる分析が進められているが、話題になっているのはその身長である。シャオマ・レディがもともと小柄だったのか、それとも外的要因により身長が伸びなかったのかは今のところわかっていない。だが、骨が発見された成功鎮は、住民の約5割が先住民族「アミ族」で占められた地域であり、やはりこの地にも背の低い人物にまつわる伝説が残されていることから、その関係性について注目が集まっているのだ。
 アミ族に伝わる伝説によると、「小柄な人々」は神が変身した姿とされている。
 4兄弟の神がいた。下の3人の弟神たちは素行が悪く、長男神は手を焼いていた。そこで長兄神は身長1メートルほどの小柄な人物へと姿を変え、近づいてきた弟たちを油断させて成敗した、という神話があるのだ。これはアミ族の中で友情や団結を大切にする教えとして語り伝えられているそうだ。
 また他にも、小さな人々からさまざまな知識を享受し一緒に暮らしていたというサアロア族や、医術や農耕技術の他、彼らの歌や踊りも伝授されたというサイシャット族など、小柄な集団にまつわる伝承は台湾中に点在しており、その祭りや儀式は現代にも受け継がれていることから、これらを“史実”として解釈する学者も少なくはないという。

 しかしながら、今のところ史実説を裏づける証拠はない。あくまでも机上の空論となっているが、今回のシャオマ・レディの出現は、この風向きを変える可能性があるようだ。
 それは実在する民族『ネグリト族』との関係性である。
 研究チームによると、シャオマ・レディの頭蓋骨の大きさがフィリピンやインド・アンダマン諸島のネグリト族に酷似しているというのだ。
 ネグリト族とは、スペイン語で「小さな黒人」を意味し、マレー系民族が広がる以前からの先住民族である。現代でも成人男性の平均身長は150センチ未満と小柄で、肌は浅黒く、巻き毛が特徴とされているのだが、これがまさに台湾先住民に伝わる「小さな人々」の特徴と一致しているというのだ。もちろん頭蓋骨の大きさだけで、シャオマ・レディがネグリト族であったと結論づけることはできないが、研究チームはネグリト族との関係性も含めて、今後さらなる分析を進めていくということだ。
 
 台湾の原住民族に文化的知識や技術を授け、時には神の化身として彼らを繁栄へと導いたという小さな人々。15の民族で伝えられる伝承の共通性には果たしてどのような背景が隠されているのだろうか。小馬石窟には多数の岩壁と洞窟があることから、さらに発掘調査を進めるそうだが、人類の足跡を辿る貴重な発見に今後も期待したいと思う。

【参考】
https://www.taiwannews.com.tw/en/news/4680037
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00438243.2022.2121315
 
遠野そら
UFO、怪奇現象、オーパーツなど、海外ミステリー情報に通じるオカルトライター。超常現象研究の第一人者・並木伸一郎氏のスタッフも務める。
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