コンゴで恐竜の目撃報告が急増中! 伝説のUMA「モケーレ・ムベンベ」か!?
アフリカ・コンゴ共和国の北部に位置し、伝説の怪獣「モケーレ・ムベンベ」が潜むとされるテレ湖。一時期は目撃情報が減少していたが、近年は再び増加傾向にあるという──。
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今から約1億4500万年前~6600万年前の白亜紀の時代、地上を我が物顔で闊歩していた恐竜たちは、獲物を追い回しゴジラのような雄叫びをあげていたのだろうか? 新たな研究によると、そのイメージはおそらく間違っていたという。
6600万年前に絶滅するまで地上の支配者であった恐竜たちが、どのような音色の声を発していたのか、その手がかりはほとんど残っていない。
恐竜たちの化石は彼らの並外れたパワーと優れた身体能力を如実に示している一方、彼らがどのように交流し、コミュニケーションをとっていたかを知るヒントはきわめて少ないのだ。
映画『ジュラシック・パーク』で描かれている(轟音に近い)派手な雄叫びをあげる恐竜の勇姿は、研究が進んだ現在ではかなり疑問視されているということだが、動物学者によれば、恐竜がウサギやカメのように沈黙していたわけでもないということだ。
そして現在、科学者たちはわずかな手がかりと高度な分析技術の助けを借りて、恐竜がどのように鳴いていたのか、再現することに挑んでいる。
もちろん恐竜の種類によって鳴き声の音色は異なっていたはずだが、鳴き声を類推するデータが比較的揃っているのが草食恐竜の「パラサウロロフス(Parasaurolophus)」だという。
中生代後期白亜紀(約7650万~7300万年前)の北米大陸に生息していたパラサウロロフスは、体長9メートル前後、高さ約5メートル、体重は約4トンに達したと推定される大型の草食恐竜で、後頭部からは約1メートルの巨大なトサカ(鶏冠)が突き出ていた。
パラサウロロフスの鼻からトサカの頂点にかけて3対の中空管が通っており、そのうち2対はU字型に曲がり、頭蓋底と気道へと繋がっている。そしてもう1対はトサカの頂点付近で広がり、大きな空洞を形成していた。パラサウロロフスのトサカのこうした構造は、まるで木管楽器のように機能し、音を発していたと推察できるのだ。
1995年、米ニューメキシコ自然史科学博物館の古生物学者たちは、風変わりな姿をしたパラサウロロフスのほぼ完全な頭蓋骨を発掘することに成功した。彼らはコンピュータ断層撮影(CT)スキャナーを用いてトサカの画像を350枚撮影し、内部をかつてないほど詳細に観察。その後、コンピュータ科学者と協力し、この器官をデジタル的に復元し、空気を吹き込んだ場合の挙動を再現したのだ。
このシミュレーションの結果、パラサウロロフスが息を吹き込む際にトサカ内部で空気が共鳴し、まるでパイプオルガンのような音を発していたことがわかった。
なお、化石に軟骨部分は保存されないため、パラサウロロフスが一般的な発音器官を持っていたかどうか不明なのだが、研究チームによれば、もしも声帯などの発音器官がなかったとしてもこのトサカで音を発することができたはずだという。そして、研究チームはトサカに空気が通った際に発生する音も再現した。
パラサウロロフスのほかにも、最新技術によって鳴き声が推測できる恐竜種がもう1つあるようだ。
米テキサス大学オースティン校の古生物学者ジュリア・クラーク氏が率いる研究チームは、南極半島の先端にある小さな島、ベガ島で発見された初期の鳥類「ベガビス・イアアイ(Vegavis iaai)」の骨格を詳細に調査した。
ベガビス・イアアイは、6800万年から6600万年前の白亜紀末期に、非鳥類型恐竜と共存していたと考えられている。当時の南極大陸は温帯林が生い茂り、浅い海に囲まれていたと考えられ、ベガビス・イアアイの鳴き声が響き渡っていたはずだという。
このベガビス・イアアイ化石は岩に埋め込まれていたが、クラーク氏ら研究チームは高度なCTスキャン技術を用いて化石の目に見えない部分も可視化し、デジタルで復元。すると、骨片の中から鳥類の発音器官である鳴管(syrinx)が発見されたのだ。
こうした証拠やデータの検証を重ね、研究チームはベガビス・イアアイの鳴き声は恐らく、現在のアヒルのような音だったと特定している。
さらにクラーク氏はそこから研究をさらに一歩進め、現代の鳥類の鳴き声と(彼らの祖先である)恐竜の鳴き声のメカニズムとを比較検討した結果、恐竜はほぼ間違いなく雄叫びなどはあげておらず、おそらく鳩の「クッ、クッ」という鳴き声や、ダチョウの「グゥー、グゥー」という鳴き声に似た音を発していたと考えられるという。
映画『ジュラシック・パーク』は間違っていると改めてクラーク氏は指摘し、恐竜をライオンのような大型哺乳類の捕食動物の恐ろしい鳴き声と結びつけるのは誤りであると説明する。
また、もしも映画のように雄叫びをあげながら獲物を追い回せば、獲物に捕食者の位置を知らせているも同然であり、これも誤った表現だと考えられるという。
クラーク氏は、多くの非鳥類型恐竜が、ある種の求愛行動の一環として、喉の軟部組織を膨らませて口を閉じた状態で音を発していた可能性があると考えている。しかし、窮地に陥った時など、状況によっては口を開けた状態で鳴いていた可能性もあるということだ。
「ジュラ紀後期や白亜紀前期の地上には、実にさまざまな種類の音が存在していたはずです」(クラーク氏)
いずれにしても、これまで多くが抱いていた恐竜のイメージには修正が必要とされているようだ。容貌魁偉で迫力満点の恐竜たちだが、その鳴き声は案外可愛らしかった可能性も大いにありそうだ。
【参考】
https://www.bbc.com/future/article/20221212-the-mysterious-song-of-the-dinosaurs
仲田しんじ
場末の酒場の片隅を好む都会の孤独な思索者でフリーライター。興味本位で考察と執筆の範囲を拡大中。
ツイッター https://twitter.com/nakata66shinji
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