カフラー王のピラミッドに巨大地下構造物を発見!!/MUTube&特集紹介  2024年6月号

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    やはりギザのピラミッドは王墓ではなかった!? 古代エジプト研究者たちが注目する新発見、地下に広がる驚異的巨大構造の全貌と謎を三上編集長がMUTubeで解説。

    ピラミッドの地下に眠る超巨大構造の謎

     2025年3月、考古学上の大発見となり得る驚愕のニュースが世界を駆けめぐった。エジプトのギザにある三大ピラミッドのひとつ、カフラー王のピラミッドの地下約2キロに巨大な構造物が発見されたというのだ。
     イタリア、ピサ大学のコラド・マランガとイギリスのストラスクライド大学のフィリッポ・ビオンディが、合成開口レーダー(SAR)トモグラフィーを用いて調査した結果、ピラミッドの地下に広がる大規模かつ複雑な構造の存在が確認された。古代エジプト人によるピラミッド建造の目的について従来の説が根底から覆され、新理論が提唱される転換点となるかもしれない。
     今回の新発見をもたらしたSARは、検査対象に物理的な影響を与えることなく地下をスキャンすることができる。
     ビオンディ自身が開発したソフトを使うと、レーダー信号を音波情報に変換してミリ単位の正確さで地下の様子がわかるという。これら最新のテクノロジーにより、従来の方法では確認できなかったピラミッド内部や地下の構造が判明したのだ。
     本稿の執筆時点で公開されている情報をまとめると、まずカフラー王のピラミッドの基部には5つの未知なる構造が存在する。いずれも水平部分と傾斜した屋根状の部分をもち、幾何学的形状の通路でつながっているようだ。また、その下からは8本の円筒形の〝井戸〟が(深さ648メートルまで)まっすぐ地中へと伸びており、それぞれが螺旋状の空洞に囲まれている。さらに井戸は、最深部にあるふたつの巨大な立方体構造に接続する。
     地中深くまで伸びた井戸も立方体構造も、すべてが人工的建造物と考えられているが、これほど巨大な構造が果たした役割はなんだったのか。現時点では、エネルギーの貯蔵または(相互に接続された)三大ピラミッドを含む付近一帯の建造物の〝安定化ユニット〟として機能していた可能性が囁かれている。
     まだ詳しいことは不明だが、ピラミッドがエネルギー発生装置だとする仮説にも改めて注目が集まっている状況だ。

    驚異の新発見が相次ぐギザ台地の現状

     少しスコープを広げて、ピラミッドを含むギザの遺跡全体のグランドデザインに目を向けてみると、2015年から行われている「スキャン・ピラミッド計画」にも言及しなければならない。この国際調査プロジェクトでは、(宇宙線を用いて地下構造をイメージングする)ミュオン放射断層撮影法によって、クフ王の大ピラミッドの北側(山状構造のすぐ後ろ)に「北面回廊」と呼ばれる隠し通路のような構造が見つかった。
     少なくとも5メートルあるこの通路は、ピラミッドのほかの部分から隔絶された状態になっている。依然として目的も機能も不明だが、意図的に建造された可能性が高いことから、まだわれわれが知らない大きなシステムの一部である可能性が浮上しているのだ。
     また2017年には、クフ王のピラミッドの「大回廊」と呼ばれる空間の上に、さらに大きな謎の空洞があることも判明している。やはり機能は不明だが、この巨大空洞は長さ30メートル以上の規模にもかかわらず何千年にもわたり隠されたままになっていた。
     これら昨今の新発見は、(三大ピラミッドを含む)ギザの遺跡全体にまだまだ未知の空間が存在し、発掘される日を待っているのではないかという疑問を抱かせるには十分すぎるものだった。
     そして今、カフラー王のピラミッドの巨大地下構造が発見されたのである。

    (文=宇佐和通)

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    webムー編集部

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