”ファティマの聖母出現”は予言されていた! 自動書記が導いた奇跡の真実/ケイ・ミズモリ
20世紀初頭、ポルトガルの寒村に突如として出現した聖母は、世界に関する3つの預言を遺した。そして実は、世界が注目するこの奇跡を、予め知っていた人々がいたという。 預言は、予言されていたーー! 衝撃の新
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UFOや宇宙人の遭遇と、天使や神の降臨は似ている。クリスチャンたちの神秘体験をバチカンはどう扱うのだろうか。
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歴史と神秘に包まれたカトリックの総本山、ローマ教皇庁。日本時間の5月17日夜7時、その重大な会見は行われた。なんと、「超常現象や聖母の出現に関するガイドライン」が公式に発表されたのだ。
超常現象についての会見が前回開かれたのは、1978年のこと。実に46年ぶりとなる公式発表を世界が固唾をのんで見守った。
「教会側は偽りの神秘を否定する」
ーー終始にこやかな雰囲気で進んだ会見だが、ビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿は強い言葉で語り、キリスト教的な奇跡や神秘体験に対して慎重になるよう促した。SNSの発達した現代、多くの人が奇跡や不思議な体験を簡単にネット上に投稿できるが、その全てが真実とは限らず、なかにはフェイクニュースも含まれる。ローマ教皇庁の発表は、そんな現代特有の問題に対処するものだった。
また、新たに奇跡が発生した場合には、現場となった地域の教会がその内容を調査したうえで教皇庁に報告するという手順も言い渡された。その現象が本当に奇跡なのかどうかは、全て教皇庁が判断するというのだ。こうした措置は、カトリック教会の権威を保つためにも必要だったのだろう。今回の会見を通し、ローマ教皇庁側が現状抱いている危惧が明らかなものとなった。
では、次に紹介するような超常現象について、ローマ教皇側はどのように判断するのだろう?
というのも、世界では、キリスト教的な神秘体験とも捉えられる摩訶不思議なUFO体験の数々が報告されているのだ。
空飛ぶ円盤は、さまざまなところへ人を連れていく。過去には地球外の惑星や異次元、地底の基地に連れて行かれたという報告も上がっているが、次のような例は他にあまりないだろう。なんと、空飛ぶ円盤に乗せられて地獄へ連れて行かれたという人物がいるのだ。
その驚くべき体験を著書『Round Trip To Hell In A FlyingSaucer(空飛ぶ円盤での地獄の往復旅行)』で報告したのは、自動車修理工場を経営していたセシル・マイケル(当時43歳)。
1952年8月22日、マイケルは自身の工場から空を見上げた時、ふと空に浮かぶ謎の飛行物体を発見した。中には人間らしき存在が2名乗っていたという。乗組員の頭には、何やら特徴的な装飾が付いていた。彼は呆気にとられたまま、飛び去る物体を眺めていることしかできなかった。
2か月後の10月14日の朝、マイケルはその飛行物体の乗組員と間近で遭遇した。というのも、数日前に目撃したUFOの乗組員と同じ装飾を頭に被った2人組が彼の前に現れたのだ。彼らはマイケルのいるガレージの前に立ち、古風なスカートとモカシンを履いていた。マイケルは彼らを見て、「まるで羊飼いのような格好だな」と思った。驚いていると、なんと2人組はマイケルのそばにあった水を溜めた大きな桶に近寄り、その水面の上を歩いたのだ!
ここでお気づきの方もいることだろう。キリスト教において「神はいわば、その羊を導く羊飼いである」と、人類はか弱い羊に例えられることが多い。また、キリストはガリラヤ湖の水上を歩いたという伝説がある。これらの話とリンクする出来事が、マイケルの目の前で起きたのだ。
羊飼い風の彼らは、人間と同じような風貌だが、やはり只者ではなかった。彼らはテレパシーでマイケルに友好的な言葉を投げかけたが、マイケルの不安を察したのか、まるでフェードアウトするように消えてしまった。姿が完全に見えなくなるまで、5秒もかからなかったという。
奇妙な出来事は続いた。マイケルは翌日もこの羊飼い風の男たちを目撃する。彼らは、前日フェードアウトした場所に再び現れたのだ。しかも、姿を見せたり、消えたりを何度か繰り返していた。当然ながら、マイケルは集中に支障をきたして仕事ができなくなった。
「いったいこいつらは何なんだ? 人の仕事場に我が物顔で現れて――!」
マイケルが保安官に通報しようとすると、羊飼い風の男たちはそれを察知したのか、またしても消えてしまった。そして、信じ難いことに彼らはそれから5か月もの間、同じ場所で出現したり消えたりを繰り返したというのだ。
奇妙な現象に悩まされながら数か月が過ぎる頃には、マイケルは羊飼い風の男たちの不思議な力によってトランス状態に陥るようになっていた。男たちが手をこちらに向け、何やら力をこめると、マイケルは次のようなビジョンを体験するのだ。
そのビジョンでは、マイケルは自身の兄と一緒に狩猟に出かけている。アメリカ東部の山脈の麓にある、広大な草原。その向こうに見える木の下に、空飛ぶ円盤が現れる――!
同様のビジョンは仕事の電話が鳴ると中断されるが、再び男たちが手をこちらに向けると、マイケルはトランス状態に戻ってしまうのだった。
このビジョンの中で、マイケルは空飛ぶ円盤に乗り込んだ。それは無人だったが、突然起動すると、兄を残して飛び上がった。地表は遠く離れ、やがて海も見えなくなる。すると船内にパイロットが現れ、窓から一点を指差した。その方向には、赤い星があった。
「この空飛ぶ円盤は、あそこに向かって飛んでいるんだ!」
マイケルは直感的に確信した。しばらくして、空飛ぶ円盤は赤い星に着陸。するとマイケルは一人そこに降ろされ、重労働を課された。その星はきわめて暑いが、食べ物は配給として配られるビスケットと水だけ。そしてマイケルは「この星は聖書に記されている地獄だ」と思ったという。
そんなある時、ビジョンの中に老人が現れ、マイケルを遠い場所へ連れていった。道中には激しく炎が燃え盛る場所もあったが、それを越えていくと、空にイエス・キリストの姿が現れた。
「私を地球に返してくれないなら、きっとイエス様が迎えに来て、助けてくれるはずだ」とマイケルが言うと、その老人は苦しみ出した。この赤い惑星が地獄であるなら、そこにいるのはもちろん悪魔のはず。悪魔はキリストの栄光の光に勝てなかったということなのだろう。結局、老人はマイケルを解放してくれた。マイケルはまた同じように空飛ぶ円盤に乗ってビジョンの中の地球に帰還するのだった。
こうしてマイケルは現実世界で目を覚ましたが、相変わらず羊飼い風の男たちはそれから2週間半もの間、彼の職場に現れ続けた。
彼らが姿を見せなくなったのは、1953年1月のこと。約5か月間にわたったマイケルの奇妙な体験は、ようやく幕を閉じたのだった。
「恐れてはならぬ、オルフェオよ。我らは友人同士なのだ!」
1952年5月23日の夜、職場から帰宅途中だったオルフェオ・アンジェルッチが運転中に初めてUFOを目撃した際、彼はUFOからこんな声が響いてくるのを聞いたという。そして、ビーチボールほどの大きさのUFOが、彼の目の前で2つに分裂した。
この時、オルフェオはすぐに車を停めて外に出たが、強く衝撃を受けたからだろうか、激しい喉の乾きを感じたという。すると、UFOはそれを察知したかのように、コップに注がれた飲み物を車のボンネットの上に出現させた。
そしてUFOから響いてくる声は、オルフェオにその飲み物を口にするよう促した。大抵の人はここで怖気付いて逃げ出すだろうが、なんとオルフェオはそれを飲むことにしたのである。味は、なんとも美味しい爽やかなものだったという。
不思議な体験はまだ終わらない。2つに分裂したUFOは、やがて空中に薄緑色のスクリーンのような空間を生成し始めた。そして、スクリーンに男女の顔が現れた。この男女は「オルフェオよ、道は開かれん」と語った。とりとめもない奇妙な出来事だが、事態はオルフェオに状況を考える暇を与えない。スクリーンからは、立て続けに次のような言葉が響いてきたという。
「我々は常に人類を見守ってきた」
そして声の主は、オルフェオに対して「自らの存在の真の神秘」に目覚めるよう促した。これを聞いた彼は圧倒的高揚感に包まれ、力がみなぎるのを感じたのだった。
この事件以降、オルフェオはたびたびUFOとコンタクトを果たすようになった。
1953年7月23日に起きたコンタクトで、彼は空中に奇妙な物体が浮いている光景を目撃した。本人の言葉を借りるならば、そのUFOは、まるで「イヌイットの氷雪小屋」あるいは「巨大でぼんやりとした石鹸の泡」のような見た目だったという。
オルフェオが近づいて中に入ってみると、物体は加速を始めて宇宙空間へと到達した。はるか遠くにある地球を眺めたオルフェオは、感動のあまり泣いてしまう。そんな彼に、UFOは語りかける。
「我々は、科学と道徳のバランスを取ることができない人類を危惧し、導くために接触したのだ」
「君たち人類はそれぞれが高い『霊的自己』を持っているが、それに気づいていない」
人類の霊的進化を呼びかけるメッセージに続き、UFOはさらにイエス・キリストに関する衝撃的な言葉を告げる。
「この者は、比喩的に神の子と呼ばれている。しかし本当は『炎の王』であり、『太陽の無限の実在』であって、もともと地上のものではない」(C・G・ユング『空飛ぶ円盤』P196より)
キリストが「炎の王」とは、一体どういう事なのか。これについても、やはり解釈の暇は与えられない。オルフェオのいるUFO内部には、神聖な雰囲気の音楽が鳴り響き、恍惚感と感動に包まれて彼は泣くことしかできなかった。そんなオルフェオに対し、さらにUFOは「真の光の洗礼」を授けると言い、白い閃光が放たれた。すると、オルフェオの目の前で走馬灯のように過去の記憶が蘇り始めた。
「ああ、自分は死ぬのか――」
オルフェオは死を意識したが、恐怖は感じられず、限りない至福に包まれたという。
しかしその後、オルフェオは無事に地球に戻された。そして自分に起きた出来事を多くの人に伝えた。UFOによって授けられた新たな洗礼や、人類の霊的進化について、まるでキリストの弟子が多くの人に福音を伝えたのと同じような行動に出たのだった。
オルフェオの体験には、沢山のキリスト教的要素が見てとれる。特に、聖書において天使が現れる際は「恐れるな」と語りかけてくるが、これと同じことがオルフェオの体験でも起きているのは、偶然の一致なのだろうか。
1967年1月25日18時30分過ぎ、米国マサチューセッツ州。当時35歳のベティ・アンドレアソンは、7人の子供たちと夕食を終え、台所で後片付けをしていた。すると、窓からピンク色の光が差してきた。その光は強さを増し、オレンジ色に変化した。次に、光の向こうから複数の小人が近づいて来ることに気づいた瞬間、ベティ以外の家族が全員、時間が止まったかのように動かなくなってしまった。ベティが困惑していると、キッチンの扉の板を通り抜けて、5人の小人が家の中に入ってくるではないか――!
ベティが我に返ると、すでに4時間以上も過ぎていた。その間に何が起きたのか? 詳細を思い出したのは、10年後にUFO研究家レイモンド・ファウラーによる退行催眠(催眠によって過去の記憶を思い出す療法)を受けてからのことだった。
ファウラーによる催眠セッションは1977年1月から90年代まで続けられ、多くの出来事が浮かび上がってきた。ベティによれば、あの日、小人たちはテレパシーで彼女に話しかけ、人類救済のためにベティの力を必要としていると伝えたという。そして、小人たちのリーダーは自らを「クアズガ」と名乗っていたのだ。
キリスト教徒であるベティは小人たちから友好的なオーラを感じ、天使ではないかと思ったという。さらに小人たちは、テレパシーで「火の試練にさらされた知識が欲しい」と訴えてきた。それが聖書のことだと直感したベティが手渡したところ、小人たちは代わりに青くて薄い本を差し出してきたという。その中には、何やら複雑な図が描かれていた。そしてベティは、小人たちと共に扉を通り抜け、外に待機していた空飛ぶ円盤に乗せられた。家から連れ出されていた約4時間、彼女は円盤内で鼻やヘソに針を刺す身体検査を受けた。チューブに繋がれ、液体の満ちたカプセルの中に寝かされたりもした。
空飛ぶ円盤の向こうには、長いトンネルがつながっていた。その先へ行くと、真っ赤な世界が広がっており、そこには頭はないが2つの大きな目をもつ奇妙な動物がひしめいていた。
次に彼女は、巨大な鳥の幻影に接近する。その鳥は体長4.5mほどあり、不死鳥にそっくりだった。
巨大な鳥は、全身から明るい光を放っていた。彼女が唖然としながら見上げていると、鳥は急に燃え始めた。そして、その燃えた灰のなかから巨大な虫が出現したのだった。やがて、何者かの声が響く。
「私は世界を示すために、あなたを選んだ」
家に戻る時間がやってきて、ベティはトンネルを通って円盤に戻った。すると、クアズガと名乗る小人にこう告げられたという。
「しばらく、この事を忘れなければいけない」
その言葉通り、彼女はこの時の記憶を忘れてしまったという。小人たちからもらった青い本も、10日後には消えてしまったようだ。
以上に挙げた3件は、いずれもキリスト教的要素の強いUFO遭遇事例だ。あまりにも現実離れした事例ばかりだが、そもそも聖書にも通常では考えられないような超常現象が数多く記されている。「ダニエル書」においては空中から手が現れて文字を描いたり、激しい炎の中から人が生還したりする。
今回紹介したUFO体験は、合理的な物の見方からすると多くの困惑を生むはずだ。ただ、宗教体験として考えたとき、さほど異様なことではないようにも思える。人は、常に自身のフィルターを通して出来事を認識する。欧米のキリスト教社会で生きる彼らが、そのフィルターを通してUFO体験を捉えた結果なのかもしれない。
欧米人は驚いた際「Oh, My God(ああ、私の神様)」などと頻繁に神の名前を口に出すが、宇宙人との出会いや、そこで授けられたイメージを、キリスト教的文脈で捉えている可能性もありそうだ。
さて、今回のローマ教皇庁の声明へと話を戻そう。
先に紹介した3人の体験談は、はたしてキリスト教的な奇跡として認定されることはあるのだろうか? こればかりは教皇庁の意見を仰ぐほかないが、奇跡の認定基準が厳しくなった今、空飛ぶ円盤という要素だけでも判定者が顔をしかめる光景が目に浮かぶ。ただ、過去に奇跡として認定された事例において、空飛ぶ円盤らしき存在が出現したケースがあるのもまた事実だ。かの有名なファティマの奇跡において、7万人もの聴衆の前で光り輝く円盤がジグザグに飛んでいる光景が目撃されているのだ。
さまざまな条件が揃う必要があるが、近い将来、UFO体験とも解釈できるような奇跡をローマ教皇庁が認定する可能性もある。心躍るような新たな超常現象を待ち望むとともに、ローマ教皇庁の今後の動きも注視していきたい。
【参考】
https://www.bbc.com/news/articles/cekl9jd883yo
ASIOS『UFO事件クロニクル』
『MYSTIC』1953年11月号
C・G・ユング『空飛ぶ円盤』
比嘉光太郎
「未確認の会」主宰。第2回日本ホラー映画大賞豆魚雷賞『絶叫する家』などオカルト、ホラーの研究、実践制作で活動する。
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