『君たちはどう生きるか』のアオサギから古代エジプト神「ベンヌ」を読む! その正体は冥界への案内人だ!/羽仁礼
話題の映画『君たちはどう生きるか』に登場する重要キャラクターは、なぜアオサギだったのか? 背景にある深い意味と歴史について徹底考察!
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1996年に発売された漫画『私が見た未来』。東日本大震災の日を的中させたとして、インターネットの世界では大きな話題となった。その作者であるたつき諒氏が、20年の沈黙を破り、自らの予言や予知夢について解説。はたして「富士山大噴火」予言の真相とは?
『私が見た未来 完全版』(飛鳥新社より発売中)
東日本大震災を予言したとして話題沸騰するも、絶版のために「幻の書」とされたたつき諒氏の単行本が復刻! 本大震災を予言したとして話題沸騰するも、絶版のために「幻の書」とされたたつき諒氏の単行本が復刻!
今回は漫画本編のほかに「夢日記」の内容を初公開。なぜ表紙に「大災害は2011年3月」と描いたのか、「富士山大噴火」の夢は何を意味するのかなど、漫画には描かれなかった「真実」が本人の言葉で解説される。
さらに、インド旅行での不思議体験を追加するなど、まさに待望の「完全版」となっている。http://www.asukashinsha.co.jp/bookinfo/9784864108515.php
目次
本誌488号の記事「漫画家『たつき諒』が富士山噴火を警告!!」という記事をご記憶だろうか。1970年代から1990年代にかけて活躍していた漫画家のたつき諒氏が見た予知夢について取材し、富士山噴火の可能性を具体的に語ってもらったものだ。
記事は多くの反響があったのだが、なんとその直後に驚愕の事実が判明する。取材に応えたのはまったくの別の人物、いわゆる「なりすまし」だったことがわかったのだ。これについて本誌はウェブ上で謝罪文を掲載したが、それから事態は急展開し、急遽「本物の」たつき氏にインタビューすることに成功したのである。
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だがその前に、改めてたつき諒氏の経歴を簡単に紹介しておこう。たつき(竜樹)諒氏は1975年、月刊「プリンセス」において、「郷ひろみ物語」でデビューした。
当時は原作付きが多かったが、増刊「プリンセス」でラブコメや歴史ロマン作品を発表後、好きなロックミュージックを題材にするなど、次々と少女系の漫画を描いていく。1990年前後からは一転して怪談やミステリー、心霊体験談などを中心に描くようになり、1998年に「引退」をした。
ペンを置いた理由は単純に、漫画の中心であるストーリー作りに限界を感じてしまったからだという。
本稿で紹介する予知夢について描いた短編「私が見た未来」は、そうした作家としての迷いのなか、「晩年期」の作品となったわけだが、「これで最後だからという思いで描いた」記憶があるということだ。
「あまり、大ごとにはしないでくださいね」
取材当日、筆者の前に現れたたつき氏は、おだやかな口調でそういった。
たつき氏が富士山噴火を予言しているとインターネットで話題になったのは、1999年に朝日ソノラマ(現在は存在しない)から出版された『私が見た未来』という単行本がきっかけだった。1980年代から90年代にかけてたつき氏が描いた怪談やミステリーをまとめた短編集である。
そのなかの一作が「私が見た未来」だった(1996年「ほんとにあった怖い話」9月号掲載/朝日ソノラマ)。
実際のところ、作品自体は26ページにすぎない。また、彼女が見た複数の予知夢について描かれてはいるが、それは変死体が上がった場所であり、イギリスのロックバンド、クイーンのヴォーカリスト、フレディ・マキュリーの死であり、まだ起こっていない大津波の夢がメインだった。
ネット、噂や本誌の記事では2021年8月の富士山噴火が話題となっていたが、それについてはひと言も触れられていないのだ。
ちなみに同単行本にはもう一作、予知夢について描いた「夢のメッセージ」という作品も掲載されているが、こちらも同様だ。
ではなぜ、富士山噴火が話題になったのか。
理由は単行本のために書き下ろされたカバーイラストにある。そこに再現されたいくつかの夢日記のなかに、富士山噴火の絵が含まれていたのだ。
それだけではない。別に「大災害は2011年3月」と書かれたものもあり、まさに東日本大震災を的中させたと噂になった。
しかもご本人が1990年代を限りに絶筆状態であることと、本が絶版になっているということで、興味はさらに膨らんだ。インターネットでは『私の見た未来』に10万円を超える値がつけられ、テレビや週刊誌など、複数のメディアでも取りあげられるようになったのである。
そんななか、ついにこの秋、飛鳥新社から話題の本『私の見た未来』の完全版が復刻されることになった。こうした経緯を経てたつき氏は、20年ぶりにマスコミに登場したのだ。
まず聞きたかったのは、ご本人の著書がテレビや雑誌で大きな話題になっていたことについて、どう感じていたのかということ。それに対する答えは意外なものだった。
「偽者がいるというのは、姪っ子が教えてくれたので知っていました。でも私、インターネットはやっていないので、いまだにピンときていないんです。見ていないものは存在しない、そういう感覚です。
だから記事を見て思ったのは、私はこんないい方はしないし、そんな夢は見ていないって指摘してあげたい……そんなことばかりでした(笑)」
では、富士山の噴火についてはどうなのか。
「富士山の噴火を予言した、ということが話題になっていましたが、それはあくまでも象徴的なもので、大規模な災害は起こらないと思っています。
夢診断によると、噴火の夢が意味するのは世界恐慌やパンデミックなどです。だからこれはきっと、今回の新型コロナウイルスの世界的流行、パンデミックについて注意を促すための夢だったのではないかと考えています。
もちろん富士山は火山ですから、絶対に噴火しない、ということはありません。でも、たとえば東京が壊滅するような大噴火は、まだまだ起こらないのではないでしょうか」
実はたつき氏は、富士山の夢を計3回、見ているのだという。
「カバーに描いた噴火する富士山が最初ですが、その後も2回、見ています。
2002年5月21日の夢では、綺麗な梅畑がある場所にホームステイをしていて、そこからきれいな富士山が見えていました。
3回目の夢では、セスナ機に乗って富士山の火口を真上から見ました。
ですから、富士山そのものが噴火するということではないのでしょう」
ここでたつき氏の未来予知、夢について説明しておこう。
たつき氏は、気になった夢、印象深かった夢をメモ書きにしている。それが漫画のもとになった「夢日記」だ。ではこの夢日記、いつごろから始めたのだろう。
「きちんとした形で残しはじめたのは1985年からです。
病院で働いていた母が、印刷会社の方が入院されたとき、表紙と束本(表紙だけが完成していて、ページは真っ白な本)をいただいたんです。
私に『使う?』というので、じゃあ夢日記にしよう、と」
おそらく読者も、たつき氏と同じように夢日記をつけようとしたことがあるのではないだろうか。だが、実践するとなるとこれが、意外と難しい。
「確かに、夢はだれでも見るけれど、ほとんどの人はその場で忘れてしまうものだと思います。
私の場合、ものすごく印象的な夢を見ると、目が覚めても忘れない。むしろはっきりと記憶に残るものがいくつもあって……もしかするとそこに何か意味があるのかもしれない、未来の自分に関係があるのかもしれないと考えて、少しずつメモを取るようになったんです。
ただ、メモだとバラバラになってしまうので、きちんと一冊の日記帳にまとめようとしたのが、1985年でした。津波の夢にしても、たぶん10代のころにはもう見ていたのだと思います。でもメモなので日付も書いてないし、正直なところあまりよく覚えてはいません」
プロの漫画家になったたつき氏はやがて、この夢が漫画のアイディアに活いかせないかと考えた。それが「私が見た未来」へとつながっていったのだ。
「いまも分厚い夢日記が2冊、私のてもとにあります。たくさんの夢が記録されていますが、でも個人的な夢ばかりです。締め切りが近いのにアイディアが浮かばず、編集さんから電話がかかってくるとか(笑)」
たつき氏は「自分には霊感はない」と、はっきりいう。
だが9歳のとき、風邪をこじらせた布団のなかで、不思議な「存在」と出会っている。
なぜ、私は私なのか、なぜ宇宙の星々のなかで地球に生まれて、この体でなければならなかったのか、そんなことを考えているうちに、突然、「宇宙の視線」を感じたというのだ。
「宇宙空間にほど近い雲の上に、笑顔の老人が座って私を見ていました。サンタクローズのような風貌で、白髪、白くて長いひげ。身にまとっている布も真っ白なその人は、笑顔でした。
もしも神様がいるとしたら、こんな感じの人なのかも……そう思った瞬間、懐かしい感情とともに、涙があふれてきたのです」
いまではその「老人」は、「神様」と呼ばれる存在だったのではないかと感じているという。
そんなたつき氏にとって、大きなターニングポイントとなった出来事がある。1998年のインド旅行だ。
「インドへ行ったことは、私にとって大きな転換点になりました。覚醒したという感じです」
時代は世紀末を迎え、ノストラダムスの予言が人々の関心を集めていた時期だ。そしてたつき氏は、この旅で大きな成果を得た。それは──。
「サイババとの『再会』です」
1993年から翌94年にかけて、作家・インド医学研究者の青山圭秀氏の著作『理性のゆらぎ』『アガスティアの葉『真実のサイババ』が次々と刊行され、それまであまり知られていなかったインドの神秘現象の情報が日本でも広まっていった。
ちなみに「アガスティア」はインドの最高神シヴァから予言能力を授けられたとされる聖者で、彼が未来のすべての人間の運命について書き残したとされているのが「アガスティアの葉」と呼ばれているものだ。
そして同時期、インドの聖者サイババもまた、しばしばメディアで取り上げられるようになった。
彼は連日のように群衆の前で奇跡を起こし、「私は神の化身である。あなた方も同様に神の化身なのだ。私はそれを知っているが、あなた方はそれに気づいていないだけだ」と説いた。
たつき氏はそのサイババの姿をテレビで目にして、驚いたのだという。
「テレビで紹介されたサイババ、彼が私の夢に出てきていたからです。どうして知らない人が夢に出てくるのだろうと不思議に思っていたら、その人がテレビに映っていた。
だからとりあえず、会いにいってみよう、と。でもそれも深刻な感じではなくて、漫画のネタになるかもしれない、行けば何かがあるかもしれないという好奇心からでしたが(笑)」
「インドに行ってわかったのは、私が前世でサイババの娘だったということです」
突然、衝撃的な言葉がたつき氏の口から飛びだしてきた。驚く筆者に彼女は、さらに言葉を重ねる。
「ダルシャンという、サイババのもとに人々が集まる場所に行ったときのことです。私はサイババから『声をかけられ』ました。
『I know』─『知っている』とはっきり聞こえたのです。だいぶ後になってから、あれは声ではなかったかもしれない、頭のなかに直接、声が届けられたのかもしれないと思うようになりましたが……。
サイババのインタビュールームの前に座ったとき、私は記憶喪失の人が過去を思いだすような、とても不思議な感覚を覚えていました。なぜ自分は死んだのか、なぜ父親と別れたのか、前世の記憶が見えてきたのです。泣いているサイババの姿もありました。
前世で私の父だったサイババは、イギリスの新聞記者でした。
名前と生年月日も見えたので、メモしてあります。実際にそういう人がいたのかどうか、調べることができればおもしろいと思いました」
たつきに氏によれば、時代は1800年代のことだという。取材のために家族で滞在していたクウェートで、娘だった彼女はマラリアで死んでしまったというのだ。そして父親は、娘が死んでいくのに何もできず、ただ泣いているばかりだった。
「娘はどうなったのだろうと、父の生まれ変わりのサイババもずっと気になっていたようです。
再会というのは、私が前世でサイババの娘だったから、ツアーで再会したという意味です。
夢の中では『久しぶりだといっていましたが、インドでは直接会えたので、『私はあなたを知っている』となったのでしょう」
不思議なことはまだ続く。
明日は日本に帰るという日、彼女はサイババと気功をしているという見知らぬ女性から声をかけられた。彼女は、「サイババがちょっと残っていてくれといっている」というのだ。
半信半疑のまま座って待っていると、やがてどうしようもない睡魔が襲ってきた。
「こんなところで寝たら不謹慎かな、失礼かなと思いながらも我慢ができず、ショールを頭から被って顔を隠してみました。するとどこからか風が吹いてきて、すぐにめくれてしまうのです。ふと見ると、その女性も隣でショールを被っていますが、どういうわけか、彼女のショールはめくれていません」
実はサイババはこのとき会場内を20分ほど、いつも流れているはずの音楽がないまま、静かに歩いていたのだという。そしてその女性はたつき氏に、こんなことをいった。
「顔が見えないからって、あなたのショールだけサイババが風を吹かせて剥がしていったのよ。自分のショールも落ちるかなと思ったけど、そうはならなかった」
さて──最後になるが、たつき氏の頭にはいま、ある数字が浮かんでいる。2001年の1月1日に見たある大災害の夢で、日付まではっきりと覚えているのだという。
それは2025年7月──。
そのとき、日本列島を含む世界は大激震に襲われるのではないか、とたつき氏はいう。そして未来は、大きく変わっていくのだ、と。
はたしてそのときに何が起こるというのか?残念ながら紙幅が尽きたようだ。詳細は『私が見た未来 完全版』でご確認いただきたい。
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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