<体験談>「黒澤さん?」知りようのない過去の私を彼女はなぜ認識できたのか?
◆黒澤珠美 愛知県
数年前、私は放課後等デイサービスに就職しました。具体的には障碍のある子どもたちのためのデイサービスです。
ある日、外国籍のスタッフの女性が話しかけてきました。
「あなた、以前、Bで働いていなかった?」
Bというのは同じ市内にある老人施設のことで、確かにかつて私はそこで働いていました。
「私も以前、働いていたの。知らないかもしれないけれど」
彼女のいうとおり、私は彼女のことを知りませんでした。
「あなたがここに来る少し前、『近々、黒澤さんという人がスタッフに加わることになりました』と、ここの社長が発表したの。私、それを聞いてピンときたわ。黒澤さんってBにいたあの人のことかなってね」
顔は笑っていましたが、私の心の中は裏腹でした。なぜならBに勤めていた当時、私の苗字は"黒澤"ではなく旧姓の"N"でした。改姓したのは現在の夫と結婚したからであり、Bで働いていた当時、私は夫と出会ってさえいませんでした。
彼女はなぜ私のことを「黒澤」と認識していたのでしょう。
(本投稿は月刊『ムー』2026年07月号より転載したものです)
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