<体験談>同じ女性が背後にピタリと憑いている……数年におよぶ憑りつかれ事例を目撃
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かつて勤めていた会社で体験した話です。
ある日、10歳年上で違う部署の男性Aさんが私の働く部署に来ました。その瞬間、Aさんの後ろにだれかがいるように感じてしまったのです。ひとりで来ていたので、Aさんの後ろにだれかがいるはずなどありません。しかし人の気配がします。
具体的には、身動きすることなくジーッとこちらを見ているような視線を感じるのです。やがてAさんが部屋から出ていったのですが、それと同時にさっきまで感じていた気配がなくなりました。
“気のせいだったのかな?”ーーそう思い、仕事を続けました。
次の日のことです。食堂でAさんを見かけたのですが、Aさんの後ろにぼんやりと黒い人影が見えます。目の錯覚かなと思ったのですか、何度見ても黒い人影があります。そのとき、なんとなく、“あの黒い人影は女性だな”と、直感が働きました。
Aさんが席を立ち、食堂を出ていくと、その黒い人影もぴったり寄りそって出ていきました。
“何かがAさんに憑ついている”ーーそうとしか思えません。
私がその会社に勤めはじめて1か月がたったころのこと、会社の飲み会がありました。あるお店の2階を借りきっての飲み会です。
私は同僚といっしょにその店に向かい、席に座って飲み会が始まるのを待ちながら話をしていました。
そのとき、私の目の前をAさんが通りすぎていきました。
やはりというか、Aさんの真後ろには黒髪でロングヘアのほっそりとした色白の女性が歩いてついていきます。
“会社では見かけたことのない女性だな。だれだろう”
そう思いながら目で追っていると、その女性の膝から下が半透明なことに気がつきました。
驚いて固まっていると、同僚に「どうしたの?」と、心配されてしまいました。
ロングヘアの女性から目を離すとともに同僚のほうを向き、「なんでもないよ」と、とっさに答えました。
しばらくしてからAさんを見ると、女性の姿はなく、代わりにいつもの黒い人影がありました。
“ロングヘアの女性は、いつもAさんに憑いている黒い人影と同一人物なのかもしれない”ーーそんなふうに思いました。
飲み会から約半年後のことです。
私が部署を変わったせいか、Aさんを見かけることはなくなりました。
やがてAさんは退職。そのため本人はもちろんのこと、ロングヘアの女性も黒い人影も見ることはなくなりました。
Aさんが会社を辞めて3〜4年ほどがたったころのことです。
ある日の休日、私が買いものに行った際、お店の駐車場で、偶然、Aさんを見かけました。彼も私に気づいたらしくこちらを見ています。
Aさんの隣には会社の飲み会のときに見かけたあの女性が立っていて、Aさんのことをジーッと見ています。そして、やはり膝から下が半透明で目にすることができません。
まだあの女性はAさんに憑いているのか……。怖くなった私はすぐ目を逸らし、その場を去りました。
今もAさんが元気でいてくれればいいなと、願うばかりです。
◆高野ゆずゆ/岩手県花巻市
(本投稿は月刊『ムー』2025年12月号より転載したものです)
〈編集部より〉
数年以上も特定の霊に憑かれているような。ご本人が元気そうなら、守護霊というかいい存在なのかも。
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