〈体験談〉安芸の宮島で体験した謎の腹痛の思い出では?
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◆珠美
中学2年の修学旅行で安芸の宮島を訪れたときの出来事です。
船に乗り、宮島の赤い大鳥居がどんどん近づいてきました。私はこの海に浮かぶ大鳥居を見るのを楽しみにしていたのです。
やがて船は宮島の港に着岸。
下船し、宮島に一歩足を踏み入れた時、突然、下腹に激痛が走りました。でも、すぐ治ると考え、皆と一緒に歩きます。
しかしすぐ治るどころか腹痛はひどくなる一方。私の腸は何か強い力で引っ張られているみたいにどんどん痛くなります。
とうとう私は体をふたつ折りにし、その場にしゃがみ込んでしまいました。
異変に気づいた親友のヨネちゃんが心配そうに「先生呼んでこようか?」といいました。
「大丈夫」と私は答えますが、まったく大丈夫ではありません。
どうにかこうにか立ち上がり、体を曲げたまま歩きました。
ヨネちゃんは私を連れて港の方へ戻りはじめました。ゆっくり休んだ方がよいというのです。私は彼女に感謝しつつ歯を食いしばりながら歩きました。
ヨネちゃんに付き添われ、悪夢の中を歩くようにしてようやく港に辿り着きました。腹痛が治る気配はまったくありません。それどころか痛みはますます強まる一方なのです。
それから30分ほど経ったでしょうか。皆が少しずつ港に戻ってきました。ヨネちゃんはいち早く戻ってきた社会科の先生に私のことを話してくれました。
しばらくするとすべての子供たちや先生が港に戻ってきて、船も再び入港しました。
私たちは乗船します。そして船が動き出します。その間もずっと痛みと戦っていました。もう気を失う寸前でした。
ところが、船がゆっくり動きはじめたとき、信じられないような奇跡が起こったのです。
船が宮島から離れるほど、凄まじかった腹痛が弱まったのです。私は元気よく立ち上がり、ヨネちゃんに「治ったよ!」と笑顔でいいました。あんなに嬉しかったことはありません。
本土に戻っても腹痛がぶり返すことなく、私は元気いっぱいに修学旅行を満喫。
恐らく私は宮島とは何かが合わなかったのだと思います。それが何なのかはわかりません。
周知のとおり、厳島神社は平家との縁の深い神社ですが、私は何かの理由で宮島、厳島神社に嫌われている、そんな気がしてならないのです。
(本投稿は月刊『ムー』2025年9月号より転載したものです)
〈編集部より〉
土地との相性の良し悪しもあるといいます。なにか極端に合わないものがあったのかもしれませんね。
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