<体験談>集合写真に写る謎の男子生徒いったい彼は何者だったのか
関連キーワード:
◆櫻山亜紀/神奈川県
20年前のこと、私はキリスト教系の私立の中学校に勤めていました。
この学校では、中学2年生を対象に林間学校が行われています。開催場所は長野の軽井沢です。
教会が併設された宿泊施設で飯ごう炊さんやオリエンテーリングを行い、自然と触れあうのが目的です。
なお、だれにもいえませんでしたが、施設の建物全体の薄暗さや、キリストの肖像画がかかった厳かな雰囲気は、なんとも無気味でした。
ちなみにこの施設はとっくに閉業し、今は建物すらありません。
林間学校では、私ともうひとりの先生がペアとなり、生徒が宿泊する部屋を見てまわりました。その際、部屋ごとに集合写真を撮ります。
問題なくその仕事を終え、林間学校は終了。つまり不思議な体験は、林間学校開催中には起きていません。問題が発覚したのは学校に戻ってからです。
20年前もデジタルカメラはありましたが、現在のようにデータを配信するような時代ではありません。
パソコンのモニターを見ながら私とペアとなったもうひとりの先生とで、部屋ごとに写真の焼き増しの枚数を数えていたときのことです。
写真に写っている生徒の数を数えながら焼き増しする枚数を数えていたのですが、どうしても参加者の数より写真の枚数が多くなります。
何かミスが生じたのだろうと思い、今度は宿泊部屋の名簿を見ながら確実に焼き増しする人数を確定していきました。するとひと部屋だけ名簿の人数より写真に写る人の数が多い写真があります。
男子の5人部屋に、生徒が6人います。見れば前後二列に並んでいる後ろの左端に見なれない少年の姿が!?
鮮明に写っているのは肩までで、片手でピースをしています。
不思議に思い、自分たち以外の先生にも見てもらいました。するとだれひとりその少年を知っている人はいませんでした。
失敗やブレたときのために写真は各部屋2枚ずつ撮ってあります。謎の少年はどういうわけかもう1枚には写っていません。
“いたずらか。生徒に担がれたな”
そう思った私は、その部屋の男子全員を職員室に呼びだし、
「集合写真を撮るとき、よその部屋のだれかが1枚にだけ飛び入り参加しただろう」
と、尋ねてみました。
「先生、何をいっているんですか?」
生徒たちは不審な表情を浮かべながら口々に答えます。その様子は、とても嘘をいっているようには見えませんでした。
だんだん生徒が怖がりだしたので、
「ごめん、なんでもない。忘れて」
といってごまかし、教室に戻るように促しました。
冷静になり、もう一度、その2枚の写真を見くらべてみたところ、謎の少年が写っている写真には水玉のようなオーブが大量に写っています。もう1枚の写真には、少年もオーブも写っていません。
あとでわかったことですが、前年開催された林間学校で、夜中、勘のいい女子生徒が、
「知らない人が部屋の中にいる!」
と、叫んで泣きわめく事件があったそうです。その部屋こそ、今回、問題の写真を撮影した部屋でした。
あの少年はいったい何者だったのでしょうか。
<編集部より>
写真が見たかったです…!
※ あなたのミステリー体験、ご当地の不思議情報などはこちらからお送りください。