<体験談>かつて戦や病院で亡くなった人の霊が、今もこの学校に!?
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◆村田大輔/静岡市
私が、以前勤めていた小学校で起きた不思議な出来事です。
この小学校は、かつて古戦場であり、戦前・戦中は隔離病棟がある病院だった土地に建てられたそうです。学校行事で、毎年、キャンプに行くのですが、その年は宿泊先のキャンプ場が満杯で、予約が取れませんでした。だからといって行事を中止にするわけにはいきません。
結果、先生も生徒も、学校で寝泊まりすることになりました。寝袋を使い、いつも学校生活を送っている教室で寝泊まりするのです。
キャンプの夜の定番といえば肝試し。いつの時代も変わりありません。
キャンプ当日の夜、子供たちは、
「トイレの花子さんを捜す!」
「口裂け女が出る!」
など、昭和の怪談話で盛りあがり、大はしゃぎしています。
先生たちはといえば、肝試しのお化け役に扮するため、衣装を身につけ準備します。衣装といっても、顔にお面をつけたり、白い布を被る程度の簡単なものですが。
この学校の校舎は4階建ての北校舎と3階建ての南校舎に分かれています。そのうち肝試し会場となるのは北校舎です。1階からスタートし、4階の子供たちが寝る教室がゴールとなります。
いよいよ肝試しが始まりました。子供たちは数人のグループに分かれて、順番にスタートします。
歩きすすむ途中の箇所でお化けに扮した先生が子供たちを脅かすのですが、最近の子供は、子供だましのお化けの格好程度では驚いてくれません。
「○○先生だ!」
と、すぐにわかってしまいます。
ところが、どうにも不思議な現象が起こったようです。これは、子供たちから聞いた話です。
廊下を横切ってトイレに入る大人がいたので、すぐに追いかけてみたもののトイレの中にだれもいなかったというのです。先生なら脅かしてくるはずなのに、おかしいなと、不思議に思ったといっていました。
ほかに、こんなこともありました。
4階の教室の窓の正面に3階建ての南校舎があります。その屋上に、お面をつけ、全身に白い布を被っている先生の姿を見たというのです。 怖がらせようとしている様子があまりにもあからさまなため、その姿を目にしても、子供たちは全然怖がりません。
ところがです。次第にその先生の周囲に、白い煙のようなものでできた謎の物体が数体、ゆらゆらと漂いはじめました。やがてその物体は先生の体の中にスーッと吸いこまれていったのです! !
当然ながら、そんな様子を目にした子供たちは、気味悪がって、タオルや寝袋を頭から被り、ブルブルと震えていました。
肝試し終了後、3階建ての南校舎の屋上にいた先生に話を聞いてみましたが、自分の周囲に白い謎の物体が漂っていたことには、まったく気づいていませんでした。
しかし、どういうわけかその先生は、その後、体調を崩し、しばらくの間、学校を休んでしまいました。
古戦場や隔離病棟で亡くなった人たちの霊が、ひょっとするとまだこの地をさまよいつづけているのでしょうか?
これらの不思議な出来事がきっかけというわけではありませんが、翌年以降は例年どおり、キャンプ場に泊まる行事に戻りました。
(本投稿は月刊『ムー』2025年6月号より転載したものです)
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