<体験談>持ち運に恵まれていると感じる
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◆ロウザ
「雨女」や「晴れ男」など、人によって「なぜかいつもそうなる」という〝持ち運〟ってありますよね。
子供のころからクジ運がよいとか、人間関係に恵まれるとか。
私の場合は、道先案内人に恵まれて、〝初めての場所でも迷わず行ける〟という持ち運があるようです。
2本の分かれ道でまちがったほうを選んでいたら辿り着けなかったであろうところを、分岐点にて正しい道に導いてくれる人物が、ジャストタイミングで現れるのです。
絶対に遅刻できない、オーディションの日。道の分岐点の、椅子ではないただの四角いコンクリートに腰掛けてタバコを吸っている、仙人のような見た目のお爺さんがいました。
主催者側から送られた地図を見せたところ、
「皆、間違えてこっちの道行くんだけど、20分以上かかっちゃうんだよね。こっち(反対側)なら、2〜3分で着くのに」 と教えてくださり、ギリギリ間に合いました。らないような、しかもちょうど分かれ道のところに座っていたのが不思議で、本当に仙人なんじゃないかと思ったくらいです。
そして、初めてのレッスンの日。教室の地図に、周辺の目印になるものが描かれておらず、まったく検討がつきません。
土地勘がありそうな古めかしいお店の方に聞いても、わからないとのこと。
そこへ若い男性が「どうしたんですか」と声をかけてきて、「今、彼女を送り届けた場所なんで、わかりにくいから一緒に行ってあげますよ」と、私が行くつもりだったのと反対の道に進んだとき、己の方向音痴さに恐怖を覚えました。
あの男性に会えていなければ、その日のレッスンは受けられていなかったはず。彼女さんが私と同じクラスのレッスン生という偶然。そして、彼氏さんが分岐点まで戻ってきた絶妙のタイミング。
こういった奇跡が重なると、やはり「運」に恵まれたのだと感じざるを得ません。
(本投稿は月刊『ムー』2025年2月号より転載したものです)
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