「能登の猿鬼」は海洋民族だった!? 古代鬼戦争の記憶を紐解く現地紀行
能登半島に広く伝承される、鬼とも猿ともつかない異形の怪物「猿鬼」の伝説。神々に背き退治されたという強力な怪物の物語が生まれた背景には、日本海をこえて渡ってきた古代海洋民族の存在が、そして人間同士の交流
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「ムー」誌上で最長の連載「ちょっと不思議な話」をウェブでもご紹介。今回は2026年1月号、第501回目の内容です。
メキシコ・モンクローバの警察は、市内の広場で白昼に恐喝を働いたカルロス・ナバレッテを、その場で現行犯逮捕した。
だが、その恐喝手段がなんとも奇妙でふざけたものだった――
ナバレッテはナイフを持たせた〝チャッキー人形〟を被害者の体に押しつけて、金品を脅し取ろうとしたのだ!
チャッキー人形とは、1988年以降、世界中で大ヒットしたホラー映画『チャイルド・プレイ』シリーズに登場する、凶悪な連続殺人鬼の魂が宿った禍々しくも無気味な人形とされている。
オーストラリアはクイーンズランド州ジンピーで、テニカ・ローザーさんとパートナーのマシュー・ガードナー氏が、生後5か月の赤ちゃんオーシャナと3人でアイスクリームを食べていると、いきなりドカンと大きな物音がした。
「次の瞬間、家の中に灰色の煙が立ち昇って、破片らしいものがあたりにバラバラ降ってきたわ!」
3人が思わず顔を見合わせて、天井を見上げると、ちょうどついさっきまでオーシャナが座っていたベビーチェアの真上あたりに、大きな穴が開き、その下のソファーの上に銀色に輝く長さ5センチ前後の弾丸型の金属塊がめりこんでいた!
「ほんの一瞬でも落下の時間が前にズレていたら、ベビーチェアに座っていたオーシャナは、間違いなく即死してたでしょうね」
弾丸型の金属落下物はおそらく屋外のどこかから飛来して、テニカ&マシュー夫妻宅のトタン屋根を突き抜け、そこでブレーキがかかって、ソファーの上に軟着陸したものと思われる。
夫妻はただちに警察に通報したが、警察も「この案件は当方の管轄ではありません」と迷惑そう。
夫妻も当然ながら、尻の持って行き所に困ってしまった。
「弾丸じゃないのは確かだから、軍に持っていくのは筋違いでしょうね。空中高くから落ちてきたのは確かだから、飛行機かヘリの落とし物かな? あるいはもっと高く、打ち上げロケットの残骸とか宇宙デブリの破片とか――いくら何でも〝異星人の落とし物〟ってことはないだろうし」
もっと地上的で現実的な問題としては、破損したわが家の修理費用が保険でまかなえるかどうか、夫妻は深刻に悩んでいるそうだ。
前年に愛する父を失った悲しみからまだ立ち直れないジェンナ・ハーポールさんは、イースター前の聖月曜日の早朝、英国プリマスにあるわが家の自室の窓から、晴れ渡った青空を眺めているうちにふと、〝十字架上のキリスト〟そっくりの形状をした白雲が浮かんでいることに気がついた。
彼女はそれを、亡父が自分たち母娘を天から見守っている、という〝霊的サイン〟と解釈した。
「私は窓辺に立ったまま、10分ほど眺めていたけど、その間この雲以外のすべての雲はどんどん形を変えて流れていくのに、この象徴的な雲だけは形を変えずにその場に留まりつづけていたわ!」
ジェンナは確信を込めて次のように主張する。
「これまでの人生では、霊的な経験など一度もしたことがなかったけど、これからは教会に行かないといけないわね!」
ウニ採りダイバーのスコット・トンプソンさんが、米カリフォルニア州沿岸の沖合いで、陸地が見えなくなるほど遠くまで沖に出てしまったうえ、つい油断して自分の船から海中に転落してしまった時、はたして自分は生き延びられるのかと不安に打ちのめされた。
ついさっきまで乗っていた船はエンジンがかかったまま、どんどん遠ざかる一方で、とうてい泳ぎ着くのは不可能だったからだ。
その時ふと、逆巻く波のはるか彼方に、石油掘削プラットフォームの姿がちらりと見えた!
(あそこまでなんとか泳ぎ着ければ、命は助かるぞ!)
スコットはそのプラットフォーム目指して、必死に泳いだ。そして泳いでいるうちにふと気がついて愕然とした――
1頭のゼニガタアザラシの成獣が、自分に寄り添うようにいつまでも並行して進んでいる!
そのアザラシがたまたま偶然そこにいるのではないことは、すぐにわかった。
アザラシはスコットのほうをしきりにちらちら振り向きながら、並行泳ぎをしているのだ!
その様子はまるで、スコットにこういって励ましているかのように見えたという。
「頑張れ、おっさん! 目的地はもうすぐそこだよ! 頑張れ、おっさん! 頑張れ、おっさん!」
おかげでスコットは、無事に命を取り止めることができた。
著名人のサイン類だけを専門に取り扱う世界最大級の海外ネットオークションサイト「RRオークションハウス」(本社は米ボストン市)に、米航空宇宙局NASAが突然強引に介入して、ある商品の売買を阻止しようとした。
その商品とは、なんと〝月面の塵40ミリグラム〟に加えて〝ムーンゴキブリ3匹の死骸〟!
その予想販売価格は、驚くなかれ40万ドル(6000万円超)!
〝月面の塵〟は、史上初めて月着陸に成功したアポロ11号の宇宙飛行士が持ち帰った月面サンプル21・3キログラムの一部という。
当初はミネソタ大の昆虫学者マリオン・ブルックス=ウォーレス教授が、NASAの依頼を受けてさまざまな魚類や昆虫類や小動物の餌に混入させ、毒性の有無の調査に使用されるなどした。
オークションにかけられた〝月面の塵〟も、ゴキブリたちに与えられた餌にまず混入され、一度その体を通過して糞中から抽出されたもので、以後ブルックス=ウォーレス教授が破棄せずに保管し、自宅で関係者に公開していた。
だが、NASAは「全アポロ関連資料の所有権は当方にある。速やかに返還せよ」と主張する。
オークションハウス側の対応は冷ややかで、「トラブルは困る。やるならオークション外で、勝手に争ってもらいたい!」だとさ。

南山宏
作家、翻訳家。怪奇現象研究家。「ムー」にて連載「ちょっと不思議な話」「南山宏の綺想科学論」を連載。
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