ナノスキンを自在に操る全知全能の存在「ルドリス」は、マインクラフトからの使者!?／ダンダダン考察ファイル

「ダンダダン」における最上位の存在ルドリス

　第2シーズンも大好評放映中のアニメ「ダンダダン」。その中には数多の宇宙人が登場する。人間をさらって生態研究をしようとするセルポ星人、巨大な身体で相撲を挑んでくるフラッドウッズモンスター、高速パンチを武器にするドーバーデーモンなど。
　しかし、その中でも群を抜いて上位にいるであろう全知全能の存在ルドリスをご存じだろうか。ここではアニメに登場した、その大人気キャラを詳しく解説していく。

綾瀬家に突如舞い降りた全知全能の宇宙人

　アニメ「ダンダダン」の21話にて、オカルンと邪視の激闘の余波で崩壊してしまった綾瀬家。住むところを失い、モモと星子が途方に暮れているとそこに現れたのが妙に身体が角ばった一体の宇宙人。それこそが、ドーバーデーモンに頼まれて綾瀬家の再建をしにきたルドリスだった。

　彼は宇宙人の中では「全知全能」とされる存在で、超高密度のナノマシンで構成されたキューブ状のブロック「ナノスキン」を使ってあらゆる文明や惑星を創造してきた。宇宙中を移動しながら世界創造をし続けているため、出会うこと自体が稀な神秘的存在である。

　ルドリスは、たまたま地球に立ち寄ったタイミングでドーバーデーモンから依頼を受けて綾瀬家に降り立ったものの、モモと星子に侵略宇宙人を間違われて豪快な足蹴りを喰らう。その後、誤解は解けてナノスキンで家の再建を手伝うものの、モモに蹴られたことを根に持ち続け、時折奇声を上げながら障子や窓ガラスを衝動的に破壊したり、建築素材を投げては怒りを表現していた。ちなみにルドリスは「トゥンム」としか発言できず、なにを言っているかはその場の全員が理解できていない。
　前述のナノスキンは使用者のイメージによって自在に変形することが可能で、これより後に綾瀬家は巨大ロボットになったりバイク型移動拠点に変形したりする。想像力次第では無限の力を秘めており、能力に長けた新たな仲間・坂田金太が自在に使いこなすようになっていく。

ブロックで世界を創造する力＝マイクラからの使者か

　ブロックで想像しうるすべての存在を創造する──これはいわずもがな、世界中で人気のゲーム「マインクラフト」をモチーフにしているのに異論はないだろう。ルドリスの容姿もすべてが角ばっていて、マインクラフトに登場するキャラクターとの共通点は多い。
　マインクラフトではオープンワールドを冒険するプレイヤーが原材料を発見し、これを採取。クラフトすることでアイテムを作り出し、家を建てたり道具を制作できるようになる。一方ダンダダンの作中ではブロックを積み上げることで綾瀬家の基礎を作り、欲しいものを想像しながら粘土細工のようにこねくり回すと何でも実現するという夢のような創造体験をしている。まさに無から自分の活動に必要なものを生み出していくマインクラフトの一面を組み入れているのが分かる。

　また、マインクラフトでは火薬やバッテリー技術、太陽光発電といったエネルギーを生成することも可能。それらはRF（レッドストーンフラックス）という動力単位で表現されることも多く、歯車を動かし、巨大な機械を駆動させるためにあらゆる場所で活用されている。ダンダダンのナノスキンはその理論に輪をかけた性能を感じさせる。通信信号を送り合う、ジェットエンジンの生成、ビーム兵器の実現など、まさに使う者の想像力しだいでその可能性は無限に広がる。反面、想像力の乏しいものが手にしてもすぐに限界に達するため無用の長物と化す。まさに使い手を選ぶ禁断の技術といえよう。

　これから後、綾瀬家は想像を絶するほどの大きな争いに巻き込まれていく。そのときに活躍するのが他でもない、ルドリスのもたらしたナノスキンだ。今はまだ「自宅再建に使えてラッキー」程度だが、これから先モモとオカルンはこれがどれだけのオーバーテクノロジーだったかを知ることとなる。

　たしかに、「マインクラフト」はゲームではあるが、教育分野やアート、そして代替現実の舞台としても活用される「マインクラフト」は、現実世界すらブロック（ナノスキン）で構成された構造物である……と示唆しているかのようだ。われわれも、ルドリスのような存在に作られた世界に生きているにすぎない……のかもしれない。