遮光器土偶はサトイモの精霊!竹倉史人氏の「土偶を読むお話会」に参加してみたら…
縄文時代のさまざまな土偶は、食用植物の精霊を表している!? 書籍『土偶を読む』で画期的な説を唱えた竹倉史人氏の話をうかがい、目からウロコの視点を獲得!
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「ムー」本誌の隠れ人気記事、ブックインフォメーションをウェブで公開。編集部が選定した新刊書籍情報をお届けします。
竹倉史人 著
世界に拡がる「土偶」たちの驚くべき正体とは!?
本誌月刊「ムー」2021年8月号の本欄で、竹倉史人氏による『土偶を読む――130年間解かれなかった縄文神話の謎』(晶文社)をご紹介した。
これまで、意味不明なデフォルメを極めた何らかの抽象的な形象と見なされ、その実、何ひとつ解明されていなかったに等しい種々雑多な「土偶」が、実は「きわめて具体的かつ写実性に富むもの」であり、それを通じて縄文人の精神性を精緻に「解読」することができるという事実を白日の下に曝け出した、まさに土偶研究の歴史を根底から塗り替えた珠玉の名著であった。
本書は、そんな名著の続編であり、対象を縄文土偶から全世界の「新石器時代フィギュア」に拡張、その真の意味を解読しようとする野心作。
たとえば、表紙にもなっているコスチェンキ遺跡の石灰岩製のフィギュアは、何と今から3万年前に遡るものだが、どういうわけか「捕縛」された姿で表現されており、これまでその理由や目的はまったく不明であった。
だが本書の「公理X」を適用すれば、これが実に明晰かつ理路整然と解明されてしまうのだ。これを淡々と冷徹に示された際のこちらの知的興奮たるや、ただごとではない。
なお本書は、形式上は前作の続編ではあるが、「相互に独立した内容」となっているため、どちらを先に手に取ってもかまわない。だがどちらかを読んだが最後、両方を入手したい衝動に抗うことは至難となろう。
(月刊ムー 2025年9月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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