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保江邦夫/T社UFO特命係長/H社UFO特命係長 著
空飛ぶ車を作るプロジェクトの特命係長だったふたりと、理論物理学者・保江邦夫との鼎談本
T社とH社。いずれも日本を代表する大企業であり、産業界を牽引する存在である。本書では、大人の事情で一応イニシャル表記となっているが、本文中に「H社の創業者の本田宗一郎」とか、「T社の現会長の豊田章男」などと堂々と名指しされていて、バレバレである。
そんな衆知のH社とT社だが、かつて両社の中に「空飛ぶ車」を、何なら「UFO」を作ってしまおうという、何とも夢のあるプロジェクトが存在したことは、あまり知られていない。
本書は、かつて両社でこのプロジェクトの「特命係長」を務めたふたり、H社の長尾朗氏とT社の西乃慧氏に、本誌でもお馴染みの理論物理学者・保江邦夫氏を加えて、UFOや異星人、両社の企業風土などの話題を語り尽す、何ともゴージャスな鼎談集。
長尾氏は、本田技研研究所でエンジン制御、自動運転、衛星測位などの研究に従事。西乃氏は、その研究人生で、自動車、船舶、小型飛行機などの設計に携わり、「陸・海・空を制覇した」稀有な人物。そして保江氏は、物理学とスピリチュアルの両世界を軽やかに舞う偉人である。
本書によれば、T社の「空飛ぶ車」プロジェクトは、故障率を自動車の1000分の1にするという苛酷な条件がクリアできず、頓挫してしまった。一方、H社では本田宗一郎がUFOを目撃したことをきっかけに、社内に「火の玉研究会」が発足。重力制御の研究も順調に進んでいたが、あるとき、UFOを研究していた日本人が、アメリカで射殺されるという事態が勃発。それをきっかけに、同社は、UFO研究からは手を引くようになったという。等々、まさに知られざる生々しい秘話が満載されている。
さらに、話はグノーシス派から、地球人と異星人のレベルの違い、車の運転によって悟りが開けるなど、まさに縦横無尽に展開する。
鼎談のライブ感も満点で、何とこの鼎談の最中に、突如として保江氏が能力に開眼、西乃氏のオーラがリアルタイムで見えるようになる緊迫の展開は、並の対談・鼎談本を軽く凌駕している。しかも西乃氏が何か「いいこと」をいうたびに、そのオーラは光明を増すのである。
とはいうものの、評者としては、むしろ保江氏がこれまでその種の能力を発動したことがなかった、ということのほうが驚きではあった。
(月刊ムー 2025年2月号掲載)
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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