「最終結論 皇都ヤマトは阿波だった」/ムー民のためのブックガイド
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伊庭佳代 著
剣山アーク説をはじめとする、阿波・徳島にまつわるスピリチュアルな話
「アークは四国剣山にある」、という仮説を提唱した、聖書研究家の高根正教は、昭和11年から私財を投じて剣山の発掘調査に当たり、山頂付近の巨大な地下空間や鏡石、大理石製のピラミッドなどを発見。アークそのものは出てこなかったが、剣山山頂が、人工的に加工されたものであることを証明した。
アークとは、エルサレム第1神殿が破壊された際に持ち出された「聖櫃」であり、中には3つの神器が納められている。
これがないと、イスラエル民族の悲願である、第3神殿の建立が不可能であるため、元駐日イスラエル大使エリ・コーヘン氏をはじめとする「誇り高きレビ族の末裔の人たち」は、その探索に血眼になっているという。
本書は、この剣山アーク説をはじめとする「邪馬台国=阿波説」「阿波古事記」の真相など、多くの論者が、阿波・徳島にまつわるスピリチュアルな話を、縦横に語る痛快な本。
多くの話者をまとめる、著者の伊庭佳代氏は「阿波歴史まほろば探求家」。YouTubeチャンネル「ソロモンクロニクル」などで、「四国・阿波の知られざる歴史と魅力を発信」している。
氏が委員長を務める「まちづくり委員会」の主催するシンポジウムでは、本誌編集長・三上丈晴氏が基調講演を行なったという。
それにしても、第6章に登場する山伏の古市政春氏によるアークの正体、それに、その現在の隠し場所に関する情報の曝露には啞然とした。何といっても、それが隠されている理由は、第3神殿建立を阻止するためだというのだ。つまりある意味、一冊の本の中で、アークを巡る一種の戦争が起きているのである。
なお、本書冒頭には、徳島県知事である後藤田正純氏による推薦文が掲げられている。
曰く、阿波・徳島には「邪馬台国や古事記伝承、アーク伝説が残る剣山などさまざまなスピリチュアルスポットが点在」しており、これを詳細に論じた本書は「八百万の神々を感じられる古代ヤマトのルーツも遡れば阿波・徳島にあると感じられる作品」であるという。
徳島県知事がそこまで絶賛するほど、ロマンあふれる素敵な内容となっている。
本書を一読すると、早速その足で四国を訪ね、そのスピリチュアルな雰囲気を存分に味わってみたくなる。本書の狙いのひとつが、まさにそこにあるのは明白だ。
(月刊ムー 2024年12月号掲載)
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