人類の未来が絶滅だと示す「Universe25実験」とは/真実の目『宇宙奇譚集』プレビュー その7
この世界は、私たちが想像可能な領域を遥かに超えて複雑、かつ不確かに、そして、〝かなり興味深く〟成立しています。そのような奥深い世界を覗き込むために、サイエンスからオカルト、都市伝説まで縦横無尽に横断す
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すべて著者3人の、個人的な所有物‼ 人間の呪詛と怨念の込められた「呪物」を紹介。
まともな精神の持ち主ならば、できれば見ない方がよい、むしろ見てはならないというものが、この世にはある。まさに本書がそれである。
書架に置くだけでおぞましい妖気が漂い、ついうっかり中身を見てしまったりした日には、それだけで精神に異常をきたしてしまうかもしれない。こんな本、ただ持っているだけで、何かに呪われそうな気すらする。触らぬ神に祟りなし、である。
さて、警告はした。それでもなお見てみたい、と思われる奇特な方は、たぶん本書の3人の著者たちと波長が合うのであろう。本書は、人間の呪詛と怨念の込められた「呪物」の数々を、迫力満点の写真で紹介する、オカルトとフェティシズムの奇怪な結合である。
それも、ただ単に日本や世界各地の呪物の写真を撮ってきました、というだけのものではない。何と本書に登場する呪物は、いずれも3人の著者の、個人的な所有物なのだ――つまり著者らは、他に類を見ない「呪物蒐集家」なのである!
のっけから全身に釘を打ち込まれた禍々しくも痛ましい人形が紹介され、もうこの時点で心が折れる。だがそんなものはまだまだ序の口。その後も「可愛がった者が死ぬ人形」だの、「惨殺された持ち主の怨念がこもる人形」だの、人形関係は特にダイレクトに心をえぐってくる。
第2章は、怨念の「呪具」。丑の刻参りの釘だの、人骨製のナイフだの、首刈り族の生首置きだの、不気味な器具が満載。
第3章・死の「呪物」では、持っているだけで不幸になる因業なアイテムの数々が紹介される。
当然ながら、こんなものばかり蒐集している著者らの身に何も起きないはずはない。実際、彼らは、呪いの絵に生命力を吸い取られ、鬱になって7㎏も痩せたとか、家が燃えたとか、金縛りに襲われたとか、散々な目に遭っている。
それでも彼らが呪物の蒐集を辞めないのは、呪物に対する「異常な愛情」のゆえである。彼らは呪物を「かわいがり」、呪物に「激励」されているというのだ。
繰り返しになるが、裏表紙にも書かれているように、たとえ写真とはいえ、本書の呪物は「強力なパワーを有している可能性がある」。閲覧は、あくまでも自己責任ということでお願いしたい。
記紀の底本・ホツマツタヱより、古代史の謎を解く
「ホツマツタヱ」とは、本誌の読者にとっては、いまさら説明の必要もないだろうが、いわゆる「古史古伝」のひとつであり、「ヲシテ文字」と呼ばれる、特殊な文字で記されている。
無論、学術的には捏造として一蹴されているが、これを真正な古代文字で記された超古代史の記録とする見方は根強くある。当然、本書のふたりの著者もそうした立場である。
著者の長堀優氏は、医師であり、現在は一般財団法人・育成会横浜病院院長。もうひとりの著者、いときょう氏は、会社経営の傍らホツマツタヱの研究に勤しむ研究家である。
長堀氏は、縄文時代にすでに文字や国家が存在していたと推定し、また、いと氏はホツマツタヱに基づいて、日本の建国を紀元前11738年と計算する。その後、1万年にわたって平和な時代が続いたというから話は壮大である。
そんな著者ふたりの対談では、超古代史から量子論、そして知られざる日本の裏面史から著者自身の前世まで、縦横無尽に話が飛び交うから、読者もうかうかしてはいられない。
だが何といっても本書全体を通じて叫ばれている主張は、現代日本人はホツマツタヱが伝える建国の精神に立ち返り、民族の魂、真実の歴史を取り戻さねばならないということだ。日本人が純粋な愛国心を持つための原動力、それこそが「我が民族の真実を確認できる神話そのもの」であるホツマツタヱに他ならないのだから。
「全脳的な生き方」の習得を推奨
著者のジル・ボルト・テイラーは、神経解剖学者として活動していたが、37歳の時、突如脳出血に襲われ、脳の左半球の機能を完全に喪失してしまった。右脳だけの存在となった彼女は、言語と「個」の意識も無くなり、自分が宇宙と一体化したような多幸感を感じたという。
8年にもおよぶ懸命のリハビリの末、ようやく脳の機能を取り戻した彼女は、この間の体験を記した書物を執筆。『奇跡の脳――脳科学者の脳が壊れたとき』と題されたこの体験記は、世界的な大ベストセラーとなった。
本書は、そんな彼女の2冊目の著書である。テーマは表題通り、幸福になるための「脳の動かし方」。
著者によれば、人間の脳にはそれぞれ独立した「4つのキャラ」とも言うべき解剖学的部位がある。そのそれぞれについて詳説する紙幅はここにはないが、心が葛藤しているときは、これらのキャラ同士が対立しているのだという。
そこで著者が提唱するのが、英題の「WHOLE BRAIN」。すなわち、全脳的な生き方である。これによって4つのキャラは「健全なチームとして、集団で機能する」ようになる。
それだけではない。習熟すれば、この4つのキャラの間を自在に行き来し、最終的には心理学者ユングのいう「個性化の過程」を成し遂げることができるようだ。となれば、本書はある意味、「魔術の奥義書」のようなもの。熟読をおすすめする。
「よかった/ありがとう」と呼吸すれば願いが叶う
息を吸いながら「よかった」と思い、息を吐きながら「ありがとう」と思う。たったこれだけで、脳からはドーパミンが放出され、気持ちが明るくなり、睡眠が深まり、発想力が向上し、慢性疾患も解消され、願いが叶う。
そんな馬鹿な、と思われるかもしれないが、本書の著者は脳波の解析によってこの現象、というかテクニックのメカニズムを解き明かしてしまった。
それどころか、この呼吸法を駆使して、何とあの松下幸之助氏の不眠を治したり、余命6ヶ月と告げられた自身の癌も、克服したりしているのである。
著者によれば、この呼吸法を行なっているとき、人間の脳は周波数7.8ヘルツの脳波を出している。そしてこの周波数は、地球の生命の根源である、バンアレン帯と共鳴するものであるというのだ。
普段から、就寝前にこの呼吸法を実践し、言わば「条件反射化」しておけば、いざ何らかのトラブルに遭遇した時や、ここ一番の勝負時などに即座にドーパミンを放出、バンアレン帯と共鳴して、最高のコンディションで問題に対処することができるという。となれば、もうこれはやってみない手はない。
著者の志賀一雅氏は工学博士で、以前本欄でも『奇跡の〈地球共鳴波動7.8Hz〉ハーモニクス』という著書をご紹介したことがある。同書共々、本書もぜひ入手して脳を活性化していただきたい。
国際政治の裏情報を明らかにする警世の書
「世界を統べる者」と聞けば、本誌読者なら「世界を裏で牛耳る」悪の秘密結社、などの陰謀論を思い浮かべるかもしれない。だが本書によればそれはお門違いだ。確かに、この世界は「理念を共有したいわゆる特定の人」が統べている。だが彼らは悪の支配者でも何でもなく、実際には「世界の各文明の智慧者の集まり」であるというのだ。
著者のひとりである宮澤信一氏は「国際実務家」。長年にわたって国際機構や国際金融などで、様々な国々との折衝に当たってきた。都市伝説と見なされがちな「フリーメイソン」や「イルミナティ」などにも間近に接してきたというから驚く。
本書は、そんな彼がインフォーマントとして、国際政治の裏情報を明らかにする警世の書。氏の立場上、機密事項も当然あるが、機密ギリギリのところまでの情報は、つぶさに明かされている。これだけでも、多くの日本人にとっては、瞠どう目もくの情報である。
もうひとりの著者・矢作直樹氏は救急医学などを専門とする医師で、東京大学名誉教授。本書は、このふたりの対談形式で展開される。
冷徹な国際政治の裏の真実を淡々と語りながら、時折仰天するようなオカルト的情報がさらりと挟まれるのも本書の魅力。一読すれば、現在の世界情勢を文字通り「俯瞰的」に眺めることができるようになる。
いろいろと先行きの見えないご時世に、一筋の光明が射す想いである。
錬金術と隠秘学の世界を講究する学術書
「魔法の門」とは、17世紀ローマの侯爵マッシミリアーノ・パロンバーラが制作した「西欧錬金術の歴史を通して唯一の造形的建築的遺産」であり、錬金術そのものの立体造形化ともいうべき、稀有なモニュメントである。ローマのヴィットリオ広場にたたずむ、この門の意味と価値に学術研究のメスが入ったのは、ようやく1980年代のことであった。
本書は、複雑な錬金術記号で構成されたこの門の謎の解明を軸として、暗躍する無数の錬金術師や錬金術に魅せられた貴顕たち、そして薔薇十字会など、ローマを舞台に花開いた錬金術と隠秘学の世界を講究する学術書。絢爛たる錬金術絵巻が、読者の眼前に展開され、終始圧倒される。
難読語を適度にちりばめた豊潤な訳文は、読むほどに滋味あふれ、読者の知性と感性を、同時に潤すであろう。翻訳の労を執られた大橋喜之氏は、プロフィールがほとんど記されていないが、専ら隠秘学に関わる難解な文献の翻訳に携わってこられた方。1989年以後ローマ在住というから、素直に憧れる。
原著者のガブリエレ氏とも「ミーノさん」呼びする昵じっ懇こんの仲である。のみならず、何とあの『ポリフィルス狂恋夢』や『逃げるアタランタ』などの翻訳も手がけておられる、といえば、氏がいかほどの碩せき学がくか、わかる人にはただちにおわかりいただけるであろう。決して万人向けではないが、斯道の探求者ならば必ず書架に備えるべき、待望の文献である。
重厚な悪魔論が、カラー図版満載で展開
本書は冒頭で、まず「悪魔の詩学的定義」を提示する。そんなことをイキナリいわれても、何のことかわからないかもしれないが、それは当然。これは本書の著者である、英語学博士エド・サイモンによる造語であり、「人類がその歴史をとおして、この超自然的なもの、悪魔的ななに44か4と関わりあってきた様子を解析する方法のことを指す」。
本書は、このような理念に基づいて、遠く紀元前500年から現在に至るまでの悪魔学の歴史を、総合的に鳥瞰する本格的な研究書である。
標題に「アートからたどる」とあるので、図版中心のカジュアルな内容かと思ってしまうが、そして実際、美しいカラー図版がこれでもかと満載されてはいるのだが、いざ本文に取り組めば、とてもカジュアルどころの話しではない。
大学の一般教養レベル以上の重厚な悪魔論が、延々400ページにわたり、二段組みで展開されるのだ。ちょうどあのJ・B・ラッセルの悪魔論四部作に、豪華なヴィジュアルを付した、というイメージである。
およそ悪魔について、一般人の知りたい情報はすべて網羅しているといっても過言ではない。悪魔に少しでも関心のある方なら、入手しておいて損はない。何しろ著者曰く、本書は「学問の一領域としての悪魔学の幅広い歴史を記した世界初の本」なのだ。内容を考えれば価格も実に良心的。むしろこれを買わずして、いったい何を買うというのか。
星野太朗
書評家、神秘思想研究家。ムーの新刊ガイドを担当する。
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