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ムーと「地球の歩き方」のコラボ『地球の歩き方ムー 異世界の歩き方』から、後世に残したいムー的遺産を紹介!
丸い顔に分厚い唇、左右に広がった低い鼻、そしてどこか眠たげでユーモラスな目……。なぜか胴体はなく、頭だけが巨大な石に彫刻されている。読者にもおなじみの、メキシコのオルメカ巨石人頭像だ。
この奇妙な像を彫ったのはオルメカ人。紀元前1200年ごろから現在のメキシコ湾沿岸に定住し、高度な文明を築いた人々だ。
日本では弥生時代にあたるこの時期、すでに彼らは絵文字や数字を使っていただけでなく、数学的な「ゼロ」の概念も持っていたという。それゆえ、「母なる文明」と呼ばれ、のちのマヤ文明の母体にもなっている。
彼らがどこから来たのか。それはわからない。しかも紀元前200年ごろになると、忽然とその姿を消してしまったのだ。ちなみに「オルメカ」とは、ナワトル語(北アメリカの先住民族の言語)で「ゴムの人」を意味する。それに加えてオルメカ像の顔の特徴から、そのルーツはアフリカ系のゴムの木を栽培する民族だったのではないか、という指摘もある。もちろん、正確なところは不明だ。
さて、そのオルメカ像は、現在、いくつかの場所で見ることができる。
まずは後期オルメカ文明が栄えたタバスコ州ビジャエルモッサにあるラベンタ遺跡公園。1周約1.2キロの園内には、巨石人頭像がこれでもかというくらいに立ち並んでいる。
べラクルス州のハラパにあるハラパ人類学博物館も見逃せない。ここでは、「頭でっかち」の名で知られる高さ3メートルの巨石人頭像を見ることができるからだ。

そして最後に、メキシコシティ北部にある国立人類学博物館も忘れてはならないだろう。
ティオティワカン、マヤ、アステカといったメキシコの代表的な遺跡で発掘された重要な遺物は、ほとんどがこの博物館に収められているといっていい。ここを訪れればそれだけでメキシコの歴史を網羅でき、より深い理解を得ることができるのだ。
帰りにはぜひ土産物コーナーに立ち寄り、古代メキシコの空気も味わっていただきたい。


月刊ムー2023年2月号より
中村友紀
「ムー」制作に35年以上かかわるベテラン編集記者。「地球の歩き方ムー」にもムー側のメインライターとして参加。
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